《改行表示》27.《ネタバレ》 ストップモーションアニメであることを忘れてしまうくらい、CGアニメと見分けがつかないくらい高いクオリティですね。それでいて3Dでいいじゃんと思わせない味のある画面。その技術で日本の文化を不自然でなく上手に紹介し、「日本の夏」が持つ独特の哀愁までも表現している所に感嘆します。それが自然過ぎるんで観てる最中はこれといって感じられないほど、堂に入っちゃってる。そういうところがいろいろもったいない作品なんだと思う。 お話はよくある少年の冒険譚です。特殊能力を持って、重たい運命を背負わされ、果たすべき使命を与えられます。出自は謎が多く、悪に魂を売った身内が敵として少年を阻みます。ラスボスは、ハリーポッターの「あの人」レイフファインズ。そんなありがちなアドベンチャーをやっといて、落としどころは日本の夏、つまり「お盆文化」。不死の体を求めて怪物になることより、人間のまま死んでいく。死者は子孫たちから物語として語られることによって、永遠の命を与えられる。 メキシコの死者の祭り、欧米のイースター、日本のお盆。亡くなった人を思い出してひと時を過ごすという考えは共通している。つまり、思い出す人がいる限り、人の命は永遠という考え方。人々の温かい心が全てを救うというラストも良かった。 余談。なんでクワガタ?てなるけど、ほら彼らは日本の夏のヒーローでしょ。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-08-15 14:59:58) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 CGアニメは、ディズニーをも上回るのではないかしら? 昔のNHKの人形劇みたいな風合いもあり、とくに折り紙の表現は独創的で素晴らしい。 三味線や雪山の猿が出てくるので江戸時代の東北地方に取材してるのかと思ったけど、大魔神みたいな仏像が建ってたり「三種の武具を探す」とか「鷺が魂を運ぶ」とかはヤマトタケルの東征神話を意識してるようでもある。また、月の帝の娘との婚姻譚は竹取物語のようでもある。その他の細かいモチーフについての話は、長くなるので自分のブログに書きます。 日本的なモチーフをさまざま寄せ集めたところが、日本人にはかえって一貫性なく思えてしまうかな。最後は三味線をギターに置き換えて、ビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」のカバーで締めてるけど、そこまで深い意味があるとも思えない(ジョージ・ハリスンはこの曲を「易経」に触発されて作ったらしい)。 簡単にいえば「長女の結婚を許さなかった男の罪に、その孫が立ち向かい、一族の不幸を終わらせるまでの物語」であり、いってみりゃ「もしもロミジュリに子供がいたら…」みたいな話なので、物語の類型からいえば、あえて日本を舞台にすることもなく、ヨーロッパでもアメリカでも中東でもどこでもいいんじゃないかって感じ。技術的には8点つけてもいいけど、物語にはさほどの深みを感じなかった。 【まいか】さん [地上波(吹替)] 7点(2024-03-20 22:04:26) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 見てみたいなぁと朧げに思ってたらひな祭りの日曜にEテレでなぜか放送してくれてようやく見れました。 エンディングで制作風景も出してくれましたが、なぜこんなに手がかかるのにわざわざあまり興味を持たれなさそうな日本(アジア)の話っぽくしたのかが、しかもまぁまぁ日本文化をお勉強してくれて、叔母さんは韓国風味でしたが、感謝こそすれ謎、、、。 お話は御伽噺的に想像を超えずに進んでいきましたが、結末以外はなかなか良かったです!決着のとこだけが残念〜。 【movie海馬】さん [地上波(吹替)] 8点(2024-03-03 21:04:36) |
24.《ネタバレ》 大変美しい映画。親子愛(特に母が子を思う気持ち)のようなものが大変強く伝わってきて、ところどころ涙なしには見られなかった。ただ「クボ」はどうしても名字なので、子供の名前としては変に感じてしまう。スタッフに日本語のできる人はいなかったのか? それと月の帝が実は善良な村の老人であった(しかも村人たちがその存在を記憶していた)というのは伏線も何もなく唐突すぎて意味がわからない。彼らの一族(?)はかぐや姫でいう月の人間のような、地上とは隔絶した存在ではなかったのか。父母は死んでしまったので、普通に考えればこの後クボはこの老人と生きていくことになるだろうなどという考えがよぎったりするとさらに違和感が増す。最後の灯籠流しは感動的だがみせ方にもう少し工夫があるとよかった。子供よりも親に受ける映画だと思う。 【空耳】さん [インターネット(字幕)] 9点(2023-08-22 01:43:05) |
