41.《ネタバレ》 まず、カラーでは当たり前ですが国旗や景色やら色がついていて観やすい。
けれど潜水艦の中の色使いがあまりにも派手すぎ。
これでは宇宙船の中です(苦笑)
演出、これはもうオリジナルのわかりくいところを解明してくれていますが、
あまりに説明しすぎて逆にしらけてしまったところがラスト・・
ラストの描き方が湿っぽすぎてそれが大きな不満なのですが。
エンディングなんかもうメロドラマ状態ですよ。
家族愛に恋愛にとそれぞれの終焉を丁寧に見せられるのですが、
フェラーリの博士の最期の描写以外はしらけてしまいました。
逆に感動したのが中半の黄色い車の一家自殺シーンです。
ああいう描き方のほうが客観的でいてすごく哀しさや悲惨さは伝わってくる。
ラストの家族愛描写はひつこいというかいきなり子供が入ってくるので、
全然感情移入ができなかったのです。
それまでにも出てはきますがあまりにも描かれなさすぎでした。
言葉は少なくとも最期は映さなくとも恋愛や家族愛を想像させ、
後味の悪さと観るものに考えさせるゆとりを与えてくれたのはモノクロのほうだった・・
伝えたいことがわかったのはモノクロの説明不足のほう、それをカラーで観て気がついたのも
皮肉です。
さてではこのリメイク版はなぜオリジナルより自分はいいと思うのか?
わからないことよりもわかるのに描かれてなかったリアルさです。
ジワジワと時間が迫るのでパニックになって逃げ惑う人々とまではいきません。
でも暴徒や身勝手な行動を起こす人々はきちんと描かれており、
しかも主人公がアメリカ軍人ということでモノを投げられるなどの描写は納得できる演出です。
絶対にやってほしかった死体や病んでゆく人々はもちろんのこと、
これらリアルな描写がきちんと描けているからこそリメイクは成功したといっていいでしょう。
大統領や世界のニュースが流れるのはワンパターンなので好みませんが、
この作品に関してはなにしろ戦争当事者であるアメリカのニュースは必要です。
自然現象などではないのですから説得力があります。
「渚にて」でキーポイントになったあのコカコーラの空き瓶は、
このリメイク版でも使われていて感心しました。