394.《ネタバレ》 小学生の時
「ドレミの歌が出てるんだよね、見ておくかな」
…と、たまたまTVでやっているのを見た。
でも当時、ドレミの歌以外は興味なく、キザっぽいオジサンが「え~でるわぁいす♪」なんて歌ってるのを見てもピンとこず、ましてや後半の政治色の強いあたりになってきたらわけが分からなくなって、”面白くない映画”のグループ入りになっていた。
(といっても小学生なので、映画といってもTVで淀川さんや水野さんがナビゲーターをしていた映画番組で放送された中でのグループ分けだが…笑)
あれから30年。
今や、ナチスが絡む映画も大好きで、ミュージカルを含めて映画音楽の作品に寄与するパワーも理解し、また最近は若手俳優より渋い熟男な俳優が好みになってきた私が今、この作品がたまたまTVでやっているのを
「昔つまらないと思ったけど、いちおう有名な映画だし、見ておくかな」
程度の期待値であらためて鑑賞した。
それが何という事でしょう!!
見終わって「こんなにステキだったなんて!今日から”面白い映画”のグループに移動!」となった。
小学生の頃は見るのをやめてしまった後半も、ナチス関連の物語が好きな私には何の抵抗もないどころか、政治色が濃いというほど違和感があるものでなくむしろ「ワケあり一家の夜逃げドラマ」のような軽い仕立てになっていてその違和感もなかった。
まず、冒頭の丘の上に立つマリアにはるか上空から俯瞰でグワーっと迫っていく、あの場面でツカミはOK。当時はドローンなんてのもないわけで、ああいった演出を当時やることには相当勇気と予算が必要だっただろう。
「私のお気に入り」という歌は、どこかで聴いたことのある…
そう、JR東海のあの印象的なメロディではないか。(この歌が文字通り私のお気に入りとなった)
そして、小学生のときは”キザなオッサンが歌う退屈な歌”だった「エーデルワイス」は、魅力的な熟男(今となってはかなり私好み。うふふ。)が歌うマロヤカなメロディとして私の心をわしづかみ。
(ちなみにこの歌、学校の音楽の授業で日本語で歌った時はシンプルな”お花の歌”だと思いこんでたが、エーデルワイスはオーストリアの象徴であって、反ナチ&オーストリア愛国者の彼が歌う愛国の歌だったのですね)
さらに、「さよならの歌」もまた、子供たちならではのユニークな演出コミでチャーミングなナンバーであった。
当初は子供がなぜ7人も!?と思ったが、ようはコーラス編成や、さよならの歌での演出で、最低7人のセットである必要性があったわけだ。
深読みすれば”7人の子とマリアを足して8人=音のオクターブ(8)”を象徴したかったのではないだろうか?
最後に主人公たちにおとずれた危機からの脱出に、シスター達が一役買っていたのは思わずニヤリ。
あまりにも有名で評価の高い映画だが、歌よし・俳優陣よし・ストーリーよしの三拍子がそろって大傑作であることは、やはり間違いない事実だと分かった。