5.《ネタバレ》 Atmos上映で視聴。前作グラディエイターは好きだったものの(ラッセル・クロウは好きな役者さんなので)本作はビジュアル的にもパッとしないし歴史スペクタクル映画ってとても金がかかる上、前作と同レベルでも評価が下がるいばらの道で、とはいえ好きな題材ではあるのであまり……というかまったく全然期待せずに見た感じです。
期待されてそれ以上に乗り越えてくるのはバーフ・バリくらいのものでしょうか。マッドマックス怒りのデスロードもどうか。いずれにせよエネルギーをタメにためて前作を上回る期間が要るので、なんでいまさら続編と思わなくもなかったですが、水準以上の続編を作るのに期間がかかるのもわからなくはないと思ったりなんかしていました。
で、率直な感想としては、意外と良かったです。
中盤のあの運命の対決辺りからギリシャ悲劇的なドロドロした展開に突入し、そこで目が覚めた感じです(そうでなくちゃ! と思った)。
そこから先、主人公が様々なしがらみから英雄として成長していき、見た目も凛々しく見えるようになってくるのが、主人公の成長物語としてわりと違和感なく観られました(私は)。
エンドがエンタメ的にカタルシスが足りないと言われるだろうけど、本作は悲劇物語的、史実に多少は準拠した歴史ものなので、安易に王座について終わりとかだと歴史改変になっちゃうし、今の時世、完全なフィクションではなく史実に準拠したような話が安直に悪い奴をぶっ倒してハッピーエンドというのは、現実に鑑みて全く共感しがたい所があり、あのような結末を選ぶのは、私自身がそういう話が好きなのもあって絶妙に良い感じに収まって良かったと思います。
加えて、歴史スペクタクルものに現代的価値観の夢を語らせる話って、本当に実現しちゃったら歴史が変わっちゃうので、結局悲劇的終わりで夢絶たれるんでしょう? と個人的に冷めちゃう部分がいつもいつもあるのですが、本作はもう一歩踏み込むところまで描いてるのがちょっと革新的かなーと思い、挑戦として面白かったです。
ただまあ物語としては面白いけど、リアルな状況を考えると、あの物語が終わった直後に周りにいた人々があの先どうするかというとどうしたらいいかわからず国全体として混迷せざるを得ないのではないか、巨悪は倒したからあとは知らないっていう終わりは主人公自身がテロリストそのものじゃないのか(笑)というのもあって、そこはメッチャ批判されるだろうなあと思います。
あとアクション部分については、とてつもなく金がかかるのでスケールダウンするだろうなと予想してたのですが、各種趣向を凝らして盛りだくさんでかなり楽しい感じになってたので、わりと満足できました。
それから、デンゼル・ワシントンは素晴らしい怪演で際立ってて良かったです。
敵役の二皇帝も含めて、悪役がそれぞれ個性味あふれて良かったですかね(主役が地味目なのもあり、補って楽しまされたかなと)。
あと、要所要所で前作のテーマ曲でもある「Now We are Free」がガシガシ鳴るのが、私のとても好きな曲なので非常に嬉しかった感じです。
それから「R-15」と付いてる通り表現が少々グロ目なので苦手な方は注意されると良いかもしれません。
そんなところです。