22.《ネタバレ》 彦摩呂が映画評論家なら、「豪華俳優陣の玉手箱や~。これは、好きな人にはタマラン味ですなあ~」と宣いそうな映画だと思いました。要するに、コメディとして微妙な出来だと。日本人には馴染の薄い笑いの体裁ですから。例えば、ドリフターズ、ひょうきん族、吉本新喜劇、ごっつええ感じ。私世代の日本人なら、これらが代表的な笑いの教科書でしょうか。あとオールナイトニッポンかな。ボケがあってツッコミがあり、フリがあってオチがあり、スカしあり、天丼あり、ナンセンスあり……。笑いのスタイルは刷り込まれています。学習済みのオモシロ信号なら、何時だって受信感度抜群です。バッチコイ。ところが未知の笑いはチューニングが大変です。巨人がルーキー投手を打てないのと同じ理屈。中盤まで球筋を観察するのに必死でした。ついにリズムを掴んだと確信した瞬間は、研修生が斬られる場面。爆笑でした。結論。とっつきは悪いが、コメディとして十分笑えるという評価です。演出面でのお気に入りは、船の断面描写。もう無条件でワクワクです。宮崎駿監督が撮りそうな画だと思いました。音楽は文句なく一級品でしょう。音楽が素敵な映画は、それだけで採点が甘くなってしまいます。しかし、それ以上に心を掴まれたのは、主人公ズィスーのパーソナリティでした。自分勝手な目立ちたがり屋で、家来を従える裸の王様。彼の根底にあったのは孤独感だと感じました。一人ぼっちで海の中に潜っているような。降って湧いた息子に肩入れしたのも、寂しさゆえのこと。それにしても、まさかあんな別れが待っていようとは。運命とは無慈悲なものです。でもズィスーは遂に手に入れました。いや既に手に入れていたのです。どうしても欲しかった家族を。孤独極まれる深海で、そっと寄り添ってくれる仲間は、紛れもなくファミリー。富や名声よりも、ずっと価値があるはずです。エピローグも素晴らしい。お揃いの赤い帽子と制服で、今日も冒険を始めよう。一人ぼっちじゃないライフ・アクアティック。息子ネッドの魂と共に。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-31 18:59:26) |
21.映像の美しさがMTV系のPVを延長線上にある感じがある。ミッシェル・ゴンドリー系の独特さがある作品。トリップしたような感性があって見ていてほのぼのする。 |
《改行表示》20.新進の映画作家が生み出す奇妙で愛らしい世界観と人物像に魅了される。ストーリーは極めて破綻気味で、定石など端から期待してはいけない。そんなものはこの映画にはナンセンスそのものだ。 ハチャメチャなストーリーなのに、この映画が破綻せず、しっかりと成り立っているのは、この監督の確かな創造性と、ビル・マーレーをはじめする集結した俳優たちの高い能力との融合故であろう。 可笑しく、感動的な、大人のためのアドベンチャー映画だ。素晴らしい。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-03 08:16:32) |
19.《ネタバレ》 こんなに豪華な俳優を集めてこういうテイストの映画を撮っちゃうって、ある意味凄く贅沢なことです。この監督のドラマ作りはユニークなキャラクターの出演陣に一呼吸外した演技をさせるのですが、悪くはないのだけどちょっとワン・パターン化している感じがします。本作では海洋冒険活劇という若干ドラマ性のあるストーリー展開になっていますが、ウェス・アンダーソン節としてはどこか中途半端な印象です。まあ、ウィレム・デフォーの面白さを再認識できただけ儲けものでした。自分は「ザ・ロイヤル・テンネンバウムズ」の方が好きですね。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-11-01 20:05:40) |
《改行表示》18.But the film is a saddening bore. 'Cause I wrote it ten times or more. It's about to be writ again. As I ask you to focus on. 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-28 15:01:25) |
《改行表示》17.《ネタバレ》 さて異常なほどのキャストの豪華さをどう考えたらいいのか困ります。これって彼らがなだれを打って出たがるほどの作品なのか? 正直いうと私はロイヤルテネンバウムスよりは見やすかった、マシだと思いました。 それでこの唯我独尊おやじが突っ走る話を単なるストーリーと思っていいものかどうか、迷います。作り手は単に面白がっている(見ているほうは面白くないが)だけなのでしょうか。 おやじの行動はどうもどこかの国を思わせずにいられない。人のものは自分のもの。やられたら相手の本拠地に乗り込んでいって倍以上やり返す。何事も深く考えない。困ったときは暴力。反省自省の欠如。いつも子分をぞろぞろ連れていないとイヤな性分。 やっぱ…アメリカを揶揄しているとしか思えないんだけどなあ。 といっても、この作品はアメリカを皮肉るためだけに作られたとは思えませんし、そういう意味では皮肉が不足している。 ストーリー自体はとてもつまりませんし、百歩譲ってもおやじの身内でもなければ面白くはないでしょう。 やっぱりこの監督さんとは合わないなあ。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-24 13:30:18) |
