《改行表示》30.《ネタバレ》 すごく盛り上がるとか、オチというオチがあるわけではないストーリー展開だけれど、観たあと、長く反芻する作品。 姉と妹が対比されてるようには思うけれど、完全な対比でもないとも思った。 妹も愚かさは持っているし、純愛でもない。男と金で人生が振り回されるのは同じだ。 むしろ同じベクトルは持っていて、でも違うものがある。 それが何かははっきりしているけれど・・・ でもそれで教訓的なもので終わる映画でも無いような。 なんだろうこの・・・長いもやもや・・・ 自分も何かから目をそむけて生きているのかなあ。 【スズメッキの魔女】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2022-03-24 21:47:30) |
29.《ネタバレ》 あくまでC・ブランシェット演じるジャスミンが主役ですが、映画としてはアレン監督お得意の群像劇。ジャスミンを含めて、自分だけは真面、と思い込んでいるちょっと変わった人たちが数多く登場します。そして今回は、冒頭の機内で居合わせた老婦人から始まり、妹のジンジャー、そして妹の恋人チリなど、ジャスミンという人間を第三者の口から多く語らせていたのが特に印象的でした。ジャスミンの自己評価と第三者の評価のギャップが面白く、これこそが人が人と良好な関係を築こうとする時の弊害になっているものだと感じます。彼女は、美しく虚栄心に満ちた、鼻持ちならない女ではありましたが、頭が悪く空気が読めない、恋には一途、といった愛すべき一面も持ち合わせていたので、私はこのジャスミンという女を心底から嫌いにはなれませんでした。しかしラストは、残念ながらあまり後味のよい終わり方とは言えません。人間、その強欲が知らず知らずのうちに他人を傷つけていて、そのツケはいつか必ず返ってくる、といったアレン監督の訓示のようにも感じました。本作も監督の鋭い人物描写はさすがで、どこか滑稽な人間たちを、愛ある目線で描くアレン印は健在、、というよりはむしろ年齢を重ねるにつれてその切れ味は増すばかり。面白おかしい人間ネタをいったいあと何人分温めているのでしょうか・・。これからの作品も期待しています。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-11-18 22:52:24) (良:2票) |
28.《ネタバレ》 アレンの悲劇。ウインストレットの演技が光る。個人的には、もう少しライトな方が好き。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-26 22:16:28) |
《改行表示》27.《ネタバレ》 これは傑作。いろいろ必死になりながら、かえってドツボにはまっていく主人公がいい。イヤミなキャラのはずですが、つい応援したくなるのは、脚本が見事なのかケイト・ブランシェットの演技がすばらしいのか。誰でも見栄を張りたいときはありますが、それを傍から見るとこんなに滑稽なんですよと忠告されているような感じです。 では最後、いったどう着地するんだろうと思っていたら、どこにも着地しませんでした。むしろこれから、もっと悲惨な第二幕が始まりそう。なかなか残酷な作品です。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-14 23:31:12) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 さすがはケイト・ブランシェット。彼女はハリウッドの中でも一番の演技派ではないかと個人的には思います。 なんてことはないお話で、ケイト以外じゃ考えられない。彼女以外ならもっと平凡さの際立つ作品になっていたでしょう。 自業自得とはいえ、哀れみも感じる主人公。でもバレる嘘はついちゃダメよねぇ。 対比される妹の暮らしですが、サンフランシスコの風景は美しく、妹の生活もそんなに悪くないと思った。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-06 21:25:40) |
25.何でブランシェットがこの作品でオスカーなのか、さっぱり分かりません。彼女はこれより良い演技をほかの作品でいくらでもしています。ちなみに、2013の主演女優部門だったら、私が推すのはゼロ・グラビティのサンドラ・ブロックなんだけど、あの作品は視覚・音響・撮影の技術方面ばかりが異様に注目されてしまったから、仕方ないのかなー。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-03-06 00:53:41) |
