《改行表示》85.《ネタバレ》 間違いなく仁義なき戦いシリーズの一本、という位置づけの作品ではあるのですが、菅原文太は脇に回り、物語の中心にいるのは北大路欣也。しがない若者の哀しき生き様が描かれます。一方、ワルそのもの、といった印象の千葉真一も光っていて。 ラスト近くのザラついたような映像が、凄惨とも言えるような迫力を出しています。降り続く雨の絶望感。追い詰められて自ら命を絶つ北大路欣也の姿には、戦場の暗い壕の中で自決していった若き兵士たちの無念が重ねられているのでしょうか。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 9点(2021-12-05 21:30:12) |
84.《ネタバレ》 シリーズ二作目は、北王子欣也=山中正治をストーリーラインのメインに据えた番外編みたいなお話しになり、菅原文太=広能昌三はいわば狂言回しのような役割となります。これはまだ抗争自体が燻っていたのに「二作目は広島戦争にしろ!」という岡田社長の号令に脚本の笠原和夫がビビったためで、いわばアリバイ稼ぎで書き下ろした感じみたいです。その為か山中正治のエピソードはかなり時期的にもずらされており(モデルの人物は昭和23年には死亡)、広能との絡みも創作みたいです。文太は出番の少なさに怒って一時降板を申し出る騒ぎもあり、文太なしでシリーズ四作が撮られていた可能性もあったのは興味深いです。 シリーズ中の最高傑作と評されるだけあり、登場キャラが立ちまくっているし群集劇としても見応えは十分です。中でもシリーズ中人気ナンバーワンのトリックスター、千葉真一=大友勝利の強烈な暴れっぷりと言動には惚れ惚れします。「あれらオ○コの汁でメシ食うとるんでぇ!」「人間うまいもん喰ってよ、マブイスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの?」、いやはやこの倫理の欠片もない迷セリフの数々、やっぱ書いた笠原和夫を第一に褒めるべきなんでしょうね。北王子欣也も、銃を構えるところの演技が真に迫っていて、とくに最初の殺人のときのリアクションが実にリアルでした。またこの二作目は、北王子欣也と梶芽衣子の悲恋物語でもあるのですが、この梶芽衣子はシリーズ中で唯一の女性主要キャラとなります。まあこの山中正治というキャラは劇中では単なる鉄砲玉的な行動しかしてなくけっこうおバカな感じですし、梶芽衣子を婚家に戻そうとする村岡組長や若頭の考えもあながち理不尽だと断罪してしまうことも出来にくいんじゃないでしょうか。そう考えると、成田三樹夫=若頭・松永が、本作でもっともカッコよいキャラだったと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-01-02 00:18:49) |
《改行表示》83.《ネタバレ》 1よりも好き。 鉄砲玉の悲哀みたいなのが出てた。 利用されるだけされて捨てられるみたいな。 大友勝利のキャラも良かった。 山中は実在した人物ということで軽くその人のエピソードも読んだけど こういうエピソードは映画にも厚みが出て面白い。 あと北大路欣也と千葉真一は本来演じる役が逆だったようだが 北大路欣也が大友役を嫌がって交代させたらしい。 わがままやなー。 【Dry-man】さん [インターネット(邦画)] 6点(2020-05-24 01:03:35) |
82.前作とは打って変わって、別の意味で半端ない熱量が迸る。菅原文太登場までが長い。女性の描き方が今ひとつだったり、それはドラマという意味での女性の描き方です。男臭さ満載の中での梶芽衣子の美しさ、前作には出てこない千葉真一の暴れぷり、成田三樹夫のスーツ姿の格好良さ、北大路欣也に小池朝雄、そして、そして、ヤクザ映画には違和感しかない前田吟がヤクザ映画に出てるという新鮮さと改めてこのシリーズは役者の演技、熱量が今の日本映画には無いものを感じずにはいられません。荒っぽさ、狂気、前作同様仁義なき戦いの名に偽り無し!改めて広島という街の雰囲気、一作目と同じく感じられてならない広島=ヤクザの街というイメージを決定ずかせてしまった作品ではないだろか! 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-12-28 18:27:26) (良:1票) |
81.前作よりはストーリー性はでたけど、はっちゃけた清々しさは薄まった気がする。鉄砲玉の悲哀というのがテーマかなあ。梶芽衣子の薄幸な美しさ光る。 【タッチッチ】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-05-15 15:54:01) |
