3.自分はこの監督がかなり好きなことに気付いた。彼の作品がビデオ店でホラーの棚に置いてあるのが何だか惜しい。キワモノ監督と揶揄されるのもちょっと残念。私はこの監督にある種の前衛と映画に対する真摯な姿勢を感じるのだけれど。センスもあるし。これは孤独を突き詰めて考えた作品でしょう。床に撒き散らされる白ペンキは、ただ無意味に垂れ流されるだけの精液。孤独な男の受け取り手のない性欲・欲望のメタファー。全編を通しての粒子の粗い独特の画面はとても美しく、魅せる力がある。私はかなり好きです。この監督は「死の三部作」などのイメージで、完成度の高い変態だと思っていたけれど、メイキングで撮影のストレスで胃腸を痛める位に繊細な人だと知ってちょっと安心した。周りから浮く位の見事なブロンドヘアに長身、結構顔もいいので俳優でも充分通る。