119.《ネタバレ》 あの場所であの時間にロープで上がるのは無謀だよな。本当はもっと暗くなっているのを映画の約束事として明るく見せた、っていうんじゃなくて、だって後でもっと黄昏てからロープをしまい残しているのを外から発見するんだもん。そんなものを見ても通報しないだろう都会の無関心を考慮に入れてた、ってほどキモが太い男じゃなく、電話が鳴ってりゃ慌ててロープしまい忘れて部屋に戻るし、それを発見すりゃ車置きっ放しで駆けつけ盗まれてしまう。ここはどうしたって引っかかる。さらに言えばそのロープは、後で女の子が路上で拾うだけでおしまいってのも説明不足。あの金属性の爪の重みで自然落下してたのです、とこっちのほうで脚注をつけておきました。というわけでスリラーとしてはかなり文句がつくが、フランス人は心理ドラマのほうに重点を置いているのだろう。密閉された男と、夜の街をさすらう女の対比がたぶん監督が一番描きたかったところと見た。M・デイヴィスのジャズの効果も大きいが、この夜の描写の質感が素晴らしい。J・モローの心中の動揺を想像させつつ、冷えた夜が無表情の彼女を包み込んでいく。まるでエレベーター坑の空洞を静かに落下していく火のついた紙のよう。そしてラストのモロー。出獄時の自分の年を計算していくその愛の妄執の凄味、こういうとこになるとフランス映画の独壇場だ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-13 09:35:48) (良:3票) |
118.上手く説明できないのだが「雰囲気」というか「香り」で楽しむべき映画というのがたまにある。その元祖が本作ではないだろうか。現代の我々は、とかくプロットを追うことにばかり気をとられてのんびり映画を楽しむことを忘れているように思う。かったるい?まあそう慌てないでゆっくり映像と音楽を堪能しなさい、お若いの。映画というのは「スパイダーマン」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」だけじゃあないんですよ。 |
117.犯行が計画どおりに進んだとして、なぜ犯行後すぐに人目につくカフェで待ち合わせ?ジュリアンの友人の男の存在も必要とは思えない。そういった疑問(不満)はあるがジュリアンと社長夫人の心理描写は秀逸。社長夫人の怒りとも不安とも言える心情をわざとらしい表情で見せず一晩中パリの街を歩き回らせることでうまく表現している。エレベーターに閉じ込められたジュリアンのあせりもこれまた表情では見せない。同時進行する社長夫人の描写、そして若いカップルの一見意味の無いドイツ人夫婦とのエピソードとジュリアンの置かれている立場との対比で展開のある外界と展開の無いエレベーター内をうまく表現している。ラストもなかなか。2つの殺人事件のそれぞれの犯人の行動に目を向けたとたんの、一度間違った発表をしてマヌケと思ってた警察の逆転劇。サスペンスとしては弱いが、秀作には違いない。 【R&A】さん 7点(2004-02-05 12:19:26) (良:3票) |
116.《ネタバレ》 オープニングでいきなり「ジュテム、ジュテム」と電話口で繰り返すジャンヌ・モローを観たとき、何なんだ?この話はぁ~???とハテナマークが飛び交ったんですが、なるほど夫殺しの話だったのね。夫殺し、妻殺しの映画を観て思うことは、そんなにイヤなんだったら離婚すればいいのに。離婚してくれないならともかく、財産も欲しいなんて欲を出すからダメなんだよ、といささか冷めた目で見てしまう傾向にあります。ところがこの映画に関しては、ジャンヌ・モローのあまりにもの思い詰め具合に引き込まれて、もういいとかダメとかそんな判断能力がぶっとんでしまいました。また、コトの真相が解った後のジャンヌ・モローの行動力といったらアッパレの一言。愛人を探して夜の街をふらついていた彼女と同一人物とは思えないほどです。しかも花屋の娘を「小娘」と言い切る彼女は貫禄充分。ロープを忘れるヘマをし、エレベータに閉じこめられ、車を盗まれて殺人容疑がかかり、警察に捕まっていただけの男より、よっぽど彼女自身が夫を殺害したほうが成功率は高かっただろうに。暗室の現像液の中から浮かび上がる写真には本当にドキっとしました。あまりにも綺麗な笑顔だったから。このうえなく幸せという顔をしたジャンヌ・モローが写し出される一方で、絶望の淵にたたき落とされた彼女がいる。すんごい対比です。ただ、あの写真、誰が撮影したんだ~っという疑問は残りますが。 【元みかん】さん 8点(2003-10-24 00:56:55) (良:2票)(笑:1票) |
