《改行表示》11.《ネタバレ》 実在のシリアルキラーを元にしたストーリーだが、ちょっと気晴らしに運動するかというくらいの感じで人を殺していく感覚が恐ろしい。 ただ、その恐ろしさはドキュメンタリーか書籍のほうがもっと伝わったかも。 映画としてはそれほど面白くはなかった。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 4点(2020-12-01 23:16:50) |
《改行表示》10.《ネタバレ》 この手の実録異常犯罪ものはどうしたって映画としてはキワモノ扱いで、ぶっちゃけるとB級ホラーと同じノリで作られている様に思う。その意味では、本作では主人公ヘンリーの犯行の凄惨さやヴァイオレンス描写といった部分のスリラーな見応えは(取り分け壮絶なラストを含めて)非常に素晴らしく、ホラーもどき映画として求められる要素の出来は、このジャンルの映画としては間違い無く高水準だと言えると思う。ただし、やはり実話ベースの犯罪映画として、私は、実在のヘンリーの人物像や殺人の動機・解釈に関してが作品中に必ず描かれるべきだと思うし、その面について言えば本作はかなり浅薄な作品であると言えるとも感じている(そもそも、詳細は省くが相当部分がフィクションだし)。 「セックスするなら、相手を殺さなくてはならない」と言ってのけたヘンリー・ルーカスは間違い無く極めて深刻な性的倒錯を伴う異常性欲殺人者であったはずで、その精神異常は母親による幼児期の虐待によって形成されたことが明白である。にも関わらず、本作におけるヘンリーの犯行動機はどれも非常に衝動的で、「特に動機が無い」のに殺してしまうと言う意味の異常さのみが際立っている。私見を述べれば「メチャクチャにタチの悪い不良」程度の異常性でしかなく、より深刻な(しかも実在の)快楽殺人者としての異常性を描けてはおらず、異常犯罪の真の意味での恐ろしさは全く感じないと言うのが正直な感想である(ヘンリー・ルーカスについての実際の心理分析を読む方が余程怖い)。 まあ、前述通り完全にB級映画として製作されている本作にそこまでの脚本上の精密さを求めるのも詮無いことなのかも知れないが、仮にも実話ベースで名前も本物使っといて、それは流石に失礼じゃないのとも思うのだが(いくら相手が異常殺人者とはいえ)。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-12-21 02:16:31) |
9.《ネタバレ》 実在人物でレクター博士のモデルとなったと言われるヘンリーの殺人記録が描かれています。彼の生い立ち、被害者の人となり、警察捜査模様は一切描かれておらず、殺人模様及び遺体をこれでもかと見せられて、私がこれまでに殺した蚊の数を覚えていないのと同じレベルで人を殺す人物の恐ろしさを味わいました。おどろおどろしい音楽も怖さを後押ししておりました。 |
8.やっぱり実話に基づいて系は苦手なんですよね。ヘンリー・リー・ルーカスっていう大変な奴がいましたっていうお知らせ映画としてならなかなか良作だと思いますが。やはり映画にするとどこまで行っても想像の域なんですよね。監督の世界になってしまうのだ。でも猟奇殺人物が好きな人はやっぱり観ちゃうよね。 【movie海馬】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2014-09-29 01:51:52) |
7.《ネタバレ》 ヘンリー・リー・ルーカス。実在したアメリカの連続殺人犯。「普通の人」ならまずヘンリーの思考は理解出来ないだろう。OPからヘンリーが手にかけたと思われる死体(遺体)が映し出される。ぞっ、としたのはカフェで多分朝食を取った後のシークエンス。ウエイトレスに「笑顔が素敵だ。」とにこやかに世間話をし、店を立ち去るヘンリー。車に乗った後のシーンでそのカフェで起こった凄惨な画が映し出される。にこやかに話しかけたさっきまで笑顔でいたあのウエイトレス、そして店主と思われる男性までもが殺されていた。普通の会話の後に、「普通」に人を殺しているヘンリー。