《改行表示》165.《ネタバレ》 ミラーさんが、あれだけ偏見を持っていた同性愛者の弁護をどこで引き受けようと決意したのか、彼らに対する偏見がどのタイミングで薄れ、無くなっていったのか…ってことがよく理解できませんでした。かなり真剣に見てたのに。自分の読解力のなさに落ち込みました。 それから被告側の弁護してた女性弁護士の人、BTTF3のドクの奥さん役の人ですよね?静かな口調で相手を追い詰めていく姿が怖かったです。BTTFじゃそこそこ愉快な性格してたのに。どんどん弱っていくトム・ハンクスと合わせて、役者ってスゲー!と思いました。 映画公開当時と比べてHIV患者や同性愛者への差別偏見はだいぶ改善された、と私たちは考えていますが、じゃあ私たちのうちのどのくらいの人が実生活で彼らとかかわりを持って暮らしているのでしょうか。私はこれまでの人生ではっきりそうだと表明している人と一人も出会っていないし、実際に目の前に現れたら、やっぱり身構えて普通の人たちと同じように接することは不可能だという確信があります。そして、この映画の持つ社会的意義が完全に過去のものになることは未来永劫ないということもまた確信が持てます。 【池田屋DIY】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-24 22:52:00) |
《改行表示》164.《ネタバレ》 “Philadelphia”都市名。アメリカ合衆国最初の首都で、ギリシャ語の『兄弟愛』の意味を持つ。 振り返ると、コメディ映画で人気者のトム・ハンクスが、社会派ドラマの俳優として一歩踏み出した記念すべき作品かも。 偏見に満ちた社会で、自分の本性を隠して生きてきたアンドリュー。病魔に襲われて死が迫る中で、自分の本当の姿を隠す必要性が無くなり、徐々にやせ細っていく彼に、美しさを感じました。トム・ハンクスにここまで繊細な演技が出来るとは思ってもいませんでした。 '90年頃、エイズもゲイも、遠くの世界のごくマイノリティな問題だと思っていました。同性愛に対する偏見から間違った知識が広がっていたというより、どっちも身近に存在しないから解らなかった、身近な病気として興味を持てなかったんでしょうね。この映画が公開された頃、薬害エイズ問題が大きく報道されるようになり、性的マイノリティ以外にも感染のリスクがあることがじわじわと広まってきて… アンドリューがエイズになった原因は、薬害とかでなくゲイだったから。これはかなり直球でした。まだ同性愛が後ろめたい時代でした(…今がどうなのか良く判りませんが)。同性愛=世間的に良くない行為として観ていたため、「ゲイだったら、エイズになっても仕方ないんだろうな」という観方もしていましたので、一方的とはいえ解雇に踏み切った会社側の反応も、理解出来なくもない時代でした。 裁判に関して、令和6年の今の目で観ると『そうなるよなぁ』というものでしたが、平成5年の当時に観ていたら、どう思ったでしょうか? ゲイに理解を示せとは言わないけれど、それと解雇は別。という進め方に、エイズという今後もっと身近になる問題について抱いた偏見を、崩せるところから崩していこう。…という、映画界(芸能界?)の、エイズや同性愛に対する今後の方向性のようなものを感じました。 この映画が観せたかった社会と、昨今のLGBT運動が目指すものが、同じ方向を向いているのかは、私には判りませんが… あんまり映画と関係ないけど、スプリングスティーンの起死回生の主題歌がとても良かったです。イマイチなアルバムの2枚同時発売、クラプトンに刺激されたイマイチなライブビデオのあとに、しっとりとした往年のBOSSらしいこの1曲が書けたのが嬉しくて、ホッとしました。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-18 22:32:23) |
163.ゲイやエイズ、差別や偏見との戦いを見事に描き切った。 【TERU】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-03 20:56:18) |
162.命の灯火が徐々に消えゆく体型に仕上げたトム・ハンクスは賞賛に値するものの(+4点)アンドリューから魅力は何も感じられず、ミラー弁護士も然り。エイズ、ゲイへの偏見はダメよという分かりきったテーマを工夫もなく見せられて、生暖かい裁判風景と相まって冷めたままでお開きとなりました。念願叶っての鑑賞だっただけに残念さもひとしおです。 |