24.予告編に釣られ、鑑賞..予告編では、少しサスペンス的なニオイがしてたんだけど..実際のストーリーは、何の捻りもなく そのまんまの展開..セレブから転がり落ちた主人公ジャスミン、現実を受け止められず、周りを巻き込み、ちょっと可笑しく まぬけで、“自業自得” を絵に描いたような物語..暇つぶしにはちょうどいい、って感じの作品かな... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-07-21 22:12:15) |
《改行表示》23.《ネタバレ》 鼻持ちならない女性が主役だが、精神的にも問題を抱えていて哀れみを感じる方が強くてコメディのような印象はない(実際にコメディではない?)。 結末が悲劇的だが、その演技も素晴らしい。 物語としては面白いと思わないので、こういった映画が好きな人なら、という作品。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-27 15:40:58) |
22.《ネタバレ》 ケイト・ブランシェットすごい、さすが、の一言。ウッディ・アレンの映画を観ていつも思うんだけど、役者さんの選び方がうまいよね~。でもまぁなんという救いのないエンディングなんでしょ。この終わり方もまたある意味、この監督さんらしいよね(笑)。ケイトの賞受賞も納得の一本でゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-08-17 18:01:23) |
《改行表示》21.《ネタバレ》 そうと自覚の無い愚かな人は、他者を苛々させるものだ。ジャスミンの自意識はとてつもなく高いプライドと見栄でできていて、「完璧な人生を生きるべき自分」に一片の疑いも持たない愚かな人だ。都合の悪いことには見て見ぬふりで先送り。確かに彼女は犯罪者ではないし、悪人ではない。だけど他人の人生を上から目線で否定する傲慢さ、良い人間でもないだろう。 上手いなあ、と思ったアレン演出はオープニングと、妹のキャラクター設定。 旧知の叔母らしき老婦人とファーストクラスで旅行中のジャスミン。ずっと語りっぱなしだけど、これは観客への状況説明なのかと思いきや なんと老婦人は辟易した顔で迎えに来た家族の元へさっさと向かうのだ。えーっ、他人だったんかーい、と客は驚き、初対面の相手にだらだらと自慢話をするジャスミンという女の人間性を一発で理解するのだ。 ジャスミンと対比の妹、これがまた絶妙に彼女と逆ベクトルの描かれ方なんですな。垢抜けない髪型、服装、バツ一、子供あり、スーパーのパート、と設定に抜かりない。ジャスミンが馬鹿にして止まない生活レベルなのだけど、彼女は姉のように自己承認欲求に心が縛られていないので、のびのびとして自由だ。感心なことに、ラストのけんか別れまで一度も姉のことを悪く言わなかった。 金は無くとも、人生をそこそこ楽しみ受け入れる妹、かたや酒と安定剤に頼りながらセレブ生活にしがみつく姉。 私はジャスミンが好きではない。やることなすことイタくて不愉快だ。だけど見栄をはってつい誇張するくらいのことは、誰でもやるだろう。「愚か」というだけでこんなに悲惨な結末を迎えるとは、震え上がってしまった。アレン怖いなあ。 ジャスミンを100%理解して演じたC・ブランシェットが凄い。充血した上目使いで自分の妄言に取り憑かれている彼女から目が話せない100分でありました。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-08-16 01:02:34) (良:1票) |
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20.《ネタバレ》 セレブな姉の生き方と、幸薄な妹の生き方が対比されて描かれており、当然のことながら、貧乏な妹を幸せそうに見せています。つまり監督はこう言いたいのです→女性たちよ、背伸びして男を選ぶなかれ、妥協して男を選び、平凡なあなたの、平凡な人生を受け入れよ!というわけです。当の監督さんは凡人ではなく天才です。ですから彼は何度も女を捨てて再婚し、しまいには自分の養女にまで手を出して再婚してしまった。最近は子供の性的虐待も暴露されている。こんな監督に女性の本質は描けない。鑑賞前から私にはこのような先入観があったことを素直に認めましょう。それはさておき、この映画、身分の高いところから落ちた女性を描くことが主眼の1つですが、その描き方が実にうまい。社会の底辺をさまよう男2人組の演技が素晴らしいからです。ヒロインがテイヘン男に触られて穢された!ということが激しく実感できます。しかもK・ブランシェットと言えば、エリザベス女王のあの女優です。