そして何も無かった様に立ち去る。この演出はこの映画において素晴らしく的確。犯行を直接見せず、その間に殺人があった事実を観客に知らせ、想像させる余地を与える残酷な演出。普通の人なら計画的・衝動的な動機などが無いとまず人を殺害などしない。つまりヘンリーには普通の、ちょっとしたついでの様に殺人が描かれている。マイケル・ルーカーはルックスからしていかにもなんですが、「狂気」というのはそんなに感じさせていない。声を張り上げた時に少し怖い、という印象くらい。なぜならヘンリーは「普通」だから。殺人を楽しむ変態ではないから。彼にとって「殺人」は息をするのと同じ。車の故障を装い、オーティスに銃で人を撃たせた後の、「どうだ?すっきりしたか。」と言う台詞のごく自然な言い回し。まるで子供にトイレで用を足させた後の言い方。マイケル・ルーカーはその辺りを理解し、心得て演技をしていたと思います。ラスト、ヘンリーは車のトランクを開け、しばし中を眺めてから大きなスーツケースを取り出します。逃避行の際、ベッキーに「愛しているわ。」と言われ、ヘンリーは「多分、愛している。」と返事を返す。スーツケースを取り出すまでのあの時間に、ヘンリーの心境が垣間見えた気がする。 【miki】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-09-03 12:31:46) |
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6.純粋殺人者って言うんですか、実在した殺人狂なんだけど、彼なりの心得がちゃんとあって、同じ手口は続けない、首を絞めた次はピストルとか。場所も変えていく、そうじゃないとつまらないから。なんか分かるのは、関わりが周囲に知られている者には手を出さない。用心のためもあるんだろうが、彼の「心得」の一つ。憎い相手でも手を出さず、親切に車の修理を見てやろうとした行きずりの他人で代用する。ここらへんの(彼ならではの)世間との緩やかな関わりが、なんか分かる。世間を代表させた「他人」を一人ずつ殺しているんだろう。母を殺した手段をしばしば言い間違う、何通りもの手段によって、何通りもの殺しが繰り返されていく。そして究極の孤独へ向かって突っ走っていくヘンリー、おそらく孤独というものを理解できずに。殺人ってのは、濃密な人間関係とそれからの解放を同時に果たす、あと腐れなくサッパリと。まだ多少人間味のあるオーティスを主人公にして、ただのチンピラがどのように「開発」されていったかを辿るという手もあったが、この映画は、この世には「われわれ」とハッキリ断絶している人間がいるんだ、ということの凄味で勝負した作品なんだろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-08-29 09:28:17) |
5.《ネタバレ》 サイレント映画の時代から星の数ほど犯罪映画は撮られてきたけど、この映画を超えるのは本物のスナッフ・ムーヴィーしかないんじゃないかと思うほどで、実話犯罪映画のまさに極北です。ヘンリー役のマイケル・ルーカーがあまりに強烈で、他の映画で彼が出てくるたびに「あ、ヘンリーだ」っていまだに条件反射してしまう私です。 4年もオクラ入りしてようやく公開されたと言うだけあって、冒頭のタイトル・ロールからしてまるで自主製作映画みたいなシンプルさ、そして普通の人が蠅や蚊を退治する様な何気なさで殺人を重ねるヘンリーとオーティスの鬼畜の様な生活。これがほぼ実話だと言うのは凄いことで、創作なら誰もこんな恐ろしいお話しは考えつかないでしょう。思いのほかグロい描写は少ないのですが、こんなに淡々と人を殺すところを見せ続けられると、観てる方も精神的に参っちゃいます。 まさに取扱注意の毒薬ムーヴィーです。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2012-04-04 21:24:19) |