23.《ネタバレ》 江戸時代の日本を舞台にしたファンタジックなクレイ・アニメ。僕のこよなく愛する『コララインとボタンの魔女』の制作会社が手掛けたということで今回鑑賞してみたのですが、残念ながら僕は全く嵌まらなかったですね、これ。何が駄目かってまずは脚本。例えば登場人物がたくさん出てくるのですが、その誰もがいったい何のために行動しているのかよく分からないのです。主人公クボは三種の武具を手に入れるために冒険の旅に出る。でも、その武具を手にしたらいったいどうなるのかがいまいち分かりづらい。なので物語にうまく入り込めませんでした。対する悪役の月の帝にしても、何故そんなにこの主人公を付け狙うのかもちょっとよく分からない。最後になんか天国に行って不老不死になるとか急に言われても説得力がないですって。あと、主人公クボを含め登場するキャラクターの誰も彼もに魅力が乏しいのもいただけない。サルなんてホントにただのサルだし、クワガタのサムライなんてさしてカッコよくもないしそもそもどうしてクワガタ?最後はまさかの悪役記憶リセットでみんな仲良く仲直りって…。うーん、映像はさすがのクオリティなんで5点ってとこですかね。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2022-11-07 08:46:22) |
《改行表示》22.《ネタバレ》 個人的にストップモーションアニメは嫌いではないです。 遠近感や躍動感がここまで表現出来ることに本当に驚きました。 が、ここまで来ると3DCGとの差がわからず、じゃぁ3DCGでいいじゃんって思ってしまいました。 ノンストップモーションのため、アクションはやはり見劣りします。(ここまで表現出来るのは本当にすごいと思います) ストーリーは・・・イマイチです ラストは意味不明 ストップモーションアニメとしての評価をするなら満点近いですが(ストーリー除く)、 観る側はお金や手間が掛かっていることは関係ないわけで 一つの作品として評価したらこの点数になってしまいました。 【メメント66】さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-09-26 21:24:25) |
21.《ネタバレ》 CG全盛の時代に敢えてストップモーション撮影した姿勢と労力に敬意を表する。同時に日本の伝統文化を徹底的に研究し、美意識と心情を余すことなく汲み取っている(時代考証に詰めの甘さがあるが、ファンタジーとして目を瞑ろう)。世界観の作り込みでは完成度が高いが、全体のストーリーが弱く、序盤で村が滅ぼされる割に村人全員が生きていたり、仲間のサルとクワガタの正体も途中で予想できたり、(上映時間的に仕方ないが)伝説の武具も簡単に見つかってしまったりと、枚挙に暇がない。"物語"に対する考察と家族に関する個々のエピソードがすこぶる良かっただけにそこが気になってしまった。 |
《改行表示》20.この映画が芸術的な作品としての価値が高いとしても、とにかく個人的には面白いとは思えなかった、というのが全て。 単純に合わないだけなので、人によって評価は変わると思う。 【simple】さん [地上波(字幕)] 3点(2020-08-14 19:05:58) |
《改行表示》19.《ネタバレ》 ストップモーションアニメもここまできたのかと感心しました。 同時に、余りにも精巧過ぎると3DCGとの違いが無くなりそうなので、もう少し雑な方が好みだと思いました。 とはいえ映像はとても綺麗で、特に三味線の音色に合わせて、折り紙が形になって動き回るところはワクワクしました。 ところどころおかしな点はありますが、日本へのリスペクトもかなり感じました。 ただ、意図的でないなら、いい加減つり目やめてくれないかと思います。 周りにもいないし、普通に外で見る人々にも、つり目の人探す方が難しいくらいです。 それと、クボという名前。ボクの反対らしいけど、久保の印象が強すぎて、連呼されるので違和感しかありません。 内容も、深く掘り下げられそうな物語を浅くなぞっているので物足りない感じでした。 【nanapino】さん [地上波(字幕)] 6点(2020-08-14 17:53:10) |
18.アニメや雰囲気は中々良かったので、ちょっと平凡なストーリーが残念に感じた。 【くろゆり】さん [地上波(字幕)] 7点(2020-08-13 18:15:43) |
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《改行表示》17.映像的なインパクトはあるものの、内容的には大人が鑑賞するには少々厳しい。だからと言って子供が楽しめるのかも疑問だが。 尚、「猿の惑星」「キングコング」「スターウォーズ」等へのオマージュを感じたが、細かく見れば他作もあるのかもしれない。 |
