48.《ネタバレ》 ストーリーはありがち。 しかし、ジェレミー・レナー演ずるコリー・ランバート、この男たった一人の存在によって、この映画一本がズッシリと観応えあるものとなっていた。 舞台は見渡す限りの白銀の世界。 あたり一面の「白」に同化して潜むその姿は、雪原のプレデターの如し。 射撃の腕前は正確無比、一度狙った獲物はアメリカン・スナイパーのように外さない。 そして、命を救った女性捜査官には見返りを求めることも、もちろんない。 強く、優しく、高潔であれ。その美学には、西部劇のC・イーストウッドを観た気がするのである。 しかし、そのジェレミー・レナーさん、その後プライベートでは重機による除雪作業中の事故で大ケガをされたとか。「雪原のプレデター」らしくない大事故だが、、どうか一日も早い回復を祈りたい。 【タケノコ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-02 23:04:43) |
《改行表示》47.《ネタバレ》 景色がキレイで大変硬派。 真相としては割と単純で謎解きとかではありません。 ジャケ画だとコーエン兄弟のアレにしか見えませんが全く毛色は違いますので悪しからず。 先住民族の差別がどうこうは思ったほど感じなかった。 もっと露骨な表現で攻めてくるかと。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-12-19 21:50:22) |
46.《ネタバレ》 どこか達観している感のある孤高のハンターのコリーは、ピューマの駆除を依頼されて山に入るが、そこで若い女性の変死体を発見する。それは親しいネイティブアメリカンの友人マーティンの娘だった。コリーも過去に娘を亡くしていた。サスペンス風の導入部だが、捜査が進むにつれて事件の背景にあるアメリカが抱える負の側面が顕になり、重い社会派作品としての印象が残った。FBIから派遣されたのは新米の捜査官ジェーン。教科書通りの捜査をするがネイティブアメリカン居留地の複雑な現実には通用しない。コリーらの協力もあり何とか事件は解決するが、犠牲者が出てジェーンも負傷するなど後味は悪い。だが、決して問題点だけを顕にしている描き方ではない。コリーがマーティンを慰める言葉や、そのグレた息子チップを諭す言葉には、我々をも鼓舞するメッセージが込められていると感じた。娘の死を受け入れられずにいるマーティンに、「事実を受け入れ苦しめば、娘と心の中で会える」と言う。また、置かれている環境が悪いと嘆き「怒りが込み上げて世界が敵に見える。この感情がわかるか」というチップに「わかる。だが俺は感情と戦う。世界には勝てない」と言う。誰であれ自分の境遇や不幸を嘆くだけでなく、その現実にしっかりと向き合えば、道は開けるという示唆なのかも知れない。 【戸沢一平】さん [インターネット(字幕)] 8点(2023-11-28 20:55:03) |
45.《ネタバレ》 ネイティブアメリカンが住む、雪に閉ざされた村で起きた殺人事件の話。捜査の進捗を、ミステリータッチで追っていく作品ですが、最終的には、ミステリーではなく、胸糞悪い現実であるというところに、ちょっと複雑な感触が残りました。エンターテインメントとしては食い足りなさが残るけど、現実を訴えているのなら、まあ致し方ないか、でもなあというような・・・。これだけ人口密度が低くて、村全体が顔見知りという土地柄で、結構な密度で悪いやつがいるのは地獄だなと率直に思う反面、でもその環境自体はかなり特殊で一般性がなく、その一方で事件そのものは、特殊性に関係なくどこででも起こる類いのもので、社会的な問題提起という側面から見ると、迫力に欠けるというか、むしろそちらに結び付けることに違和感を感じると言うか・・・。娘を失った父親に対して、主人公がかけた言葉が、心に響きました。個人的には、そこが本作品のクライマックスです。蛇足:「ウォーキング・デッド」のシェーン役 久しぶりに見た。なんだかとても懐かしい気持ちになった。 【camuson】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-02-14 10:05:18) |
44.《ネタバレ》 ロケーションが良かった。ここまできたら主人公ジェレミーレナーの娘の真相まで絡ませたいと思ったけど、ラストのメッセージでそこに行くつくことは必要ないことが解った。上質なサスペンスだと思います。 【タッチッチ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-29 17:54:09) |
