75.《ネタバレ》 半世紀前のSF映画ですが、ハードウェアのデザインがモダンで素晴らしいです。機能がそのままデザインに反映され、デザインが機能を語っていた古き良き時代ですね。多少野暮ったくても味があります。特に宇宙服のような手術服には、「その発想はなかったわ」といたく感動しました。物々しいディテールの積み重ねにワクワクしながら見ていましたが、終わり方は随分とあっけなかったです。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-07-06 18:40:45) |
74.《ネタバレ》 邦題から、宇宙空間を舞台にしたSF映画を予想してたんですがみごとのに外れました。しかしながらそんな事はどうでもよくなってしまうくらいに凄い映画でした。冒頭、“何か”が起こった街を探索するシーンから研究所に至るまでが淡々と描かれてますがそれがかえって未知の恐怖を倍増する効果をもたらしているし、中盤から後半に至るまでの“アンドロメダ”の謎の解明などがスリリングに描かれているのもこの映画が普通のSFパニックではないことを物語ってます。言うまでもなく、これはSF映画史に残る傑作です! 【クリムゾン・キング】さん [地上波(吹替)] 10点(2021-07-30 19:15:21) (良:2票) |
73.《ネタバレ》 みな様ご存じ、最新科学的知見を取り入れたハッタリを書かせたらピカイチのマイケル・クライトンですが、彼のフィクションは映像化するのには意外とハードルが高いところがあります。本作で言えば、ニューメキシコのド田舎の住民を全滅させた宇宙から衛星が持ち込んだものが何なのか、という謎を純科学的に解明してゆくプロセスを映像として再現するところでしょうね。そこはベテランのロバート・ワイズですから、地下深くに構築された研究施設のディテールに徹底的にこだわった演出でストーリーテリングして成功しています。当時では最先端のコンピュータシステムの画面なんかは今の眼で観ちゃうと微笑ましい限りの代物ですが、執拗に描かれる殺菌プロセスなんかは現代でも通じる絵作りだと思います。このストーリーで地味だが斬新なところは、人々に死をもたらしたものが細菌でもウィルスでもなくアミノ酸を持たない地球上では考えられない生命体だったというところで、「微生物やウィルスのようなサイズや構造の知的生命体が地球外に存在するかもしれない」というセリフには目から鱗という感じでした。 この映画では結局匂わすだけで終わった感じでしたが、衛星を打ち上げて回収する“スクープ計画”なるもの自体がなんとも怪しげです。宇宙から細菌や微生物を採取してBC兵器を開発するのが目的だったと暗示しているようですが、まあフィクションですから目くじら立てることはないですけど荒唐無稽ではあります。でも製作時期を考えると“コロナ・ウイルスBC兵器説”に代表されるような陰謀論の元ネタなのかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-15 22:13:29) (良:1票) |
《改行表示》72.《ネタバレ》 未知の感染症パニック映画と聞いて想像する、「人々が病気でバタバタと倒れる、死ぬ」映像が一切ないことにまず驚きます。 物語の進行も、現地調査はほとんどなく、厳しく隔離された研究施設内で地道に細菌の性質を究明し、その明らかになった特徴で サスペンスを演出するというもの。現代でリメイクするなら、CGを駆使して派手に飾りたい欲を我慢できないでしょうね。良作。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2019-10-21 17:54:15) (良:1票) |
《改行表示》71.《ネタバレ》 ドキュメンタリータッチのSFというのが変わってる。 謎の病原体でバタバタと死んでいった人々の中で、なぜ赤ん坊と酔っ払いの二人だけ生存しているのか。 研究所内での出来事がメインで派手な動きはないけれど、迫りくる人類存亡の危機にどう対処していくのかで引っ張られる。 結局、病原体は特定のpH領域でしか活動できないということを突き止める。 SFの中には素人目にも突拍子もない無理な理論の上に成り立っているストーリーもあるが、これなら何となくそんなこともありえるかと思えてしまう。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-02 23:38:57) (良:1票) |