16.《ネタバレ》 とても見ごたえがありました。もっと知られていい作品です。お墓の場所や近場のようで季節感がばらばらなのは違和感ありましたがそれでもとても素晴らしいストーリーでした。あと、日米の声優陣とも個性豊かでよかったです。 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-02-09 00:06:54) |
《改行表示》15.《ネタバレ》 何人の方々がどの位手間を掛けたのか、私の様な凡人には想像も及ばない素晴らしい芸術作品。 この様な作品をCGでは無くストップモーションアニメで、しかも日本では無く海外の方々が作成したという事実。 「尊敬」以外ございません。 参りました。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-28 14:01:44) |
14.雰囲気はまさに「まんが日本昔ばなし」なんです。あの世界観を、ハリウッドの新進気鋭のストップモーションアニメ監督が現代風に演出していて、なんかこう、観ているあいだ不思議な感覚でしたね。クボ・サル・クワガタが三人パーティを組んで、村を草原を山をてくてく歩き、やがて舟で大海原へ。僕は勝手にドラクエⅡを思い出したりもしたのですが (笑) 闇の姉妹の造形は不気味な美しさにぞくぞくしますが、骸骨の場面だけはどうしてもティム・バートン風になります。と、ここまで書いてみて、つまり雰囲気は極上ですが、新鮮な " 個性 " は乏しいのかなと。道具のディテールには相当拘っていて、折り紙のザラザラした感じ、クワガタが纏う甲冑の質感、クボの刀や兜の光沢は惚れ惚れするほど。また、外国の監督にありがちなピント外れな日本の描写もほとんどありません。監督 (制作スタッフ) のみなさまは、日本古来の風景はもとより、習慣や文化まで深く探求されているようで、これは嬉しい限りでした。なお私は字幕で観たのですが、この世界観なら英語よりも日本語吹替の方がいいかもしれません。 (日本の風景にサムライたち、これが英語というのがちょっと違和感でした) 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-07-07 15:44:41) |
13.《ネタバレ》 ストップモーションアニメ、これってすごーーーーく手間がかかるんですよね。いや~よくこれ造ったね~、、、それも外国の方々が制作されてるというのがね、この日本的な心情をよく理解してもらっていて日本人として嬉しいです。で、内容なんですが、クボの成長物語であったかと思うけど、ちょっと物足りない感じで、結局今一つ分からないまま終わってしまったかな~。あ~何か勿体ない気持ちでゴザイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-07-04 23:39:37) |
12.《ネタバレ》 最初、設定がよく分からず(いきなり折り紙が動きだしたり)、そのうち分かるだろうと思って観ているうちに、よく分からないまま終わってしまった印象。でも最初の母子のシーンはじーんとしたし、クボが灯篭に向かって父親に語りかける姿には涙まで出た。ただ物語の緩急のバランスというのか、展開が唐突に感じられ、設定も意味もよく分からないまま観たので、観終わってもどうも腑に落ちなかった。それでネットである程度解説を読んで、もう一度観賞した。そうするとだいぶ内容が理解できた。7点は2度目に観たときの点数。こんな日本的なもの、日本人にしか分からないような根底にある哀しさのようなものを、よく表現できたなと感心した。映像も美しいし、折り紙のハンゾウがとにかくかわいい。 【クロリン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-09 15:31:30) (良:1票) |
《改行表示》11.昨年、世の好事家たちを唸らせたストップモーションアニメの今作をようやく観ることができた。 近年、ストップモーションアニメの進化が目覚ましい。 撮影技術の進化、3Dプリントをはじめとする造形技術の進化など、技術的な革新はもちろん大きかろうが、何よりも大きな要因は、観客も、作り手も、あらゆる作品に対して、本物の質感を強く求めるようになったことではないかと思う。 CG映像の隆盛に伴い、観客はもはやどんなリアルに見える映像を目の当たりにしても、驚かなくなった。映像上で何が起こったところで、「ああCGか」の一言で済ませてしまう。 言い換えれば、映し出される驚愕の映像がリアルであればあるほど、実際には触れないモノ、質感がないモノだと、無意識レベルで認識してしまっているのだと思う。 当然ながら、そういう感情を抱かせてしまった時点で、そこに観客の熱量は生まれない。