《改行表示》60.《ネタバレ》 資産家のお坊ちゃんは博打漬けで貧民層に叩き落される。特技の歌で人形劇団を組みどさ周り。劇は時には活路を開くのに役立つこともあるが庶民を襲った時代の波に翻弄される。 共産党を過剰に持ち上げるシーンを多用しそれが逆に批判を示す構成となっているところが興味深い。一家を襲う悲劇の数々はいたたまれないものがあるが大きな時代のうねりなので抗いようがないわけで、もうかき分けかき分けどうにかこうにか生き延びるしか手がない。大変だったろうなーとは思うが映画として見せられても一家の変遷を借りる形でただ時代をなぞっているだけでちょっと面白味は感じづらい。見ようによっては思った通りのストーリー。大きな振幅がない。醸し出す雰囲気が良かっただけにもったいない作品である。 今週の気づいた事:オープニングの博打のシーンだけが光っている。 【ほとはら】さん [DVD(吹替)] 5点(2023-11-03 13:23:31) |
59.撮影や美術はもちろん段違いなんですが、内容は正直日本の朝ドラあたりとあんまり変わらないと思えてしまいました。激動の時代、いろいろ大変だったけれど最後は孫も生まれて良かったねという感じで終わります。社会がどうであろうと庶民はそれぞれの人生を生きてゆく、そういう物語の姿勢はこの映画の美点ではあります。しかし社会や歴史に対する深い洞察や批判というよりは過去を懐かしむムードが強いです。まあ私が日本人だからなおさらそう感じてしまうのかもしれません。いかにも伝統的な中国文化の美を強調しているセルフオリエンタリズムな感じも好きではないです。 |
《改行表示》58.《ネタバレ》 生活感がリアルに伝わってくる。 影絵がドラマ的にもっと何かに使われるのかと思ったが、捨てられて特に何もなく。 あくまで生活の糧だったということか。 夢や目標を掲げて何かを成し遂げようとするのではなく、家族と平穏に生きることがすべて。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-01 22:39:20) (良:1票) |
57.《ネタバレ》 一昔前の中国庶民の生活が如実に描かれており、わかりやすく面白い。家族の半生の展開が早くて、次々と事件が起こる。旦那は結婚当初は本当にどうしようもない馬鹿であったが、その後はすっかり校正していい父親であり、いい旦那。奥さんがとにかく不憫な半生である。私も半生を振り返ると、実はこの旦那に少し似ているのだが、改めて家族の為に尽くしたいと気持ちを引き締め直す、良いきっかけとなりそうだ(笑) 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-05-05 10:18:50) |
《改行表示》56.《ネタバレ》 中国映画。 第二次世界大戦後の国共内戦、大躍進政策、文化大革命の3つの転換期を生きる 平凡な一家族の半生を追体験する映画。 暗い話。 いくつものエピソードが立て続けに起きるのでグダグダ感はない。 個人的には中国の庶民の生活ぶりが見れて楽しめました。 ただ話に大きな盛り上がりがないので好みは分かれるかもです。 以前見たイラン映画みたいに映画越しとはいえ他文化に触れるのは ちょっとした海外旅行に行ったみたいで面白い。 【Dry-man】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-11-13 13:01:39) |
55.重厚でしっかりとした映画なんだけど、もう少し起伏があった方がいいのでは。 |
《改行表示》54.《ネタバレ》 1940年代から60年代を舞台に、中国のある家族の一代記を描いた作品。 博打で屋敷を手放し、戦争では死の淵を彷徨い、二人の子供は死んでしまう。 それでもなお人間は生き続けなければならない。 人間は弱くもあるが、時間を経るにつれ、辛い出来事を乗り越え逞しくまた生きていく。 その躍動感に満ちた人生を『活きる』と題し、描いて終わるのだが、どうも単調だし、尺も長いのがひっかかる。 チャン・イーモウはこの手の人情劇を撮らせると抜群に良い味を出せる監督だが、本作は変にスケールを大きくしてしまったせいで、初期の作品群に感じられた素朴な味わいが消えてしまっているように感じた。 後のワイヤーアクション大作で、それまでのファンを置き去りにしたチャン・イーモウが、その片鱗を見せた作品だと感じる。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-09-28 09:15:32) |
53.生きるということは、時代を超えて生活すること、そこに「活」という字を使った意味があると思う。長い年月の間には、それこそ困難や苦労、喜びや悲しみ、様々なものがあり、それらが通り過ぎていく。どんなに大変な苦境に陥ってもたくましく生きることの意味を教えてくれる映画だと思う。共産党や毛沢東がどうこうというのは、長い人生においてはちっぽけなことであり、左右されても自分自身を決して見失わないことを教えてくれた。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-16 10:10:14) |