比喩的な表現として、このクソ2人に触れられるたびに女王様はどんどん汚されて壊れていきます。しかしよく考えてください。悪いのは元夫です。彼女は犯罪者ではありません。いったい彼女に何の罪があるのでしょうか?なぜ自業自得なのでしょうか?他人の不幸は蜜の味と言いますが、この女性の悲劇を、笑いのセンスがすごい!と、のたまいながら観られる人間にはなりたくありません。私は心が痛すぎてどうしても笑えませんでした。彼女の始めた勉強は、他人に依存しない生き方を模索しようとした一環だと考えます。失敗はしたがそれでも立ち直ろうとしていました。この映画は失恋して激しく女性を憎むようになった男が笑いながらざまあみろというための映画だと断言します。では謹んで0点を献上させて頂きます。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 0点(2015-06-25 19:13:30) (良:1票) |
19.主役の女性のキャラの異常な振る舞いとテンポあるストーリー展開で、冒頭からすぐに映画の世界にどっぷりはまってしまいました。その後も、現在と過去をいったりきたりする時系列の人間ドラマと、異常だけど興味を惹きつける主役のキャラ性で退屈などせずに、あっとゆうまに結末でした。そして主役の悲惨だけど深刻な雰囲気がないところが余計に余韻を残しますね。姉と妹の対比もおもしろい。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-05-29 09:52:53) |
18.《ネタバレ》 欲望という名の電車現代版、といったストーリーです。ヴィヴィアンリーの頃より、女は強く奔放になり、男は弱くなった、という感じ。ケイトブランシェットの演技が素晴らしいけれど、他はとりたてて何もない映画。感動するわけでも、教訓があるわけでも、映像美があるわけでも無い。ジャスミン≒ジャネットに共感出来る所も少ない。テンポも良いし、悪くはないけど響かない、そんな映画です。 【ともとも】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-05-17 17:24:29) |
《改行表示》17.《ネタバレ》 優雅な生活を失った元セレブがお金では測れない価値(家族の愛情、友情、貧しいながらも人間味ある生活etc…)に目覚め、人間的に成長してめでたし、めでたし。こんな話だろうと思って見始めたのですが、これがまったく違う内容で驚きました。。。 まず秀逸なのが主人公の設定。彼女は里子として育てられており、生粋のセレブではありません。底辺の惨めさを知っているがゆえに、二度と貧乏には戻りたくないという思いが強く、さらには、自分は自堕落な貧乏人達とは違うのだという強い自意識が、転落後の彼女から柔軟性を奪っています。これは理詰めで考えられたうまい設定だと思いました。また、話の構成も優れています。本作は時系列がシャッフルされ、転落前と転落後が交互に描かれるのですが、最後の最後に明かされる転落の真相により、軽いコメディだと思って見ていたこのドラマが、実は底抜けに暗い愛憎劇だったことが判明するのです。同時に、主人公は自意識過剰でちょっと迷惑な人どころではなく、本物のキ○ガイだったことに気付かされてゾっとするのです。これは怖かったですねぇ。クライマックスも一切の救いなし。良くも悪くも無神経な妹は復縁した彼氏との新生活に夢中で姉のことなど眼中にはないし、ようやく再会できた息子は「頼むから自分に近寄ってくれるな」と言って主人公を突き放します。この先、彼女は野垂れ死ぬしかないのです。なんという暗い結末。。。 上記のような緻密さの一方で、どうでもいい部分についてはかなり荒っぽい端折り方がなされていることも興味深かったです。「信号待ちをしている時にたまたま見かけた」「街で偶然に再会した」、こんな感じでガシガシと話が進められていき、映画全体をコンパクトに収めるための取捨選択が適切になされているのです。こういう潔さはベテラン監督ならでは。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2015-04-23 01:25:58) (良:1票) |