観客の熱量を感じられないものに対して、作り手も熱量を注ぐことが出来なくなっている。 そこで再注目されている手段が、原点回帰的な特撮技術だったり、今作のようなストップモーションアニメなのだと思う。 人を形どったものに命を吹き込むというプロセスは、古来より世界中の文化が共通して培ってきたものであり、そこから溢れ出る芸術性と愛着感は、我々一人ひとりのDNAレベルに刷り込まれているのかも知れない。 そうして生み出された世界観とキャラクターが、これまた「物語」そのものの根幹に迫るテーマを紡ぎ出す。 「結末」があるからこそ、物語は美しく、価値が生まれる。 人は、心が弱ると、ついつい必要以上に「終幕」を恐れてしまう。 だが、結末を迎えた物語は、決してそのまま消えてなくなってしまうわけではない。 一つの物語を、また別の者が語り、紡いでいくことで、その価値は幾重にも折り重なり、新たな物語を生んでいく。 それは、「人生」の理とまったく同じだろう。 この世界は、そういうふうにできている。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-12-20 18:20:02) (良:1票) |
《改行表示》10.《ネタバレ》 マザコンで片目の日本人少年が主人公の人形アニメ。手の掛かるストップモーションで作られているらしいが時代設定が何時頃なのかイマイチはっきりしない。病弱で時々記憶力もあやしくなるクボの母親の着ている着物とヘアースタイルは平安時代風にも見えるし、町人の服装からはもっと後の江戸時代としか思えないし、観る方は混乱してしまう。衣服については月の帝はどう観ても中国風だし、設定が何かと曖昧。 同じ監督作品の2012年作「パラノーマン ブライス・ホローの謎」も目玉がボタンの偽物の母親が出てきて主人公を惑わしたが、何故か監督のトラヴィス・ナイトの二作品は、共通して目を奪われるという奇妙な話に展開する。何かの隠喩なのか、目の喪失に特異なまでに拘る隠れた深層心理でもあるのだろうかとちょっと心配になる。ストーリーに話を戻すと、クボが折れない刀剣を手に入れるために闘うことになる巨大な骸骨は、多分、歌川国芳の画「相馬の古内裏」から着想したものだろう。 後、クボを助ける忠実な二人?、匹?の従臣的存在も何んかだ違和感が、猿はともかく、クワガタムシが活躍する日本の昔話なんて、どこかに有ったかなと暫し思案に暮れるが何も思い浮かばなない。折角、折り紙だの、三味線だの、富士山だとか日本的要素たっぷりに、日本の話しとして構成されているのに、なにか根本的に感性が違うなという思いを払拭できないのは、海外作品だけにまあ仕方がないのかも。昔話は大抵、退治し克服する対象を求め旅をするのが法則のようになっているが、本作も例に違わず船で旅に出る。それにしても妖怪だからなのか、海上の船に出現する闇の姉妹は、いかなる方法で船に現れ出る事が可能になったのか色々考えると夜も眠れなくなる(笑)。 【DADA】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-10-25 08:32:57) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 最初パッケージを見たときは、「あぁ日本を舞台にしたCGアニメかぁ」と思って借りたんですけど、 見始めると「あ、なるほどストップモーションっぽくしたCGアニメなのね」となり、 エンドクレジットを見たら「あれ?これ本当にストップモーションなの?」となりました。 そんで今だによくわかりません(笑)。そんなわけで映像的には本当に素晴らしいです。 ただストーリー的にはそれほどでもないかなぁと。 クボが、自分の人生を物語として捉えるセリフは印象的ではありましたけどね。 キャラのデザインとかは良かったですが、村の人たちがみんな細いつり目なのはなんだか嫌でした(笑)。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2018-06-23 21:16:43) |
《改行表示》8.CGでは無い、実写ならではの温もりや表現の豊かさに溢れていて素晴らしい映画だった。 ↑等と得意げに語っているが、実は下のレビュアーの方々のレビューを読んで知ったのだった(それじゃ駄目じゃん) エンドクレジットで出て来た手作りの怪物って、わざわざ人形を作ってその動きをモーションキャプチャーで取り込んでますよ的なアレかと勘違いしてました(汗) それくらい実写なのかCGなのか判らない凄い映像だったということで…。 物語自体は古き良き日本の昔ばなし風な設定ながらも、オリジナリティに富んでおり、とにかく素晴らしい世界観だった。日本人なら誰もが楽しめる内容だと思う。 【ヴレア】さん [映画館(吹替)] 8点(2018-01-15 00:56:06) |