《改行表示》115.《ネタバレ》 サスペンスとは何かと問われれば、かなり私見で広義ですが、“劇中の人物が知らない真相を、観る側の人間がそれを把握している場合に起きている出来事”のことだと勝手に思っているのですが、この映画の凄いところはそのサスペンスの斬新さにあります。 ストーリー上では3つの場面がクロスカッティングによって同時進行し、更にこの3つの場面全てにサスペンスが成立してしまっているというとんでもない展開。 まず、ジュリアンは車が盗まれてしまいその先々で起こる事件によりドイツ人夫妻の殺害犯に知らぬ間に仕立て上げられてしまい、またカララ夫人はジュリアンがエレベーターに閉じ込められているという真相を知らず、そして若者たちは社長殺害犯の車に乗っているという事実を知らないまま車を走らせるという、まさかのトリプルサスペンス! ただ、この斬新なシナリオは評価できますが、細かな部分に粗が多すぎるのが玉にキズ。 冒頭の社長殺害のシーンは直接的な描写でなくて好きなのですが、鉛筆削りの音で銃声をかき消すように撮りたいのか、はたまた鉛筆を削り終わった後の数秒の間で銃声が響いてしまい失敗に終わるのかが一瞬わからず、映像が社長室に移行する時に初めて殺害が成功したのだとわかるのがちょっと完璧ではないし、また、エレベーターに閉じ込められていた時に鉤付きのロープの映像が一度も出てこなかったのも演出力のなさを感じます。ここはジュリアンがロープを取るためにに戻ったのだから、ジュリアンがエレベーターの中でもがいているシーンの途中でベランダに残ったままのロープのカットを最低1回は挟むのが常識でしょう。 それと決定的にダメなのが、カメラをストーリーの中に出してしまうところ。 犯罪映画において、カメラが証拠品になることなんか誰にとっても当たり前過ぎる事であって、しかも「3枚残ってる」とわざわざ不倫現場が写っている事を暗に教えてくれてしまっているのは、ここで伏線張りましたと言ってしまっているようで、何だか悲しくなってしまいました。 最初に述べたトリプルサスペンスのアイディアは見事でしたが、この映画を撮った頃のルイ・マルは演出においての力量にやや欠けていた感があったような気がします。 ところで、若き頃のブリアリがチェスをやってたりおかしな証言をしてたりして、妙に存在感出てましたね。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-01-30 23:06:08) (良:2票) |
114.《ネタバレ》 ひとつのミスから、殺人計画の筋書きが狂っていく。主人公の知らぬ間に事態は悪化。予想もしない方向へ進んでいく物語を興味深く観られました。ただ“完璧な計画”でも“僅かなミス”でもなかったのが残念。特に主人公がエレベーターに閉じ込められる“タイミング”が問題だったと思います。鉤爪付きロープ回収後ならまだしも、閉じ込められた挙句に肝心の証拠隠滅もままならないでは、どうしようもない。この時点で計画は破綻してしまっています。呑気に朝めしなんか食べている場合じゃありません。また、バカップルの所在が簡単に割れてしまうのももったいない。2人は展開を複雑にするキーパーソン。立ち回り方にもうひと工夫あっても良かったと思います。もっとスリリングに仕上がる要素を孕んでいただけに、惜しい気がしました。なお特筆すべきは、カララ夫人の心象描写の丁寧さ。音楽と相まって印象的なシーンを創り出していました。ここが通常のサスペンスで終わらない本作の良いところだと思います。結末は意外なほどあっさり。物足りなく感じました。自分には上品過ぎたかも。濃口に慣れると薄口に戻れないのは、料理の味付けも趣味の嗜好も一緒のようです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-18 18:34:13) (良:2票) |
《改行表示》113.《ネタバレ》 格調高き、元祖・オバカ映画。恥ずかしながら、つい最近初めて見ました。昔ほんのチラッとTVで見かけたときの印象と、あまりに有名なマイルスのテーマ音楽から、こむずかしい話だと思い込んでたので。BSで放送されることを知り、なぜかふと「食わず嫌いはよくないよね~」と見始めたら、「あはははは、おかしい、この映画」とびっくり。ストーリーの発端からしてアホだし(ふつうロープ忘れる?あのシチュエーションで。ありえないことを描くのが映画でしょ、と思ってる私でさえ、口あんぐり。)、全編、アホのオンパレード。やっぱりこんな昔にこんなヘンテコリン(ほめコトバです)な映画を作って喝采を送ってたフランス人て、私たちとはエライ違いだわ。