80.《ネタバレ》 北大路さんと千葉さんの熱演に乾杯。ただ大友という役は言うほどクレイジーか?という感じで、思ったより普通という印象を受けました。あとは無駄に殺された若頭がかわいそう過ぎる笑 【なす】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-11-06 12:44:45) |
79.そもそもショウもない連中のショウもない話なのだが、今回の主人公さらに魅力が薄い。梶芽衣子の美しさに+1点。 【マー君】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-08-29 13:03:35) |
《改行表示》78.《ネタバレ》 仁義なき戦いの2作目。 北大路欣也が演じる山中と梶芽衣子が演じる靖子の報われないヤクザの恋の話。 まず、ストーリーが地味。役者も前作より地味。何より、中心人物の山中がカッコ悪いのが楽しくない。 北大路欣也さんの演技は良かったと思うんだけど、そもそもの役の設定が魅力ないんだろう。 2作目が1作品を超える事は、やはり難しいのかな〜。 |
77.シリーズ中、主要キャストに女性が含まれる唯一の作品ですね。北大路も梶もいいけれど、印象としては「千葉真一死闘編」という感じ。ヤクザというよりはチンピラ風のチャラい声で、すっかり主役を食っています。後の作品にも「大友勝利」は登場するのに、千葉真一は今回だけ。老成した千葉チャンも見たかったなと。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-01-18 00:15:57) |
《改行表示》76.シリーズ2作目だが、1作目のほうが面白かった。 山中に焦点が当たっているので、実質的な主役は北大路欣哉。 ただ、あまりにも簡単に騙されているので、頼りなくて魅力を感じない。 出番は北大路ほど多くないが、狂犬のように暴れまわる大友を演じた千葉真一のほうが印象に残るくらい。 一番印象に残ったのは梶芽衣子で、驚くほどにキレイで魅力的。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2014-10-14 04:14:10) |
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74.このシリーズは個人ではない「組」こそが主役なので、それと無関係に成り立っている北大路欣也の出番が増えるほど勢いが止まってしまい、逆に組織内の立ち位置を踏まえてこそ格好良さが増す成田三樹夫の存在感がじわじわと染みてくるのです。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-04-26 01:11:58) |
《改行表示》73.《ネタバレ》 本当に偶然なんだけれども、昨晩この映画を見た後今朝、こんな雑誌記事が目に留まりました。ある連続殺人犯の兄弟の手記で彼はこれを記したあと自殺したそうです。(可哀想に)「……自分はやっぱり犯人の弟なんだと思い知りました。加害者の家族というのは、幸せになっちゃいけないんです。それが現実。僕は生きることをあきらめようと決めました。」 人一人の命を奪うことってこれくらいの重さがあると思うんですが。 ところがこの映画の主人公の殺人鬼は何人もの命を奪った後でも、全く罪悪感を感じず、手前勝手な自己主張をくりひろげる。ちゃんちゃらおかしいと思う以前に、こんな人間にもほんの少しでも正当性やいい点があるかのように描く製作者の感覚を異常としか思わざるを得ない。山上光治に惨殺された警備員の泉さんの家族は、こんな映画どう感じたでしょうね。 だけど………、実に面白かった。 仁義などどこにもなく金と利権目当ての薄汚い存在であることがきちんと描写されてる点がよかったし、また神農と博徒の関係なども興味深かった。(自分的には、神農のくせに博徒の領分にちょっかいを出してきた大友がそもそも諸悪の根源としか思えないです) こんな倫理的には糞みたいな映画を、面白いと感じるのって自分でもなんだかなあw 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-04-14 11:47:15) |