《改行表示》70.《ネタバレ》 終始一貫してソリッドな作り。まるでNHK特集の生真面目な再現ドラマを見ているようです。 ちょっと色気のある制作者なら、未知のウィルスにパニックになる市井の人々だとか、スクープを抜こうとする記者とかの描写を入れそうなものですが、もう頑固なまで科学者サイドべったりの目線。たまにホワイトハウス側の「どうなってるんだよ」という外野の声も入るには入りますが。 スター不在の地味なめんつが地味に(そして必死に)原因を探すのに付き合わされる130分。全身消毒を繰り返すくだりはさすがに飽きますが、派手さは無くともこれが意外にサスペンスフル。特に冒頭の”死の町”描写は淡々としてるが故にぞっとする光景が現実味ありでとても怖いですし、赤ん坊の泣き続ける声というのもこちらの気持ちをざわざわさせます。 そして本作は71年の作品ながら、コンピュータ等の機器に古臭い感性が少ないのも観やすかったです。66年の「ミクロの決死圏」のメカは正直「未来風な」デザインを目指しすぎてヘンテコになった感がありましたから。テレビ電話やタッチ画面など、やけに正確に技術予見してるなあ、と驚きました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-29 16:46:52) (良:1票) |
《改行表示》69.《ネタバレ》 「2001年宇宙の旅」を想起させる緻密な画作りで、閉鎖空間でのサスペンスを手堅くまとめたSF映画の佳作。 科学的見地から人類と未知の生命体との攻防を描き、ミクロの世界の恐怖を見せつける。核爆弾を使えば病原体が拡散するという逆説的な風刺の面白さ。そして、宇宙生物を利用して細菌兵器を開発する計画に気づき「これも偉大な一歩」とつぶやくレービット博士………アームストロング船長の言葉をもじったセリフは皮肉のパンチが効いている。 飲んだくれ老人と赤ん坊という“弱さ”を代表する二人の生存、そのカギを握る酸性とアルカリ性、突然変異と無害化、それらの対比が意表を突く展開で、中盤以降は俄然面白くなる。 核自爆装置の解除は予定調和だが、終盤のハラハラドキドキは後の「カサンドラ・クロス」や「アウトブレイク」などにも受け継がれる、いわば“ハリウッドのお家芸”だね。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-17 13:33:36) (良:1票) |
《改行表示》68.もっと真剣に見ていれば、もう少しロジカルに理解できたのかもしれないけれど、途中で筋を追いかけるのが面倒になってしまいました。どんな研究所でもそうですが、研究者の仕事ぶりを門外漢が傍から見ていても、きっと5分で飽きます。そんな映画です。 ただし、紅一点の研究者を若手美人女優ではなく、いかにもな感じのオバサンに演じさせるあたり、よかれ悪しかれ「真面目に作っているんだなあ」という感じです。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-08-30 01:23:12) |
《改行表示》67.脚本と演技が共に良くて、随分引き込まれた。皆さんおっしゃる通りラストはちょっといただけないけど、それ以外は十分楽しめました。 半世紀近く前のSFなんて見られたものじゃないだろうなあ という予測は裏切られました。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-08-20 21:57:25) |
66.映画的な面白さは、最初の集落探索シーンで終わっていました。研究室に立てこもっているからいかんとは言わないけど、各キャラクターが作り込まれているわけでもなく、物事の展開があるわけでもなかったりすると、結局は「台詞を並べているだけ」という印象にしかならないのです。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-08-03 00:31:02) |
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《改行表示》65.SF好きにはなかなか凝った作りで面白いのかも知れないが、さすがにB級の雰囲気満載。 ちょっと観るタイミングを間違ったんだろうか。 【simple】さん [地上波(吹替)] 4点(2015-09-14 22:11:53) |