16.《ネタバレ》 同監督の「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」や「ダージリン急行」は乗れなかったんだけど、この映画は何故だかツボった。音楽の使い方が巧くって、海賊の居るうらびれたホテルに潜入するシーンなんて面白すぎる。潜水服が宇宙服に見えるこの不思議。また豪華な俳優陣が揃いも揃って良い演技を見せてくれている。ビル・マーレーはこういう役はもうお手のものだろうから置いといて、何より笑わせてもらったのがウィレム・デフォー。一人短パンで頑張ってる姿が可笑しくて可笑しくて。それからオーウェン・ウィルソンも今までとは異なるキャラクターを見事に演じてたと思います。最後のほうのサメのシーンはバカみたいだけど美しかった。 【ピカレスク。】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-03-22 16:45:07) |
15.ホント、松尾スズキみたいな映画。監督が一人でヘラヘラ笑いながら作ったような感じ。3分の2が本題と関係ないセリフのやりとり。この監督の作品、もう絶対観ない。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 2点(2009-01-25 15:50:25) |
《改行表示》14.《ネタバレ》 ドキュメント映画をとる人たちをドキュメントっぽく撮った作品。多彩で印象深いキャストと、センスの良い音楽やカメラワークなど独特な演出が素敵です。 期待していたコメディ色は弱く、地味な展開にメリハリをつけるためか無駄にアクションや不必要なドラマをいれてみたりと欲張りすぎた感があり、焦点がわかりづらい。せっかくいい役者が揃ってるのに、スポットが当たりきっていないのももったいない。デフォーはグー。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-10-29 11:08:52) |
13.みんなで一所懸命バカやってみました映画。中でもウィレム・デフォーは出番もセリフもほとんどないにも関わらず、「真面目に」やってました。おつかれさん。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 3点(2008-07-31 19:56:34) |
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12.これがウェス・アンダーソン節なのだろうが、今回はいまいちのめりこめず。相変わらずキャスティングは豪華で、絶妙な外しっぷりを見せるが(特にウィレム・デフォー)、前作(『ロイヤル・テネンバウムズ』)ほどのキャラクター性を感じなかった。コメディとシリアスのバランスも微妙で、途中いきなりアクション映画になってみたりと、一体何をやりたいのか分からない。別のコンディションで観たら良かったかも。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-03-18 11:11:06) |
【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2006-10-22 13:18:10) |
10.深くは説明できませんが、松尾スズキに近いテイストじゃないかと思いました。ゴージャスな配役ですね。今っぽいんでしょう、きっと。一番楽しんでたのはウィレム・デフォーかも。 【おばちゃん】さん [地上波(字幕)] 7点(2006-07-22 12:29:21) |
9.映画のなかで色んなものがぐるぐる蠢いていて、それをそのまんまの状態でカメラに収めている。節度はないがハッタリが利いている。しかもこの監督独特のユルさが潤滑油みたいになっている。海洋を舞台とする壮大なスケールの内容ながら、「タイタニック」みたいな見世物根性がここには全く無くて、かえってそれらは隠してある。だから思い出すのはタイル張りのサウナルームであったり盗んだエスプレッソマシーンだったり、妙に高性能なレーダーだったり彼らのユニフォームだったりする。細部へのこだわりじゃなくて細部へのいたわりというか、結局それが登場人物のキャラクターにも関連してきて、ビル・マーレイ達にこれ以上ないというほどの魅力的な人物像を与える。ウィレム・デフォーの小物っぷりなんて、もはや泣けるんだこれが。だからはっきり言えばメチャクチャな展開だけど、画面が面白いからストーリーなんてどうでもよくなるし、気がつけばサメへの復讐だって最後まで忘れ去られる。それを破綻ととるか否か。まあ、どっちにしても最後のサメと遭遇するシーンを見てしまえば、些細な事は全て吹っ飛び「ライフ・アクアティック」はどこを切っても映画だとしか言いようがなくなる事間違いなし。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-06-14 12:41:30) |