《改行表示》52.《ネタバレ》 40年代の内戦から、70年代の文革までの激動の中国を慎ましく活きぬいた一つの家族の物語。時代がもたらす困難(偶然の悲劇も多いが)に直面しても、共産党を批判するようなことは決して漏らさず、毛主席と明日を信じる人々。信じながらも裏切られ、消えていく人々。それでも絶望せず生きていく人々が胸を打つ。 序盤で言っていたセリフを共産主義礼賛から、自身の成長を目標に置き換えた最後のセリフが素晴らしすぎる。70年代以降を描いた続編があっても観たい名作。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-05-16 22:32:04) |
51.博打で大負けしてから、彼の本当に活きるが始まった。幸せは金では得られない事を彼の人生で体現したのだ。奥さんは、世界共通の母親像を演じきっていたと思う。 【Yoshi】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-07-25 19:05:48) (良:1票) |
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《改行表示》50.《ネタバレ》 まず邦題を「生きる」にしなかった日本側の考慮が結構ですね。 こういう大河的ドラマは、役者のイメージセンスを考えてか、ある程度年代が進むにつれ、歳を取らないメイクになってしまうのですが、本作は充分考えて作っていますね。 笑ってしまったのが、主人公の男性は若いころはスキンヘッドなのに歳を重ねていくうちに、所謂波平カットになって、横の髪が生えていくのですね。 ちょっと意地悪な言い方ですが、コン・リーは、やはりハリウッド映画に価値を重んじているのでしょうか? 鑑賞後に、仲代達也主演の「人間の条件」を思い出しましたが、人の生と死を重ねて接していく人生にしか、本当の生きる価値を見出していくしか道はないのでしょうか? ちょっと長い上映時間ですが、テンポがいいので、とても鑑賞しやすい映画です。 人間ドラマが好きな人にお勧めです。 当時、管轄に引っ掛かって上映できなかったのが不思議でなりません。 やはり、中国は古い体制が根強く残っているのですね。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-07-01 00:00:49) |
49.《ネタバレ》 チャン・イーモウの中では最も好きな作品です。50年代の大躍進政策、60年代の文革という、庶民に犠牲を強いた2つの時代に2人の子供を失った夫婦の物語です。しかし、決して暗い映画ではない。チャン・イーモウの批判精神だけでなく、ユーモアのセンスが素晴らしい。それに加えて主人公である夫婦を演じる2人が実にいい。飄々と運命を受け入れて生きていく夫、それを支える力強く、明るく生きる妻。それゆえ、後味は決して悪くない。悪いどころか、不幸を乗り越え、それでも家族が支えあって人生を明るく前を向いて力強く踏みしめて生きていく姿に勇気さえもらった気がしました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-11-27 21:12:31) (良:1票) |
48.前時代の没落を一身に体現するような福貴、賭けに没頭し、しかし影絵をやらせるとけっこう器用、実に非生産的な男。賭けごとは阿片と同じで急にやめると体に悪いんだよ、なんて言ってる(寅さんも「急に地道に変わると体に悪いんだよ、徐々に変わるんだよ」って望郷篇で言ってたなあ)。なんかすごく自己を投影しやすいキャラクターだったが、主人公は彼ではなく、前向きに生きる女の方だった。そうだろうな。大躍進時代の金属供出を取り上げたのは、中国映画で私は初めて見た。さらに文革時代と、悪い時代を描いていく。悪い時代とは子が親に先立つ時代ってこと。未来をふさがれる時代。悪い時代を描いても“いかにも”の悪人は出さない。紅衛兵的な女医たちも、いざとなると糾弾していた老先生に救いを求めておろおろする。悪というより未熟さや愚かさを出している。まあけっきょく、昔は悪かったが今は良いってなるんだけど、振り返るだけいいんじゃないか、日本映画が近代史の暗い面を振り返らなくなって久しい。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-06-20 12:17:59) |
47.授業で見ました。なんて静かなサスペンス映画なんだ…。何が起こるか全然わからない。それが人生で、それが活きるということなんだろうなあ。人間の柔軟性というか、ケセラセラというか、そういう「活きる」活力を見せてくれる映画だと思いました。饅頭のシーンで若干教室がざわっとしたのはいい思い出です。 【デルモゾールG軟膏】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-04-20 23:22:50) |