64.《ネタバレ》 人類の存亡をコンピューターと4人の博士だけの判断力に委ねてしまっていいのかよといいたくなるが、病原体が酸とアルカリに弱かったり突然変異で無害になってしまったり、とりあえずは都合良過ぎる展開にめでたしめでたし。研究施設の自爆システムを解除できるのが一人だけというのも随分リスキーな危機管理だと思うけど、ハラハラドキドキさせてくれたので文句は言わない。結局人類滅亡の危機を救ってくれたのは汚染された町の核消滅を躊躇した将軍(or大統領?)だったのか。40年以上も前の作品だけど今見ても十分面白い。 【ProPace】さん [地上波(吹替)] 8点(2015-09-06 08:06:14) |
63.初見での面白さが半端じゃなかった。開幕5分で見入らされ、後はそのまま。終始サスペンスで派手なアクションなど皆無だが、ストーリーと丁寧な展開の移り変わりそのものに見入らされる。再三フラグが立てまくられている「ラスト5分」はスパイスでありオマケ。おっちゃん達が各々全力を尽くす感じだとか、その道のプロが人間味を交えながら力を発揮するだとか、理屈で核心に近づいていく過程だとか、そもそもそういうのが好きというのも面白いと感じた要因なのかもしれない。私は生物・化学の知識がゼロなためもし矛盾とかがあっても全く気付けない一方で、専門用語連発で置いてきぼりをくらうという感じでもなく、展開とともに、あ~なるほど、だからそうなのか、そういうやり方になるのか、と見入ったまま考えること自体を楽しめる、そういった意味でも良い作品と感じました。 【53羽の孔雀】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-07-06 04:01:27) (良:1票) |
《改行表示》62.《ネタバレ》 ロバート・ワイズのSF映画は結構面白くて好きなのだが、流石に「地球が静止する日」や「スタートレック」等に比べると派手さに欠け題材も取っ付きずらい印象。 宇宙船やら宇宙人やらが出てくる映画を期待した人間はさぞかし肩透かしを喰らったと思う。 本作のSFは「少し不思議」なミステリー仕立てだ。 人々が全滅した街に残された「未知」。 生存者は? 何故生存したのか? 物語は淡々とした作りだが、徐々に「未知」の招待に近づいていく緊迫感が漂う。 近未来風のセットではなく、あくまで当時の技術で魅せる事にこだわった造り込み。 宇宙人はいるのか? 地球外生命体はいるのか? いずれにせよ、地球外生命体が本当に発見された時が再評価の時だと思う(スタートレックしかり)。 核で成長とかその発想はなかったわ。 そういやトランスフォーマーで「レーザーウェーブ」ってロボットがいるのよ。 好物が核燃料だぜ? 是非とも福島の復興に来てください(超切実)。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-10 08:20:07) |
《改行表示》61.あまりみんなにお勧めできるような映画ではないけれど 好きな人にはいい映画。 |
60.クライトンの小説が好きで、よく読んでます。しかし、映画になると途端にダメダメになってしまうものが多いんですね(例外として、ジュラシックパークはアドベンチャーとしてとても面白い映画でしたが)。この「アンドロメダ・・・」もその数少ない例外の一つではないでしょうか。オープニングタイトルは小説の世界観をよく表していると思います。隔離された研究室で、人類の今後を左右する目に見えない脅威との戦いはとてもスリリングです。そして、事態は一見収束したかに見えても、事件の前と後では誰も気づいていないところで世界は決定的に変化してしまい、そして以前の世界には戻ることができないという変化を描いていると思います。クライマックスの展開はちょっとサービス的でしたけどね。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-23 12:44:59) (良:1票) |