8.見る前から解ってはいたんです、私には会わないだろうなって!あのロイヤルテネンバウムみたいなテイストだったら絶対無理だなって!でもケイト・ブランシェットが出てるから見なくちゃ!と思い我慢してみたけど、案の定駄目だった!2時間拷問のような映画だった。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 2点(2006-04-30 07:44:00) |
7.テネンバウムズの監督さんだ、見終わって気が付いて、納得。 【MjB】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-03-28 13:04:57) |
6.海洋冒険家でドキュメンタリー映画監督のビル・マーレイ演ずるズィスーとその仲間たちが伝説のジャガー鮫を追って繰り広げられる珍道中。相変わらずのウェス・アンダーソン節は健在で、『ロイヤル・テネンバウムズ』好きならはまる事この上なし。テネンバウムズしかり、ウェス・アンダーソン作品に通づるのは「切なさ」。愛すべき登場人物を作り出すのが抜群で、ちょっとイカれてるけど友達にすると最高な奴ら。彼等が悩む時、その「切なさ」は観てる側にも伝わる。これがウェス・アンダーソンの凄さなのかな。 【カイル・枕クラン】さん [DVD(吹替)] 6点(2006-02-16 19:37:34) |
5.「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のテイストなんだろうなあ、と思いながら見た。うむ、同じだ。この監督、徹底してますね。そして、私はこっちの方が好きです。ていうか、ウィレム・デフォーのクラウス。このキャラにノック・アウトされました。前半は「えっ、ウィレム・デフォーがこんな役を!?」で、後半は「クラウス、いいよ、クラウス!!」って、出てくるだけで笑ってた。好きなんだよねー、こういうキャラ。あの顔で、ポンポン赤帽子と半ズボン。半ズボンのウエットスーツの懐から、おもむろに帽子を出して被った時は爆笑でした。それから、クラウス、燃えてるよ、クラウス! でもカットされてるよ、クラウス! 特典のメイキングを見るとデフォーは「一日の撮影で、二行しか台詞がないときも」と少々不満げでしたが、あの押さえ気味な雰囲気が最高でした。ビル・マーレイのたるたる水着姿もいい。ゴールドブラムが、銃で背中まで貫通してて血が出てんのに、だかだか走ってるのもいい。それから…。あ、いかん。この映画、好きかも。 【ちゃいちゃい】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-12-05 20:48:48) |
【たま】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-11-09 21:39:10) |
《改行表示》3.《ネタバレ》 すごいシリアスな話のはずなのになんか半コメディ調で作られてるのがオレ的にいまいち受け入れられませんでした。そのせいで、笑いにくいし感動もしにくい苦笑い的作品としか感じられませんでした。 「ライフ・アクアティック」というタイトルとジャケットの潜水艇の写真が期待感をあおるのですが、いざ蓋を開けてみれば中身はそれほどエキサイティングでもサイエンティックでもなく(設定がドキュメント映画をつくる一行ってのもイマイチ)、またジャケットの潜水艇もラストのほうで5分ほどしか観ることが出来ず、潜水艇で色んな生物を見ながら楽しめる映画だと思って観たオレはかなり裏切られた気分です。途中から海賊とドンパチ始まるし、銃撃戦なんか誰も期待してなかったんだけどなあ。 「ライフ・アクアティック(海上生活)」ってタイトルですけど、そんなのは名ばかりの陸上でも起こりうる人間ドラマをただ海上でやったに過ぎないですね。妊婦のレポーターも、真偽のはっきりしない息子とかも、どれも「ライフ・アクアティック」とは無縁の設定としか思えなかっただけに、お世辞にもいい評価は出せません。 しかし、1人だけこの映画でいい味を出していたキャラを挙げろと言われればオレはクラウスを推します。彼がこの映画において一番人情味があるように感じられたことが大きな理由です。他のキャラはイマイチ役柄との一体感が感じられなかったので。もちろん大なり小なり良かった俳優もたくさんいますが、この映画においてはクラウス役の彼が一番良かったと思います。 【TANTO】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-11-02 01:25:52) |