《改行表示》43.少女の死体が発見されることから始まるので、サスペンス仕立てかと思ったら全然違った。 事件の真相は物語の中盤で唐突に明らかになり、謎に迫っていく醍醐味も、意外な真実に驚かされる楽しさもないので、そこは期待して見ない方がよい。 話としては凄腕ハンターの主人公が弱きを助け悪人を倒すという勧善懲悪もの。そこに、先住民の問題をからめた感じのお話。 少女をレイプした胸糞悪いクズ共を主人公がバッタバッタと倒すのは爽快。勧善懲悪ものは単純なお話だけど、単純なだけに素直に面白い。 そして、主人公がかっこいい。渋い。悲しみを背負った男。ちょっと説教臭いところが玉に瑕だが、名台詞をよく吐く。「ここには雪と静寂しかない」に対して「ここの人達は雪と静寂以外を全て奪われた」とか、しびれた。 【椎名みかん】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-11-07 22:24:14) |
42.《ネタバレ》 アメリカ北部の寂れた荒野に拡がる先住民保留地、通称ウィンド・リバー。雪と静寂しかないようなこの辺鄙な地で長年ハンターとして生計を立てているコリーはある日、人里離れた山奥で半ば雪に埋もれかけていた若い女性の遺体を発見する。昨日の酷い吹雪の中、彼女はかなりの薄着でしかも靴も履かずに長い距離を歩いてきたらしく全身に重度の凍傷を負っていた。被害者の名は、ナタリー。偶然にも彼女はコリーの知り合いの先住民夫婦の子供だった。検死の結果、死因は肺出血と判明する。極度の冷気によって肺の細胞が破壊され、その出血により窒息死したというものだった。しかも亡くなる直前に彼女は複数の男たちによって暴行を受けていた。事件解決のために派遣された若きFBI捜査官ジェーンとともに調査に乗り出したコリーだったが、貧困と犯罪が蔓延するこの地で捜査は難航を極める。そして、コリーもまた二年前に起こったある事件によって心に深い傷を負っていたのだった…。雪深い田舎町で起こった若い女性の凄惨な凍死事件、本作はその捜査の過程で炙りだされるアメリカ社会の暗部を冷徹に見つめた社会派ミステリー・ドラマだ。主役である、心に静かな怒りと悲しみを抱え込んだハンター役を演じるのは人気俳優ジェレミー・レナ―。メガホンを執るのは、本作が監督デビュー作となる『ボーダーライン』の脚本を書いたテイラー・シェリダン。美しい雪景色の中で描かれる、この重厚で閉塞感に満ちた雰囲気と丁寧な演出力は見応え充分だった。ネイティブ・アメリカンや中央から取り残された地方社会といったアメリカの構造的な差別や貧困問題を背景とした脚本もよく練られており、その最底辺で常に犠牲となるのはより弱い立場の人々であるというメッセージも心を打たずにはいられない。このやり切れない物語の中で、主人公であるコリーの最後に取った行動は、法律の垣根を越えた人間性の発露として唯一の救いとなっている。とても重い物語ではあるが、充分見る価値のある社会派ドラマの秀作であった。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-09-22 12:02:19) |
《改行表示》41.《ネタバレ》 FBIのひよこ警部に対して静かに優しいところがかなりシブイっす。そして命助けてあげてヒーローになろうとも、けっして浮かれポンチにならないところ そこがシブイっす。 あらすじと雰囲気から察するに、寒空の下のドラマで鬱感満載であり、とても楽しめそうというものではないのに、なぜにこうも認知されて多き人に鑑賞されているのだろうという疑問に駆られてましたが、なんだ、それは解決。ジェレミー・レナーというおっちゃんが人気で呼び込み担当だったのですね。でもそれには納得、だって、このおっちゃん、地味ながら優しくかなりシブイっす。 そして後半カッコいいっす。 しかし、浮かれポンチにならない そこが重要なのです。 自分の娘の命を奪われた時の事件といちいちリンクさせることなく、一事件だけに集中させた脚本に潔さを感じます。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-26 21:12:14) (良:1票) |