《改行表示》161.《ネタバレ》 とある契機でこの度鑑賞しました。既に製作後約30年経過している豪華キャスティングのオスカー受賞作品ながら未見でした。 法廷劇のスタイルを採っていますが、純粋に社会派ヒューマンストーリーですね。謂れなき差別と偏見の齎す害悪を訴えつつも、当時の一般大衆の基本的な捉え方を少々無遠慮に挿し込んで来る。その自然体によって逆にテーマが強調されます。 正直なところ法廷劇としての面白さはあまり感じませんでした。原告側と被告側の法廷での厳しく辛辣な闘いは勿論見応え十分なのですが、びっくりするような大どんでん返しや予測不能な展開というものは用意されておらず、激しい心理戦が交わされることもあまりありません。ある意味、実に穏やかな法廷劇だと思います。 陪審員が激論を戦わせ、大逆転で原告勝訴といった展開とも異なるような。評決の末、只管穏やかに主人公たちは勝利を手にします。要は法廷劇としての魅せ場に拘った作品ではないということだと思います。 今でこそ「多様性」をキーワードにLGBTQなどの単語が日々マスコミから流れて来ますが、つい最近まで人生や愛について語られる際には(少なくとも我が国では)タブー視されていたと思います。人権としてそのような内容を語る動き自体は、この作品の製作よりも随分と昔からあったとは記憶していますが、なかなか一般化しないそういった問題への意識がこの作品を通じて強く後押しされたという部分で存在意義は大きいと思います。 そして、豪華キャストの作品にありがちな作品が出演者に負けてしまいそうな感じは一切しませんが、特に主演の二人の強烈な存在感がこの作品をS級にしていることは間違いありません。キャスティングが本作をものの見事に名作に昇華させたという一面はあると思います。 パーティ後のオペラのシーン。トムさんの心に染み入るような独白とデンゼルさんの表情のみの微細な感情表現に感涙しました。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-11-21 15:22:48) (良:1票) |
160.《ネタバレ》 トムの事務所の上司はホモが嫌い。デンゼルもホモが嫌い。多くの人が遠ざけたくなる気持ちになるはずで、そういう人間の感情はどうしようもない。じゃあそれを理由にその人を解雇できるのか?これが裁判の争点。要は「人の好き嫌いによる解雇は無効か?」という労働争議の裁判。そう考えるとどこにでも転がっている話で、別に性的嗜好性だけでなく、宗教・人種・国籍・性別等々どれでも同じ事。採用の段階で排除してるところはいくらでもあるし、会社なんて能力に関係なくいろんな理由で解雇を迫ってきます。所詮好き嫌いの集まりなんだから。その時あなたは「同性愛者でエイズ患者の優秀な弁護士トムハンクス」に仕事を依頼しますか?仕事の依頼に好き嫌いの感情は入らないか?能力だけで仕事を依頼するのか?あなたがトムに仕事の依頼をしなければ結果的にトムハンクスは仕事の取れない無能弁護士として解雇されるでしょう。奇麗事ではすまされない、とても複雑な問題だと思います。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-09-12 01:50:53) (良:1票) |
《改行表示》159.《ネタバレ》 時期的にも、該当する社会問題に対する意識の向上に大いに貢献した、という(社会的意義の方の大きい)作品かと思う。その面の描き方はごく真摯で抑制的で、多くの人が受け容れ易い・共感し易いだろう(ごく穏当で)適切なものだったとも感じられる。 物語としては多くの場面を法廷シーンが占めているのだが、そこでの遣り取りにしても多分に前述の側面に関わる啓蒙的な「効果」の方を重視している…とも感じられる。ただし、その意味からすると一点、他方で少し映画としての抑揚は欠いている…というきらいも無くはないのですよね。特に、現在の視点からすればこの裁判はも~勝つのが当たり前(否、当時としても映画としてこの流れで敗訴!は在り得ないか)であって、ソコも含めて諸々とただ淡々と為る様に為ってゆく…というお話にも見える、その点においては、純粋に趣味・興味としての目的に供する映画としては多少物足りなさも残る…のかも知れない。もう一つだけ、敵方となる法律事務所側の裁判の進め方にも少なからず疑問が残るとゆーか、彼らが為すべきはひたすらに「解雇理由がアンディの能力に在ったコトの証明」であって、彼がゲイでソレを隠していた→だから信用ならない人物だ、という一種の人格否定は、そんなん負けて当然じゃね?とも思うのですね(どー考えても悪手だろ、と)。流石に、その部分の法的判断基準は当時だろうが現在だろうが変わらないと思っても居るのだケド(陪審制だとそーでもない…のでしょーかね?) 重ねて、映画としての社会的価値の部分について1点加点して、この評価といたします。トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンも手堅い仕事でしたし、静のハンクスと(やや)動のワシントン、という補完性もグッドでした。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 7点(2022-04-23 02:12:01) (良:1票) |
