5.《ネタバレ》 前作から10年ぐらい経ったころの設定なんでしょうか、その間に第二次大戦があってジェイク・ギテスは従軍して勲章をもらい、LA市警のルー・エスコバルは負傷して片足を失うと明暗が分かれたわけです。ジェイクの探偵業はこじんまりながらも二階建てのビルを構えるまでに繁盛して、名門カントリークラブの会員になってゴルフを愉しむご身分に。敬遠する同業者もいる浮気調査で稼いでいるのは相変わらずだが、頭の片隅には不幸な生い立ちだったキャサリン・モーレイの行く末が気がかりとしてこびりついている。 正直なところ前作を観ていないと話しについていけない類のストーリーです。脚本は同じくロバート・タウンですが、ニコルソンのモノローグやストーリーの判りにくさも含めて前作と異なり普通のハードボイルド映画になってしまったというのが感想です。ジャック・ニコルソンが自らメガホンをとっているわけですが、演出自体は手堅くまとめています。この頃のニコルソンはすっかり貫禄が付いてしまっていて、グラサンをかけるともうタモリにしか見えない(笑)。ストーリー展開は前作が問題にならないぐらい難解で、もう少し整理した脚本にして欲しかった。ニコルソンとハーヴェイ・カイテルの共演は『ボーダー』以来だが、この二人はけっこう相性が良いんじゃないかな。砂漠地帯で油田産業が活況だったLAを象徴しているような赤色が強調されたヴィルモス・ジグモンドの映像は、その色合いが強烈な印象を残します。あと、ストーリーには何の影響もなく地震が何度も起こるのですが、この意図はしょうじき?でした。 けっきょく実現していませんけど、ロバート・タウンは“ジェイク・ギテス三部作”としてLAの地域史を描くことを目指していたみたいです。もし三作目が書かれていたら、キャサリン・モーレイに続いて、前作で銃撃されたけど死ななかったと劇中で言及されたノア・クロスが登場するんじゃないかと妄想する次第です。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-24 23:06:31) |
4.ハードボイルドの話のややこしさにはいつもついていけない者で、二人のジェイクの男と男の(一人の女を挟んでの)心の理解の話らしい。最初、靴の向こうにジェイクがいて、あとで二人とも同じ靴だったり…。ゴルフボールをコップに…。エレベーターが閉まる直前にタバコを…。など演出の洒落っ気はなかなかのもので、モノローグでハードボイルドの匂いが高まる。裁判所の場で銃声のテープが出てくるたびにビクッビクッとする主要人物たち。注目すべき失敗作ってやつですか。映画としてはあまり楽しめなかったが、この新人監督にもう一本撮らせてみたい、って気分は残った。このころリチャード・ファンズワースを立て続けに見ていたと記している。まだ『ストレイト・ストーリー』まで9年ある。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-09-19 09:28:36) |
3.前作の方が好きです。今作も雰囲気は良いんですけどね。なんか探偵を美化しすぎているような感じが漂います。探偵はやっぱ裏方で影がある方が似合いますね。この辺はポランスキーとニコルソンの違いですかね。 【tantan】さん 6点(2004-08-18 18:13:07) |
2.大好きな映画の続編で、大好きなジャック・ニコルソンがメガホンを持って頑張っているのですが・・・う~んやはり本家にはかなわないですね。ストーリーは面白いし、女優さんは綺麗だし、音楽も色彩も雰囲気出ているのですが、何だろう、ポランスキー版に漂っていた、退廃的で乾いた、匂い立つような寂寥感が、いまひとつ足りなりなく、物足りない感じです。 【ともとも】さん 6点(2004-02-09 15:40:28) |
1.チャイナタウンの続編でジャック・ニコルソンが監督してます。前編を先に観ないと人や物語の背景に深みを感じないと思います。キャサリンのその後にホッとしました。年を重ねたジャックが相変わらず渋く決めようとしてますが、ガードが少し甘く、少しHになってました。脚本は多少ゆったりして前編より余裕もって見れます。メグ・ティリーの髪のいたみは意図的?ならすごいな。ガンアクションのシーンが減ってノスタルジックになってます。黄昏ですね。 【スルフィスタ】さん 8点(2004-01-07 20:50:24) |