59.クライトンのこの小説は映画を観るまで読まないことにして待っていたのですが、やっと時間がとれて(暑い連休で外に出るのもおっくう)自宅で鑑賞。このアンドロメダと名づけられた小説では英国の学者フレッド・ホイルの異星から送られた生命体による危機をテーマの小説(多分映画化されていない)があって、更に同時期に書かれた小松左京の「復活の日」(これは「火星の殺人者:MM21と呼ばれる細菌兵器研究のために育てた地球外の細菌が流出して人類滅亡の危機を招くものでこの映画のシチュエーションに似ている)などSFには格好の題材のようです。この映画で感心したのは1970年代初期ですからCGには物凄く金がかかるところをキャラクタベースでの画面で緊迫感を求めていることです(後にマトリックスなどが踏襲していますが、これはつまらない)。安っぽいスリラーみたいに画面に突然化け物が出てくるのでもなく、あくまで正攻法での映像を貫くことで真面目な作品となっています。宇宙との間での物質の出入りは宇宙開発の最初から各国が必要以上にと思われるほど気を配っていますが、昨今のように途上国まで参入してのコスト競争が続くとこの映画が杞憂と笑えない日が来るかもしれません。 【たいほう】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-16 23:48:12) (良:1票) |
《改行表示》58.《ネタバレ》 宇宙の生物が、エイリアンなどではなく、微生物であるところとか、地下に作られた研究施設の防疫システムや、専門家たちが謎の病原体を解明してゆく、その科学的な過程などの細かい描写が、リアリティを醸し出し、サスペンスとして魅せてくれる。一方、核による自爆システムをギリギリで止める演出など、多少陳腐なところもある。 宇宙から細菌を持ち帰った衛星の形を見て、どうしても一昨年帰還した、はやぶさを思い出さずにはいられなかった。もしあれが、細菌汚染されていたら、大変な事になっていたんだと、恐ろしくなった。大気圏に突入した時の高温で、生き物は死んでしまうんだ、と漠然と考えていたが、地球上でもヒ素を栄養にする生物が発見されたり、まだまだ我々の常識を超えることが、世の中にはいっぱいあるらしいので、油断できないものだ。 物語は、これを軍の細菌研究の招いた厄災としている。研究所の危機と、アメリカ国土上の危機は、何とかアルカリによって脱した事になっているが、まだまだこれからも同様の危機が起こりうることを示唆して物語は終わる。自ら研究していた生物兵器によって、バイオハザードの危機に陥る物語は、たくさんあるが、おそらくこれはその初期の傑作であると言えるのだろう。 【Tolbie】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-06-08 15:14:55) (良:2票) |
《改行表示》57.非常に静かなパニック映画。それが妙なリアルさと緊張感を与えてくれる。 リメイクでもされたら、ド派手な映像シーン満載ということになるんだろうけど、 映像技術の発達していない時代の作品ということで、懸命なシナリオの練りとともに、 丁寧に作られているなぁという印象。ストーリー自体も面白いという範疇で、 大方の人は納得できるのではないかと。お薦めのSFパニック・ドラマ。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-12-01 20:37:04) (良:1票) |
56.《ネタバレ》 初めて観たのは10代の頃TVで。その時は興奮しました!(当時の感性だと8~9点) 寝たきりの爺さんと赤ん坊だけが生き延びた謎に引き込まれたもんです。感染すると血液が粉になって死んじゃうという不思議で怖い病気と、その病原体の不思議な仕組みにドキドキでした。けれど、今回久々に見直してみたら、やはりちょっとスローでゆるい感じは否めなかったです。しかし、この作品を初めて観た時の感動は、物語の面白さのみではなく、この話を作り出したのが医学生かなんかだということも自分の中でプラスされてました。医学生だったのかどうか曖昧な情報入手しかしてませんでしたが、どうやら医学畑に関係する人らしいってことは分かって「そういう人が小説書いたりもしちゃうんだ、スゴいなー!」と感心してました。『ウエスト・ワールド』っていう、西部開拓時代を再現したテーマパークで、安全管理されたロボット扮するガンマンたちと西部劇ごっこを楽しむはずが、ロボットが暴走するという映画もあって、その映画は本作と同じ原作者でしかも映画監督までやっちゃったらしく「なんてオールマイティーな人なんだ!」とウラヤマビックリしておりました。自分が大人になってからもその人が面白いお話を作り続けてるとは当時思ってもなく、『ER』だの『ジュラシック・パーク』だの出してきた日ニャ「マイケル・クライトンてどんだけスゴい人なんや」と感心しまくりでした。というクライトンさんの存在を知るきっかけになった作品です。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-06-06 03:00:10) (良:2票) |