《改行表示》4.《ネタバレ》 動機のない殺人というものがいかに恐ろしいかがよくわかります。 いらいらしているときにタバコを吸ったり、美味しいものを食べたり、人は自分の好きなことをすることで気分転換し、リフレッシュします。ヘンリーにとってはそれが殺人にあたります。ただの心理的な欲求に、本能の部分で従っているだけです。 かたやオーティスは、もともとそういった欲求はありません。しかし、成り行きでヘンリーの殺害に立ち会ってしまい、次第に殺人の魅力にとりつかれていきます。ですが、オーティスにとっての殺害は趣味の範疇を出ておらず、娯楽のひとつにすぎません。そこがヘンリーとは決定的に異なります。(オーティスは殺害を記録し、それを何度も見ては楽しんでいます。ヘンリーは過去に起こした殺害にはまったく興味はありません。自分がタバコを吸うシーンを見て楽しむ人はいないので、当たり前と言えば当たり前です。) 二人の間に次第に確執が生まれますが、それも当然かもしれません。なぜなら、精神的に異常で、未熟なのはオーティスのほうで、ヘンリーは殺人の生理的欲求以外は、いたって普通の真面目な人間だからです。そして、ベッキーが来たことで、その確執は最悪の形を迎えます。 そしてそのベッキーは・・・ もしベッキーの視点でこの映画を見ると、最悪の残酷映画になるでしょう。幼いときに父親から性的虐待を受け、母は見てみぬふり。兄も筋金入りの変態かつだめ人間。ようやく手に入れた結婚という幸せももろくも崩れ去り、最愛の娘は置き去りに。やっと見つけた、紳士で真面目な人間がヘンリーだったという、ここまで不幸せな人間がいるとは・・・ 映画の完成度としては10点以上なのですが、実話ということもあり、不謹慎なので9点にします。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-12-25 21:33:38) |
3.《ネタバレ》 オープニングから死体描写の嵐、後半の生首登場。あんまりそういう描写になれてない自分にとっては普通に「うわぁ・・」って気分になっちゃいました(笑)普通の生活のなかで当たり前のように人を殺していき殺しては何事もなかったかのように去っていくヘンリーの神経がとてつもなく理解はできないけど自主映画でruntimeも短いせいかオーティスらと出会ってからのシーンなのでその出会う前までがちょっと見たかったなぁ。マイケル・ルーカーの狂気の演技とラストの後味の悪さ、怖すぎ。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-13 11:23:49) (良:1票) |
2.実在した殺人鬼ヘンリーをドキュメント風に…ドキュメントが故の緊迫感ガ少し薄いか?かなり怖いと思っただけに。 ヘンリーに見る狂気を、見事映し出しているとは言い難い気がする。その部分もっと掘って欲しかったかな~ヘンリーのキャラが、もう少し濃ければ…奥崎謙三先生っぽい気がしたんだけど… |
《改行表示》1.《ネタバレ》 ヘンリーというアメリカの実在の殺人鬼を元に、彼の日常を淡々と描写した「擬似ドキュメンタリー」。まるでちょっと食事にでも出かけるような気軽さで人を殺していくヘンリー。そこには道徳や倫理、相手に対する同情や後悔など微塵も存在しない。その感覚はもはや「異常」とか「正常」と言う常識的な二元論では語れない境地ですらある。 過激な殺害シーンや、ミステリー的な謎解きが出て来る作品ではない。しかし、見るものにこれだけのインパクトを与える作品はめったにないだろう。マイナー作品ながら、「連続殺人鬼もの」としては、色々な意味で群を抜いていて、下手なホラーやサスペンスなど、まるで太刀打ちできない衝撃に満ちている。あまりにヘンリーのキャラクターが強烈過ぎて、私の中ではマイケル・ルーカーと言えば、この作品を思い出すほど。 ベッキーという彼に好意を寄せる女性が現れ、心の渇望を癒すような展開に持って行きつつ、そんな「一般人の希望的観測」や「常識」を突き飛ばす衝撃のラスト。何者の理解をも拒み、そんな期待すらも持っていないであろうヘンリーの心の闇の深さに、ただ慄然とするしかない。 【FSS】さん 9点(2004-10-17 13:55:38) (良:1票) |