《改行表示》40.なかなか恐ろしい映画でした。先住民や未開の地に限らず「自分の身は自分で守れ」という教訓のようなものを感じました。日本ではこのようなリスクは少ないと思いますが、これからのグローバル時代「世界の常識」として学ぶべき問題だと感じました。 この手の映画を見ていつも感じますが、若い女性はそれだけでかなりリスクが高いということ。大昔から戦時中などでもよく起きていた問題だと思いますが、このような状況に陥った時、男は自分の彼女を守ることができるのだろうか? 煽り運転の問題も同じで、武器を持つことが許されていない日本では今後どのように身を守るべきなのか大いに考えさせられる映画でした。少し全体のトーンが暗めの作品でしたが、社会性とエンタメ性のバランスが良くなかなか奥深い作品でした。(ラストも一応の正義が下されますし) 余談ですが、迷彩服の重要性は理解していますが、雪の地で白い迷彩服って大げさじゃない?と思っていましたが、終盤の狙撃時にコリー・ランバート(ジェレミー・レナ―)がどこにいるのか一瞬判りません。その一瞬の判断遅れで人生が終わるのですねw そのシーンをよく確認してみたら雪の上に白い服を着て普通に立っているんですよね彼って。。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-05-03 14:17:35) (良:1票) |
《改行表示》39.《ネタバレ》 雪の中で見つかった少女の死体、と状況や死因などに色々と謎の多い事件という感じですが、顛末はそれほど複雑なものではなく寧ろ痴話喧嘩の類という平凡なもの。しかし作品全体から漂う空気感、ネイティブ・アメリカンを取り巻く複雑な状況などとても重苦しい作品でした。 事件そのものが事実というよりは、行方不明者の下りが事実、という感じがしますが、それにつけても、異様な状況で、作中のような行為があるとすればそれは作り物よりもよっぽど恐ろしいと思いました。 ジェレミー・レナーの偏屈なハンターやエリザベス・オルセンのいかにもアカデミックな捜査官の凸凹コンビは、モルダー&スカリーのような「安定感」はありませんが、これはこれでよかったと思いますし、ラストの、決してハッピーエンドとは言い切れない余韻もとてもよかったです。 【クリムゾン・キング】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-20 00:16:27) |
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《改行表示》38.《ネタバレ》 狩人のコリーは雪山で現地に住むインディアン少女の死体を発見する。 FBIから新人捜査官ジェーンが派遣され山や現地人に詳しいコリーは彼女と共に捜査することになる。 インディアンは差別されがちでありジェーン自身もまた気づかない内に色眼鏡で彼らを見ていたことを知る。 捜査が進むにつれインディアン少女はレイプされ極寒の中10キロを裸足で歩いたことが分かり、 彼女の恋人も殺され死体で発見される。 恋人が働いていた掘削地の警備員に目星をつけ警備員寮に乗り込む。 といった話。 真っ白な美しい銀世界で行われる凄惨な連続殺人事件。 一方でアメリカではインディアン差別が社会問題になっている。 ストーリー自体に大きな起伏はないがいい映画だった。 【Dry-man】さん [インターネット(吹替)] 6点(2021-07-18 14:13:39) |
37.アメリカ山中の雪山での実話ということで、雪山に若い薄着で裸足の女の遺体が発見されることから話はスタートするのだが、この様な目の届かないところには、まだ先住民がおり好き放題の無法地帯が存在することがよくわかる。しかし、作品の内容としては特に面白いとは思わなかった。 【SUPISUTA】さん [インターネット(字幕)] 4点(2021-04-29 19:09:52) |
《改行表示》36.「実話」ってのが背景にあるらしいのだけど、おそらくは、特定の異常な事件の顛末を「異常なもの」として描くことを意図しているのではなく、むしろ、一見異常な事件をあえて平凡な「ありふれたもの」として描こうとしているような。背景に異常さを抱えた日常、抱えざるを得ない日常、というもの自体の、異常さ。 雪の中で見つかった裸足の女性の遺体、という一見謎めいた事件の発端ながら、最終的に明かされる真相は、さほど意外なものではなく、被害者も明らかなら加害者も明らか。だけど、真相に至るまでの過程は、これはどうにもフツーとは言えなくって。雪に閉ざされた閉塞状況の地域で、出口のない反目が渦巻き、どう考えても、犯人さえ挙げればいい、という話とは思えなくなってくる。 エリザベス・オルセンが演じるFBI捜査官は、明らかにここでは外部の人間、その彼女が訳もわからないままにこの事件に足を踏み入れることになり、一方、ジェレミー・レナーはこの土地の内部の人間でありながら、どこか、さらに外部から事態を冷ややかに眺めているようなところがあって。 土地に縛られた人間の達観、いや、諦念か。それがさらに、社会の矛盾を、見ている我々に感じさせる。 最後にテロップで表示される、一種の告発。物語そのものは、その核心を必ずしも突いていないようにも感じるけれど、逆に、ズバリ核心を突かないが故に感じる闇の深さ、ってのもある訳で。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-02-25 18:07:11) (良:1票) |