《改行表示》158.良い映画ではあります。 が、肝心の裁判シーンは意外と淡々と進むのがもったいない。 もっと劇的・感動的な訴訟劇だったら面白いと思うんだけどなぁ。 すべてを受け入れてくれる家族の優しさには心動かされました。 同性愛「差別」には理解できるけど、同性愛「問題」には個人的に共感しづらい。 今も昔も何年たっても、この問題はなかなか変わらないよね。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2020-05-13 18:19:51) |
157.トムハンクスはやはりうまいなーと唸ってしまった。その他、ご両親役の人やデンゼルワシントンは言わずもがなとして、子犬ような濡れた目のアントニオが本当に素晴らしかった。映画として、おもしろいおもしろくないの判断がとても難しいけれど、良き映画だと思った。 【小星】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-27 21:24:43) |
《改行表示》156.《ネタバレ》 エイズを題材にしてますが、法廷では同性愛に対する話題が多く、ああ実際はそういうものなのかなあと。 特に昔ほどそういう風潮だったのかもしれませんね。 不満もないわけではないですが、いずれにせよウイズを題材にした初めての映画だということで、 そういった意味では意義は大きいと思います。 難しい役柄でしょうがトム・ハンクスは見事演じ切りました。 90年代の彼は、まさに演技派俳優としてぐんぐんと駆け上がっていった頃でしたね。 オペラで感極まりながら解説するシーンは色々と記憶に残りました。 アンドリューは理知的で控えめなキャラなので、映画としてはああいうところで魅せていく必要があったのかもしれませんね。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-26 18:21:50) |
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《改行表示》155.《ネタバレ》 エイズの弁護士が解雇されて、弁護士事務所を不当解雇で訴える。結果は予想通りでストーリーにインパクトはないのだけれど、被告側の女弁護士が珍しいタイプで印象に残る。 ドラマの女弁護士といえば声を張ってまくしたてて相手をやり込めるイメージだが、声のトーンが優しく静かでありながら淡々と相手の痛いところを突くタイプのやり手弁護士だったので。 アンドリューがオペラを解説しながら感極まる場面は、最も盛り上がって感動的なはずなのだが、そもそもオペラが苦手で良さがさっぱりわからないので置いてきぼりを食らったようで困惑するのみ。 ミラーも一人で盛り上がるアンドリューに困惑顔だったが、帰宅して愛娘や妻の顔を見てからオペラとアンドリューを思い返してアンドリューのことをようやく深いレベルで理解し共感した模様。 でも、自分自身はミラーのようにはいかなかった。オペラを絡められてもやっぱり共感しにくかったので、他の手段で伝えてほしかった。 ゲイの話も苦手だけれど、生理的に受け付けないベッドシーンなどがなかったのは良かった。 トム・ハンクス、デンゼル・ワシントンの演技はしっかり魅せてくれる。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-09-11 00:30:35) |
《改行表示》154.始まりと終わりの静かに音楽が流れる風景・映像が秀逸。それだけで大作感が漂う映画。 本編は想定を大きく外れることはなく、ある意味安心な、それでも多少物足りない印象も残る。 時代においては重要な作品だと思う。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-25 22:04:57) |
《改行表示》153.《ネタバレ》 エイズ=ゲイ、な構図が違和感がある。 そして差別を受ける理由もゲイが原因なのか、エイズが原因なのか、 また描かれているのが、会社を不当解雇されるも闘う一人の弁護士なのか、 それともゲイの権利を主張する一人の男なのか。 ドキュメンタリーとしてみることにするか、 と途中から見るスタンスを変えてみたものの、 それでも共感や感動はなく。 ただただ陰鬱な雰囲気が漂う中、なんとなしに勝訴してしまったと。 そんな感じ。 【元祖】さん [インターネット(邦画)] 4点(2017-03-11 11:07:48) |