16.自分はもっと認められるべき人間だ・・・こう見られたい・・・という焦りや幻想は、若い頃なら誰でも多少は持っているはず。そんなイタい感じを妙齢まで持ち続けているとこんなに怖い話になるのですね。自分は全くセレブとは縁遠いけれど、少しはこんな部分あるかもしれないと思わされるから怖いのかもしれない。ジャスミンと妹の元旦那、パーティーで出会った彼等・・誰がほんとうにいい人なのか悪い人なのか、ミステリーのようにわからなくなり、混乱する。混乱したジャスミンの気持ちに同化していくようでまた怖い。ジャスミンの衣装は高級ブランドものだが、お金がないからちゃんと同じ服を着回していたり、の細かいところが、演技とあいまってリアリティが凄い。見終わって、いちばん強いのは妹だなあ・・と変なところに落ち着いたのでした。 【ETNA】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-08 12:29:14) |
15.《ネタバレ》 ケイト・ブランシェットが良い演技してました。本当に常にUpsetしている感じで。。。アメリカ的な富と名声にこだわり続ける惨めな女性がリアルだった。 【lalala】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-03-23 00:53:15) |
《改行表示》14.《ネタバレ》 おもしろかった、傑作だと思います。 ウディ・アレンは成金セレブという人種が大嫌いなんだろうな そしてケイト・ブランシェットの演技も最高でした、いつも開いたままのエルメスのバーキンを腕にかけて持ち歩くのがリアルだなと。(林真理子さんが何かで書いてたけど憧れだったバーキンは実際使いづらく、あの特徴的な留め金はいちいち開け閉めするのがとても面倒で結局開けたままになるのだそうです)でも政治家と出会うパーティではきちんと締めてるの。体にぴったりフィットしたベージュが基調のファッション、興奮状態の時のワキ汗とかアレンはすごくよく観察してるんだなあ。ジャスミンは実在してる人がモデルのような気がする。 逆に歯医者の受付けの花模様のチュニック姿も捨てがたい もともと病んでるジャスミンだけど、ラスト近くになって夫が完全に失脚したきっかけがわかるとこで彼女への印象がちょっと変わってしまうんですが、この展開が巧いなあと。 罪悪感に苛まれてたんじゃないかなと、ポカンと呆気にとられる子ども二人を相手に語ったことがいちばん納得できたり。 深刻で重くなってもおかしくないはなしをここまで軽快に喜劇に仕上げるセンス、聞いただけでアレン作品とわかる選曲もいいです。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-03-13 23:38:11) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 ジャスミンのセレブ時代の高いプライドが、ちらほら見えるところが面白い。もっともセレブ時代は、彼女だけがセレブと思っていただけの、幻想みたいなものだったが・・。旦那が悪だったから、周囲もそれほど手厳しくはないが、彼女はセレブ時代を取り戻そうと、新しい政治家の彼を見つけるのだが、元夫の不正と言い、スキャンダルを持つ彼女は別れさせられてしまう。ホントは、この手の映画は、セレブ時代の変なプライドを捨てたとき、周囲の人間の暖かさに気づき、普通の男性と落ち着くというのがパターンではあるが、ウッディアレンの手にかかると、彼女がズタズタになって終わるという結末。映画としては彼女に幸せになってほしいのだけど、アレン風の味付けだろうか・・。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-01-31 08:41:41) |
12.花びらの端のほうが枯れてカサカサしてる、主人公ジャスミンはそんな感じの女性。ウディと同じくニューヨークを去った彼女は、セレブな奥様を保ちたくて保てなくて、ボーダーラインの上を歩くうちに崩れていく。彼女からクルクルコロコロと繰り出される言葉、思い出と虚構といろいろが混ざった言葉に目を丸くする人の姿、ガラスに映り込む情景を上手に使った画面、どんな場面でも平等に流れる音楽。あれれ、「人間」を描くその手腕が確かなのは知っていたけれどどうも苦手だったウディ映画が、今回心地いいぞ面白いぞ。何でもこなすケイト・ブランシェットが、この作品でも素晴らしい。すごいスピードでパホッと錠剤を口に入れ、ベラベラ勝手にしゃべりながらカパカパ酒をあおる姿は圧巻。妹のジンジャーの捻たりだらし無かったりの姿も見応えあった。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-01-17 22:15:36) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 まず、ケイト・ブランシェットは凄まじく上手い。さて本題、救いが無い話です。恐ろしいことにこれって序章に過ぎないじゃないですか。そこで終わっちゃ普通なら更に転落していきますって。 |