5.《ネタバレ》 岡本喜八が東宝を離れてATGで撮った知る人ぞ知る異色作、彼は明治維新を評価しないことが知られているが、その明治維新の欺瞞性を官軍側視点で撮った『赤毛』の反歌のように戊辰戦争を賊軍のストーリーとして語っているとも言えます。 百姓の仙太と官軍と賊軍の狭間を行ったり来たりしている万次郎のコンビネーションがもう可笑しくてしょうがないです。巨根を持て余しヤルことしか頭のない仙太、ATGらしく東宝じゃ考えられない下ネタが散りばめられているのも愉しいところかな。ところがそんなおふざけだけじゃ無く、戊辰戦争で起こった史実も巧みに取り入れているストーリーテリングがまた巧みです。世良修蔵の阿武隈川岸での斬首、そして山川大蔵の彼岸獅子の行列に扮しての鶴ヶ城入場など、この入場は嘘みたいなほんとの話です。後半は細谷十太夫=高橋悦史の博徒を組織化したからす組の活躍がメインになりますが、この高橋悦史が実にカッコイイんです。土方歳三=仲代達矢もカッコイイんだけど、冒頭だけのカメオ出演だったのは残念。本作は仙太や万次郎と女郎やからす組隊員たち以外はみな実在の人物みたいです。官軍の残虐行為だけじゃなく、賊軍=仙台藩のだらしなさぶりもきっちりと描いていて、一種の革命だったとは言え戦争の非人道性・虚しさは訴えるものがありました。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2025-02-28 22:01:09) |
4.《ネタバレ》 史実をなぞった上で、その裏の架空の人物像を描くという手法はよくあるが、軽妙な娯楽作でありつつ、戦いの無意味さを感じさせるのは、岡本喜八監督ならでは。 主役二人、一生懸命の熱演なんだけど、奥行きや華がなく感情移入しにくいのが玉に瑕か。 【nobo7】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-07-06 22:36:17) |
3.《ネタバレ》 繰り返し見ている作品です。細谷十太夫役の高橋悦史がかっこよいです。田中邦衛も出演シーンは短いけど、かっこよい。戊辰戦争の裏側が学べました。70年代風のテーマソングにはまりました。 【はるすけさん】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2010-12-20 20:40:40) |
2.岡本喜八監督によるちょっと変てこな奴きり出てくる一風変わった戦争映画でありながらも時代劇でもあり、コメディでもあり、まあ、本当にちょっと変な作品!作品の出来に関してはそれほどだとは思えないし、むしろ岡本喜八監督作品にしてはどこかチグバグ!それでもどころどころ楽しめたし、大目に見て6点とします。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-18 04:40:20) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 面白半分で戦争に参加するお気楽な百姓と、シリアスな戦争との対比が面白い。そしてやたらまぐわいのシーンが多い。話が進むに連れ、戦争の厳しさを知り、顔つきの変わっていく百姓ですが、そんな中でも性欲に勝るものはないという描かれ方が実に気持ち良い。 百姓と密偵の二人のキャラクターがやたら濃いんですが、それ以外のキャストは余り活きていなく、全体のバランスや展開にはどうも切れ味に欠けるところがありました。 【すべから】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-17 23:54:39) |