スティール写真やタイトルからは想像できない映画、という点が惜しいですね。こういうの大好きな人が、確実に見落とし(いい例が私)、文芸ものなんかが好きな人が見て、腹立ててる可能性が高いと思うなぁ。とにかく私のようなオバカ映画好きには、出てくる人たちがみんなオバカで(いや刑事は違ったけど。あーそういや、高校の頃、某俳優と名前を間違えて、「リノ・バンチュラ、好き」と言って友だちにびっくりされたっけ。すぐに自分のミスに気づいたけど、当の俳優の名が思い出せず、笑ってごまかしちゃった・・)うれしいし、それと、冷たい雰囲気の美男子、モーリス・ロネがいいわー。今見るとジュード・ロウはロネに似てますね。だから「リプリー」にキャスティングされたのかな(これってもしかしたら有名な話?)。 【おばちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2004-01-04 12:26:45) (良:2票) |
112.主人公が「ロープを回収し忘れる」という失態を冒したうえに、エレベーターに閉じ込められる。そんな三面記事みたいな展開から物語が始まります。正直最初はあまりにもおマヌケなので「こんなんで大丈夫かい!?」と不安になりました。しかし、愛人や若いカップルが物語に絡みだすと俄然面白くなります。最後まで引きつけられました。「昔の映画補正」を抜きにしても、普通にハラハラする場面もありましたしね。愛する男の無実(?)を証明しようとすればする程、彼の本当の罪が明らかになってしまうというジレンマが絶妙でした。それ意外にも、愛人の女性が夜の街を徘徊する場面など、サスペンス以外でも印象的なシーンが沢山あります。1つの映画で色んな楽しみ方ができる作品ですね。ラストシーンは、サスペンスであると同時に、主人公と愛人の写真が次々現れるという、一風変わったラブシーンになっています。思い出してみれば、主人公と愛人の共演カットは全くありません。水面に反射する彼女の顔は今にも消え入りそうだけれど、2人が同じ空間で仲睦まじく愛し合っているのはあの写真の中だけ。まさに神がかったエンディングです。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-02-20 02:18:27) (良:1票) |
111.《ネタバレ》 サスペンス映画の傑作。2つのサスペンスが同時に進行し、意表外なことから思わぬ展開となり、複数の犯罪が一気に白日の下にさらされるラストは見事である。中年の愛と若者の愛も描けている。硬質なモノクロ映像、心理描写に卓越したカメラワーク、主演女優の艶麗な美しさ、クールで洗練された音楽、頗るゴージャスだ。完全犯罪を目論んだが僅かの偶然から破綻していく過程を見せる映画のように見えるが、そうではないだろう。主題は「倦怠(アンニュイ)からの開放」。登場人物のほぼ全員が倦怠を感じている。倦怠とは、退屈な生活、本来の自分でない自分に対する嫌悪感といったところ。社長夫人は、夫との愛のない生活に疲れ果てている。ジュリアン(大尉)は戦争で死線をさまよったが、戦争で儲けている男の下で働いている。花屋の娘は、退屈な仕事と貧しさに甘んじながら一人暮らし。青年はやりたいことが見つからず、仕事もせず、バイク窃盗で指名手配され自暴自棄になっている。その他、秘書、警備員、各飲食店の従業員、酔っ払いの大尉の友人、警察の受付まで、誰一人明るい顔をしていない。人生に倦む現代人の無表情がそこにある。倦怠を暗喩するのが雨模様の夜の都会であり、その中を夜を徹して恋人を探して徘徊する社長夫人の姿は、自由を渇望してもがく現代人の姿そのものだ。恋人通しがお互いに惹かれ合うのは、倦怠から脱出したいという共通の素懐があったからだろう。彼らは犯罪を起こす前から 倦怠という名のエレベーターの狭い空間に、息も絶え絶えに閉じ込められていた。だからこそ中年の恋人達は自分たちの邪魔になる男の殺害するという決死の決断をし、若い恋人達は自分たちの犯罪が明るみになりかけたとき、躊躇なく自殺を決行したのだ。殺人を犯したことでエレベーターは死刑台へとつながる。展開上、若者の恋人達は、中年の恋人達をかき乱しているだけの存在にみえるが、実は両者は対等だ。アンニュイを感じている人ほど、この作品に惹かれるのではないか。残念な点もある。鉤爪付きロープが地上に落下しているが、もし雨などのせいで勝手に滑り落ちたとしても、ベランダに落ちるはず。ロープは回収するつもりだったが、警備員が部屋に入ってきて、あとで回収するしかなかったという筋にすべき。殺される観光客はおちゃらけすぎ。最後の抱擁写真だが、あれは一枚で良い。風景写真の中にたった一枚あった方が印象が強い。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-10-06 04:20:24) (良:1票) |