72.群像劇っぽくもあった前作と比べると、今回は北大路欣也が実質的な主役。そういう意味では前作よりも分かりやすいかも。北大路欣也は、現在のザ・大物役者といったイメージしか知らなかったのだけど、こんなにかっこいい男前だったんですね。まるで触れると火傷しちゃいそうなギラギラした雰囲気が凄かったです。クライマックスはシリーズ全体で言っても、もっと言えば歴代邦画の中でも屈指の名シーンでしょうね。前作でさえスター俳優が次々死んでいったのに、新たなヤクザが次々現れ思わずクラクラしてしまうのも、続編ならではの魅力だと思います。菅原文太の出番はその代わり少なくなってしまったけど、その存在感はさすが。表舞台に舞い戻るキッカケも、「金に困った子分たちから、野良犬の肉を食わされた」という現状からなのが憎めません。 【ゆうろう】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-01-22 10:38:00) |
《改行表示》71.1作目とは全く異なる魅力を持っていますね。山中とやっちゃんの報われない恋愛に心臓撃ち抜かれたような気分です。梶芽衣子さんへの印象が大きく変わりました。千葉真一の怪演も素晴らしかったですが、出番が少なくて残念ですね。 相変わらずラストシーンは虫酸が走る憎たらしいものでこれまた素晴らしい。観客の感情を上手くコントロールする恐ろしい映画です。 【カニばさみ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2013-10-02 17:14:54) |
《改行表示》70.《ネタバレ》 他作の誰が死ぬか分からない様なヒリヒリとした雰囲気とは少し異なり、湿っぽい印象を持つ本作。それは誰もが裏切り裏切られ権謀術数が交差する他作とは違い、主人公格の山中正治にスポットを当てたからかも知れません。結構ストレートな恋愛もその印象を強めている。 但し本作には余りに魅力的な奴がいる!千葉真一演じる大友勝利です。彼の演技が特に素晴らしくもう最高。人間的にはクソ以下の様な振る舞いなんですけど、その広島弁の罵倒のリズムの良さ、迸る生命力(お前は何回撃たれたら死ぬんだ)、リアリストとしての人生哲学に惚れ惚れします。勿論、北大路欣也演じる山中正治の寡黙だが仁義を通し続けた生き様にもしびれましたが。 終盤で拳銃の残り一発の弾丸を確認する山中。彼はその一発を自分を裏切った組長に向けるのではなく、自死を選んだ。ある意味一作目と鏡合わせの様な作品であると思います。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-09-15 19:05:11) |
69.《ネタバレ》 前回主役の文太さんは脇に回り、本筋の話とは外れた外伝的な立ち位置。今回主役の殺人鬼山中がどう見たって殺人鬼に見えるのが凄い(笑)。相当ヤバイ眼つきしてて、いまにも人殺しそうな顔してます。内容はスカーフェイスみたいにどうしたって破滅するしかない男の物語ですが、女性に一途であったり、仁義に熱かったり人間的な魅力があるのが少し違うところ。ラストはあまりに悲劇的で哀愁を感じさせます。それと主演の女優さんがもの凄く綺麗な方で見惚れてしまいました。タランティーノが惚れ込むのも納得ですね。 【キリン】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-05-05 23:00:17) |
《改行表示》68.2013.03/20 鑑賞。梶芽衣子が可憐な感じでビックリ(最近、鬼の平蔵シリーズ鑑賞中)。 【ご自由さん】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-04-24 23:35:17) |
67.《ネタバレ》 千葉真一と北大路欣也の怪演っぷりが見事だった。前作と本作を観て思ったのは、トップに君臨する親分の心中が、誰にも増して非道であること(山守組の山守、村岡組の村岡)。山中の死は、前作の坂井鉄也の死を思い出させるが、この2人は全然性格が違う。やれやれっていう表情をする広能昌三を観ると、一層やるせなさ感が漂う。相変わらず、セリフの半分くらいは何言ってるか聞き取れなかった。 【VNTS】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-08-04 16:17:06) |
66.《ネタバレ》 今回は文太さんはお休みですね。北大路欣也さんを中心とした悲劇的なストーリー。まぁまたしても親分さんの人たらしといいますか、タヌキっぷりにマンマとハマっちゃうわけですが、このあたりはなんとも切ないですね。殺し殺され出世のひとつもできないんじゃ、若い衆の搾取ってのは今に始まったもんではないんだなぁ、としみじみ。 【ろにまさ】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-02-26 22:16:46) |