152.社会派映画の第一人者・デンゼルワシントンさんの今回の舞台はフィラデルフィア。タイトル、そして随所に散りばめられたこの街の姿こそが自由の象徴でありテーマとなっている。法廷闘争モノではあるが、ベケットとミゲールの絆の強さもまた見逃せない。登場人物のみならず、この映画の表現そのものが偏見への挑戦なのである。いやぁそれにしてもデンゼルワシントン他名優揃いだね。アントニオバンデラスなんか本当に同性愛者に見えてきちゃうし、トムハンクスのやつれっぷりに大丈夫なのかと心配になる。そして最も強く感じられたのは、当時のエイズに対する知識の希薄さ。現在ほど良く分かっていなかったとはいえ、やはり同性愛=エイズというズレた認識による差別が横行していた時代だったのでしょう。教科書として見ておいていい映画だと思う。 【にしきの】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2017-01-22 02:38:30) |
151.面白いというか、エイズやホモセクシャルについて考えさせられる深い話。トム・ハンクスの演技は秀逸の一言である。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-15 19:20:07) |
150.周りに同様の発症患者がいて同じように差別せずに接することができるかというと正直自信が無い。エイズという重い題材をもって深く考えさせる映画だ。考えさせると言うよりは、アメリカ国民に問題を突きつけているといった方がいいのだろう。そこにこの映画の舞台であるフィラデルフィアが古き良き時代のアメリカの象徴として登場する意味があるのだろう。エイズに起因する感染症で主人公がみるみるやつれていくのだが、冷たい世間とは対照的に暖かい友人家族が周りにいてくれる状況が観るものの心を和ませてくれる。好み30/50、演出12/15、脚本9/15、演技8/10、技術5/10、合計64/100→6/10点 |
149.エイズで世間がわいていた頃の作品。確かに当時、エイズは恐ろしい病気で、おちおちHもできないという風習になっていましたね。逆に、こんな、大変な病気なのに、あのマジックジョンソンはなんで死なないんだ?なんて、不思議に思った物です。現代医学では、HIVにかかったとしても、薬を飲み続ければ寿命まで生き延びられる病気と、医学の進歩のおかげでなりましたが、当時はもうほんと、末期がんと同等で、しかもホモがかかる病気という印象でした。そんな時代背景をふまえて鑑賞すると、面白いかと思います。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 7点(2015-06-17 15:29:35) |
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147.法廷ものでしたがゲイだけに全く感情移入ができませんでした。 |
《改行表示》146.2点不満が。 1つ目は、エイズが治らなかった(発症を遅らせることができなかった)時代の話ということで、現代との乖離が感じられるところ。 2つ目は、アメリカの映画全般に言えることだが、黒人を描く際の欺瞞が気になった。 普段の映画では申し訳程度にしか出てこないのに(一定の年代より以前は、作品に登場すらさせてもらえない)黒人の存在を主要なテーマにおいた作品では、至る所に黒人が登場する。黒人が申し訳程度にしか出てこない作品と、黒人を主要な位置に置く作品では、作り手側の黒人に対する意識の違いもあるのかもしれないが、アメリカ全体として見るとそれはすごく歪であり、欺瞞である。 この、「普段は脇に追いやられているが、力がある側の都合で前面に押し出された場合には、不自然なほど登用される」というのは、アメリカにおける黒人だけではなく日本における女性の扱いにも共通する。この力がある側とは、言うまでもなく白人・日本人男性である。 力がある側はその社会において不自由していないので、ごく少数の人しか、不当な扱いを受けている側のことを考えないが、白人にしろ日本人男性にしろ、ここには挙げていないが不当な扱いを受ける者の傍で不自由していないが故に目をつぶっているような大勢の人たちが、少しでも自分が生きる社会の「弱者」について考えてくれれば、と思う。(自戒の念も込めて) |