110.《ネタバレ》 なんという向こう見ず!なんという行き当たりばったり!このバカップル、互いの事しか見えてないんだなーー!!、、、と思いきや主役のあんちゃんも、なぁにエレベーターに閉じ込められてんだよ!すました顔して間抜けだな!、、、、と思いきや、姉ちゃんの方も写真でバレるぐらい気づいとけ!まったくどいつもこいつも、、、、おいこらマイルス・デイビス!甘いトランペット吹かして、間抜けどもを小洒落にに見せつけるんじゃない!おいルイ・マル!こんな映画を作ったらかっこいい間抜けどもが巷に増えるだろ!これだからフランスって国は、、、、。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2008-01-13 22:04:36) (笑:1票) |
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109.《ネタバレ》 一見しっかり者に見えるジュリアンが、ロープを忘れる、車の鍵はかけたままと初歩的なミスをたくさん犯すのですから、完全犯罪とは言えずサスペンスとしてはそう面白くありません。私もあの若者に苛ついてしまった口ですし。でもこれは愛の物語ですね。やはり特筆すべきは、最後の写真が浮かび上がってくる場面でしょう。写真を見た時のカララ夫人の顔と、そこに写った夫人とジュリアンの仲睦まじく幸せそうな姿。ああいうのをお洒落と言うのでしょうね。(確かに誰が撮ったの?という疑問はありますが。) それから題名、気に入っています。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-01 18:24:07) (良:1票) |
108.《ネタバレ》 ジュテーム!ジュテーム!このジャンヌ・モローが愛人であるモーリス・ロネと電話でのやりとりから始まるシーン、もう、他に何も要らない。この僅かな台詞だけで十分過ぎるほどの説得力を感じるのである。それも全てはジャンヌ・モローという良い女の象徴のような女が見せる表情、その姿だけで余計な説明など全くもって不要であることが解るぐらいの演技力、女優の演技、本物の女優とは何かってことをこの女優を観るだけで思わずにはいられないほどの圧倒的な存在感、演技、一人の男を自分の方へと振り向かせてしまう凄み、説得力、そして、話が進むに連れてどんどん引き込まれていくこの雰囲気作りの上手さ、この映画を見てつまらないとか物足りないと思う人はおそらくは現代の映画、特にアメリカ映画に慣れてしまっているであろう!映画に必要とする雰囲気を味わう為の映画であって、単なるサスペンス映画ではないのである。少なくも映画の雰囲気作りの上手さにおいてはそこらの今時の映画にはない上手さがこの映画にはある。その雰囲気をどれだけ酔いしれるかでこの映画の評価は大きく変わると思うし、それはあのマイルス・デイヴィスのジャズにしても同じであり、映画に物語だけを求める人には向かない映画であろう!逆に物語だけでなく映画的なムード、余韻を楽しみたい人には素晴らしい映画として評価出来るだけの作品であると私は思う次第で、見れば見る度にこの映画が私は好きになります。てことで初めて見た時も面白くて8点にしたけど、今では9点にしたいということで点数を8点から9点に変更致します。ルイ・マル監督のデビュー作にして私の中ではこの監督のベストがこの映画です。 【青観】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-06-26 19:32:59) (良:1票) |
107.《ネタバレ》 ルイ・マル監督が25才で放ったデビュー作ですが、いきなりこの面白さですから、これはもう素晴らしいの一言です。映画史的にみれば、これはフィルムノワールの傑作とも言えます。ただ、このフィルムノワールの持つサスペンスフルな展開をベースに、都会的ラブストーリーを乗せたことで、次世代、ヌーベルバーグの香りが漂います。個人的には、フィルムノワール、つまりは犯罪映画というよりは、むしろラブストーリーとしての印象の方が強いです。その第一の要因が、全編にわたるマイルス・デイヴィスの甘いトランペットの旋律。次に、ファーストカットです。ジャンヌ・モローの大写から始まり、「愛してる」「愛してる」「君の声が頼りだ」「臆病なのね」「愛は臆病だよ」とくれば、これはもう完全に正真正銘のラブストーリー。