46.《ネタバレ》 「活きる」というまずはこの邦題を付けた人に私は素晴らしい。感謝の気持ちでいっぱいになる。どんな厳しくて、貧しい中にも人間として生まれてきた以上、精一杯生きる。生きること、それがすなわち「活きる」ことにも繋がる。この映画で描かれている人間の生活、苦難にも立ち向かわんとばかりに一生懸命な人々、博打でボロボロになりつつある駄目な夫を支える妻、コン・リーの厳しさと優しさとの両方がきちんと描かれている。それも偏に主演の二人の演技力があればこそ観ていて伝わるものがある。娘の結婚を祝う場面での二人のあの優しそうな笑顔、表情、そして、そんな二人の表情につられるように周りの人間も同じく表情が和らいでいて何だかとても優しいこれこそ人間の温かさ、チャン・イーモウ監督の心の温かさを見せてもらっているようです。それにしても駄目な夫を演じているグォ・ヨウがどんどんと素晴らしい父親へと変わって行く様子を見事に演じ、更にはそんな夫を支えるコン・リーの演技は凄い。やはりこの人、今、アジアでナンバーワンの女優さんだ!コン・リーの凄さ、素晴らしさについて少し語らせて貰いたい。どんな役でも見事に演じきる。そして、何よりもオーバーな演技、自分を良く見せようとか、私は女優なんだよ!どうよ?美しいでしょ?みたいな所を全く見せつけない。抑えた演技、それは日本で言うならば高峰秀子という女優に当てはまる。表情にしても滅多には変えずに、ここぞという時のみ、表情を変えて演技する。中国版、高峰秀子です。なんだかんだと色々書いてみたが、これは正しくタイトル通り「活きる」映画!コン・リーの逞しさ、強き母こそ人間のそして、世界共通の母のあるべき姿ではないでしょうか! 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-04-05 11:51:05) (良:1票) |
《改行表示》45.観ている間中ずっと自分が考えていた事、「生きる」と「活きる」の違いって一体何だろう・・・?字をくっつければ「生活」になる。中国語ではもしかしたらこの二つ、たいして意味は違わないのかしれないが、日本語だと微妙に異なるような気がする。「活きる」は日々の生活を精一杯過ごす事、「生きる」は人生のゴール「死」に向かって歩んでいく、もっと広範囲な意味として自分は解釈した。この映画に出てくる登場人物は、誰もが「生」も「活」も「喜び」も「悲しみ」も全て思う存分享受する、ひたむきな人ばかり。彼らがまっとうな人間だとしたら、今の私など毎日毎日、ただ『息をしてるだけ』のケチな存在でしかないのが歯がゆい!!ホンマ情けない!!!映画の内容には殆ど触れられなくて申し訳ないけれど、これが自分のこの作品を観て思ったこと。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-17 16:47:04) (良:2票) |
44.《ネタバレ》 そこそこよかった。身内が死ぬシーンは本当につらいね。まんじゅうを喉に詰まらせるシーンは何とも。。中国の近世の政治の変遷をみることができて勉強になった。 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-12 07:35:34) |
43.まさに「禍福は糾える縄の如し」を描いた感動大作。ギャンブル破産に始まる波乱に富んだ家族の人生模様は圧巻を極めた。特に主演グォ・ヨウの味わい深い雰囲気は最高に素晴らしい。コン・リー渾身の役作りもさすがだし、リウ・ティエンチーの素朴さも捨てがたい。事件以外でも日常に漲る哀切は、たびたび目頭を熱くさせる。 【丹羽飄逸】さん [地上波(字幕)] 9点(2007-01-19 18:23:49) (良:1票) |
《改行表示》42.《ネタバレ》 この手の貧しいが必死に生きた人々を描いた中国作品に駄作無し。今回はコン・リーが控え目な役を演じており、亭主・子供達と共に実に生き生きと描かれている。終盤は不幸な娘が死なないようにと、そればかり願っていたのだが結局報われなかった。死によって盛り上げるやり方はどんな監督でも出来る訳であって、チャン・イーモウならもっと他の描き方で感動を与えて欲しかった。親より先に死ぬこと程不幸な事は無い。文化大革命と聞くだけでゾッとするが、今回「覇王別姫」程キツいシーンは無く、直接生死にも関わってこなかった。饅頭の爺さんの登場だけは未だに意味不明である。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-16 06:09:30) (良:1票) |
41.微妙な出来。ストーリーとしてはごく淡々と話が展開し、見る人によっては退屈かも。他の人が書いているほど重い作品ではないと思う。もう少しチャン・イーモウ特有の空気感を味わいたかったが、この作品はおとなしめ。そのわりに内容をつめこみ過ぎた感があり、全体を通して平板な印象。メリハリが欲しかった。とはいえ、それを最後まで一気に見せてしまうチャン・イーモウの腕力と、独特な世界を構築する中国社会は共に興味深かった。 |