310.《ネタバレ》 初めて観たのはDVDだった。
そして、それを買うとウォンカのチョコが付いて来た…うん。
でも、驚くほどに甘くて美味しかったと記憶している。
――チャーリーとチョコレート工場(2005年)
もう「凍えるような寒さ」と言えば、この映画の情景が浮かぶ。
それがチョコの甘さで溶けていくような風景が好きなんだよな…。
その佇まいを観せる映画なので、良かったら観て欲しい。
いや、既に観た人は、想い出すって意味ででも。
* * *
やっぱりティム・バートンは素晴らしい。
高い芸術性と、腕のある監督業の両立を魅せてくれる。
しかし、この”現代の童話か?”と思わせてくれるキャラクターが秀逸。
何よりも、ウォンカーのチョコレート工場に招かれた子供たち。
そして、そのバカな家族が紹介される様が滅茶苦茶に面白い。
うん「子は親の鏡」とか「背中を見て育つ」とか聞くけど、まさにそれを表現。
何にしても「人の家をジャッジ」するときゃ、誰もが冷静だが…自分の子供に対しては、そうもいかないくらい熱心……だから親なんだろうね。
――そして、アレ。
出てくるチャーリーの家族が最高なんだよ!マジでっ!
あのお爺ちゃん、お婆ちゃんらが異常に可愛いし、(人生経験からか)優しいのがツボだったし、中でも一緒に工場に向かう「ジョーじいちゃん(デヴィッド・ケリー)」が最高だったなぁ…。
んで、ジョージおじいちゃんは永井一郎氏が吹き替えをしててさ?
当然、この声が素晴らしくて、ずっと観て・聴いて来た身体に沁みついてるのを実感。
いや「サザエさんの父さん」は永井氏じゃなきゃなー、と改めて思う。
また、カツオを怒る声が聞きたいくらいだ。
簡潔に言うと「家族の愛」もテーマの一つ。
ウォンカが、ずぅぅぅぅぅぅぅっと心の奥に仕舞いこんでいる父親「ドクター・ウォンカ(クリストファー・リー)」が最高だ。
何ちゅう配役だよ、さすがティムバートン!俺は最初観たときゃ泣いたし!
しかし、最初に観た時の印象は10年以上を隔てても、当時のままに解放されてゆく。
当時から想ってたが…ウォンカの狂った様を観てると…アレだ!
――君、もしかして正体はジョーカーか?
なんて、思ってしまう程に狂気的な存在だったけど、話が進んで行くと、色んな家族を観た事で段々と氷解してゆく。
最期にはチャーリーと、あそこまで心を通わせてるってのは相当に素晴らしい。
俺は、こういうベタなのにも弱いんだよなーと再確認……いや、チョロいわ。
ずっと昔に「夢のチョコレート工場(1971年)」も観たけど、小人族のウンパ・ルンパだっけ?
あの表現方法の発展って言うか「近代映画的なCG技術」を観て…当時、リメイクでも映画の進化のさせ方を知ったのも思い出す。
いや、顔が全員同じで(オマケに南米系っぽいんで)スター・ウォーズ/エピソード2の「クローンドロイドかよ!」って思ったけど。
ともあれ、うん。
過去の「世界名作劇場」を観た後のような、胸の暖かくなる気持ち。
そんな、暖かい気持ちを感じさせて貰った。
ダークでありつつ、温かい気持ち…
そんな映画を操るティム・バートンを称えたい。
素晴らしいなぁ、本当に。
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