そう、これは愛の物語。そして「愛は臆病」であって、それゆえに、愛ゆえの「完全」な犯罪などは到底不可能なのです。実のところ、この冒頭のシーケンスで、この物語の結末が暗に示されていると言っても過言ではないでしょう。若いカップルが車を盗んで、モーテルに駆け込むあたりはヌーベルバーグ。エレベーターという密室の圧迫感と、ラストで現像液から証拠写真が浮かび上がる様はフィルムノワール。そもそもヌーベルバーグと言っても、それこそ様々な古典から影響を受けまくった監督たちが多種多様の映画を生み出しているので、これがヌーベルバーグの草分け的作品であるという位置づけは、正直微妙なところだと思います。ただ、この映画が作成された時期が、フランス映画の一つの「流行」の転換期であったことをこのフィルムが教えてくれるのは確かでしょう。もちろん、こうした映画史的な位置づけ云々を別にしても、非常に完成度の高い、「面白い」映画であることは間違いないと思います。名作です。 【スロウボート】さん 8点(2004-10-11 15:35:27) (良:1票) |
106.ほぼ半世紀前に20代なかばという若さの監督のデビュー作。いつの時代も、次世代を担う斬新なセンスを持った人というのは必ずでてくるものだ。音楽以外は即興ではなく、かなりよく練られた演出だと思うよ。ジャンヌ・モローもそれまでの「イイ女」の定義を変えてしまったんじゃないかなあ。やはりこれは革命的な作品だといえるのではないでしょうか。だからこそいまだに語られる、話題になるのだと思う。そういう意味もあっての満点です。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2004-09-19 10:28:20) (良:1票) |
105.サスペンスと言えばだいたい真実に導いてくれる探偵役がいて、観客は探偵役と一緒に事件の解決に向かっていくので、安心して事の成り行きを見守り、必ず明かされる真実の重さみたいなのを感じるのが一般的だと思う。ところがこの映画はまったく逆!真実は解ってるのに登場人物の誰も近づけず、むしろ遠ざかりまったく別の物語を創ってしまう。最後には真実に到達するわけだけど、別の物語ができる切っ掛けが些細な事なら、真実が明らかになる切っ掛けも頼りないものです。別の物語を創造していく過程がやや作為的?な印象もあるけど、真実と言われるものがいかに頼りなく出来ているのかが伝わってくる映画でした。 映画全体としては、事件が思わぬ方向に転がっていくあたりからはテンポも良くていいけど、前半はダルイです…フランス映画にありがちですけどね。 【ペリエ】さん 8点(2004-06-27 15:18:13) (良:1票) |
104.雷ゴロゴロ鳴っているのに、一体雨はいつ降って来るんだ?そればっかり気になって。降ったら降ったらでマダムは一応ずぶ濡れになっているのに あのバカップルの所には全然雨降る気配がなかったし。最後のスナップ写真は一体誰が撮っていたのだ?謎多し。 【3737】さん 5点(2004-03-19 21:52:23) (良:1票) |
103.古き名作サスペンスには満足することがほとんどない。今作も例にもれず、何の衝撃も受けずに終始してしまった。題材的には興味を引く部分はあるのだけれど、描き方に中途半端な印象を受ける。現代映画の目まぐるしい編集に慣れきってしまっている部分もあるのかもしれないけど、やはりサスペンス映画はある程度映像で引き付けることは重要だと思う。そういうことを考えると、やはりヒッチコック映画は革新的であったのだと感じる。 【鉄腕麗人】さん 4点(2003-11-18 15:30:29) (良:1票) |
102.主人公のプレッシャーが観客に伝わる映画。良作。 【Snach】さん 8点(2003-02-07 21:22:14) (良:1票) |
101.白黒ならではの光と影の演出、二人のカップル達の対極的な印象、エレベーターの箱そのものを死刑台にかけてたり、主人公達のあまり大きく動かないが必死になっている表情と最後の写真での笑顔など、いろいろ印象に残ってる映画です。フィルムノワールの一つとして傑作だと思います。 【恥部@研】さん 8点(2002-12-18 16:09:21) (良:1票) |
100.ちょっとテンポが遅くて眠りそうになった。でもまあつまんなくはなかった。あの若いカップルはなんなんだ?勝手に車盗んで人殺してるし 【ボンちゃん】さん 6点(2002-05-29 19:25:32) (良:1票) |