35.《ネタバレ》 全体として静かで暗さのある映画です。先住民の人たちの過酷な生活がを知りました。映画としては派手ではなく、謎解きをしたりトリックをあばくサスペンスではありません。淡々と復讐を達成しました。斬新な部分はなく、良い映画だけど自分には物足りなくこちらの点数です。 【ブリーバンデカンプ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-02-21 11:33:42) |
34.《ネタバレ》 雪に閉ざされた先住民居住地の諦念と絶望ぶりがよく描かれています。実話か設定かはわかりませんが主人公が先住民女性と結婚し、娘が同様の悲劇に遭っているというのもリアリティがあります。FBI捜査官を外界の視点、異文化の顕在化として機能させ、かつバディとして事件に絡んでいくのも映画の王道です。最初から最後のヤマ場の銃撃戦、主犯の死亡までも変に盛り上げず淡々と描く一定のナラティブも雪山というロケーションと合致し、非常に引き締まっていて好感が持てます。テーマの先住民女性に対するレイプ被害の告発とサスペンスが程よく調和し、アメリカの陰の現実描写とエンターテイメントを両立させたいい映画だと思います。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-23 22:11:04) |
《改行表示》33.《ネタバレ》 ストーリーは特筆するものでもないが、雰囲気は良かった。暑い時期に、雪の映画を観られたので特に。 復讐を是としちゃってるので、8以上の評価は無いな。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-08 21:58:37) |
《改行表示》32.《ネタバレ》 正直、知らない映画だった。 期待もせず見たのだが、面白い。 最初の淡々と進むヒューマンドラマのような展開から 一気にサスペンス、そして銃撃戦と、復讐劇とよくできていて 最後まで一気に見てしまう展開は素晴らしい。 これまでのジェレミー・レナーイメージの、少し暗い感じの カッコいい男という、まさにはまり役。 エリザベス・オルセンのたよりのなさそうなFBIという感じも絶妙で いい作品に仕上がっていました。 【シネマファン55号】さん [インターネット(吹替)] 8点(2020-06-10 15:40:37) (良:1票) |
《改行表示》31.《ネタバレ》 まず、未だに先住民居留地なるものが存在するとはびっくり。やせた土地に追いやられ、米国社会の末端に置き去りにされたままのネイティブアメリカンたちがそこにいました。 アメリカらしく道路だけはどこまでも整備されて通っているし、四駆のクルマはデカくスノーモービルも行き渡っているようだけど、カメラが捉える地域の画は見るからに活気が無い。仕事は無いし犯罪は多く、捜査の手もまともに入らない。地元警察署長の台詞「孤立無援には慣れてる」が、背景の全てを言い切っていますよね。まず先立つ諦め。 風土は厳しいし、社会がこんなんでは登場人物らがほぼ全員激渋で重く暗い表情なのも無理ありません。だからFBI捜査官のE・オルセンをフロリダ育ちという南国者に設定したのかも。彼女の、この土地と真反対のさくさくした懸命さが作品のアクセントになりました。 実話ベースゆえ事件に大きなひねりがあるわけではないのだけど、排他的な雰囲気や閉塞感がまとわりつくこの地域のサスペンス風土に心がやられます。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-01 23:50:52) |
《改行表示》30.《ネタバレ》 もしかして、主人公の娘の事件も解決に?と思ったがそこまでではなかった。 犯人達はクソ野郎ではあるが、酔った勢いというのは本当に危ない。 【チェブ大王】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-05 21:19:54) |
《改行表示》29.凍てつくクライムで引き込まれます。と同時にネイティブアメリカの差別を描いています。 ジェレミレナーのスナイパーとしてのカッコよさ、復讐劇に一歩下がった存在感がまた良い。 良作です。 |