《改行表示》43.《ネタバレ》 「人生の半分はトラブルで、あと半分はそれを乗り越えるためにある」。この映画の名言としてよく取り上げられる台詞である。しかし、この台詞を吐くのは主人公の二人ではなく、二人の幼馴染みである老婦人ティシャ。彼女が会話の中でサラッと言うので、名言と知られているわりに、正直、あまり印象に残らない。ティシャと共に饒舌なのは、老紳士ミスター・マラノフ。彼も人生訓のような台詞を沢山吐くが、こちらも同様にその饒舌さ故にあまり印象に残らない。 リリアン・ギッシュ。当時、御年93歳。彼女は、姉役のベティ・デイヴィス(当時、御年79歳)から常にBusy、Busyと揶揄される。生真面目で、働き者で、常に忙しく動き回っていて、教訓めいた言葉、人生を悟ったような言葉を一切吐かない。盲目で気難しい姉に寄り添い、彼女の世話をする。死んだ伴侶との46回目の結婚記念日を静かに一人祝う。隣人たちに気を遣い、彼らの話をよく聞いてあげる。姉は妹の気丈な思いを感じて言葉に出来ない感謝を抱く。サマーハウスに新しい大きな窓を付ける決断をする。そして、八月の鯨を只管に待つ。 実は、そんな彼女達の心の有り様こそ、語られない、語られ得ない、この映画の名言ならぬ非言語故の生の勁さ(つよさ)なのである。歴史に刻まれた其々の心の重み、それは一般化できない。それは言葉で紡がれる世界ではなく、彼女達自身の静謐な生の佇まいの中にこそある。カメラはそんな彼女達が連れ立ってゆっくりと歩く、その握り合う手、歩調を合わせる足元を映す。エンディングの音楽の中、彼女達が岬に佇むラストシーンの美しさ、その老齢な生の奥深さを感じ、心が震えた。 【onomichi】さん [インターネット(字幕)] 9点(2024-07-14 10:42:07) |
《改行表示》42.《ネタバレ》 あのリリアン・ギッシュがかわいいお婆ちゃんに! それだけで何だか感慨深い。 静かな島でゆったりとした時間を過ごしている。 老後としては良いのかな? 私はどちらかといえば賑やかな場所が好きだけど、老齢になったら好みは変わるのかな、それとも人それぞれなのかな。 ベティ・デイヴィスが完全にお邪魔な存在。 あれだけ悪態をつかれるとさすがにきついよね。 難しい事かもしれないけど、やっぱり年老いたら可愛がられる存在でいたいかな。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2024-04-28 16:41:33) |
《改行表示》41.見えないが母と同じ白鳥のような白髪になったか、を訪ねる姉…ジーンときます。 リリアン・ギッシュの遺作となりましたが90歳を超えてもこの演技、セリフ、など、さすがでした。 八月の鯨のような、自分にも何かずっと心に持てるものほしいです 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-01-30 14:55:56) (良:1票) |
《改行表示》40.「希望が叶う」事は現実には難しいかもしれない。 しかし「希望を持ち続ける」事はもっと難しいし、 保ち続ける事こそが最良の人生を送る一要素なのだろう。 この映画の素晴らしさが実感出来る様になってしまった 自分はもう爺様の一歩手前なんだろうな。 ただそれを恥かしいとは思わない自分の感性は まだまだ誇ってもいいのかな、と思う。 若人の時に見て「つまらん」と思った方、 年月を置いてもう一回見てみ。こころに刺さるから。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 8点(2022-01-12 15:32:16) |
《改行表示》39.《ネタバレ》 人生、必ずしも上手く生きてきた訳ではない。辛いことも多かった。悲しいことも多かった。掴んだと思った幸せは、指の間をすり落ちて二度と戻っては来なかった。 今、老いさらばえて病を得、体の自由も利かなくなり、遠からず訪れる死を待つのみとなった… それでも、それでも前向きに、今を生きてゆこう。いつかまた、鯨がやって来ることを信じて… 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-01-23 01:00:42) (良:1票) |
《改行表示》38.《ネタバレ》 特に事件も起きず淡々と進む。 昔の思い出に浸る往年の優しいストーリー。 でも退屈。寿命が伸びそうなくらい。 結局、鯨見れんのかい…。 |
《改行表示》37.《ネタバレ》 リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスが静かな老後を過ごす姉妹を演じる。 物語は穏やかな海のごとく淡々と静かに進む。 70、90歳にしては若々しい元気なこの姉妹。 息子や娘の事、夫の事、昔の思い出などのんべんだらりと語らい合う。 姉は目が見えずやや疑心暗鬼でビキビキ、 妹は軽く流して姉の髪をクシでとかす。たまりかねて怒る場面もまた良い。 二人は外に拡がる海のように静かで激しくピンシャカ喋りまくる。 何だかんだいって仲直りするラストはとても心地が良かった。 往年の名女優二人の夢の共演なのだが、敷居を高く感じない、親しみやすい二人の晩年の姿を拝める素敵な映画。 女優一筋を貫いた二人の姿は、弱々しい衰えを感じさせない力強さを感じた。 俺も歳を取るならこういう取り方をしたいもんだ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-09-04 03:54:52) (良:1票) |
《改行表示》36.《ネタバレ》 赤と白のバラにオーバーラップする姉妹の人生。 最後のセリフがよかった。 |
35.《ネタバレ》 ○二人の名女優の演技には唸らされたが、それを生かす演出がどうも足りなかった。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-08-07 06:58:43) |
34.《ネタバレ》 ベティ・ディビィス、リリアン・ギッシュという往年の大女優のガップリヨツな作品。このお歳になりながらも情感の表し方のナチュラルでそしてその内に秘める力強さは、さすがですね。しかしちと退屈感があるのも否めないわけでありまして、、、合わない人には合わないだろうなぁ。派手目な演出を好まれる方には向かないが、美しい姉妹愛を描いた秀作だとオモイマス 【Kaname】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-03-12 19:07:57) |
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《改行表示》33.《ネタバレ》 老年のリリアン・ギッシュをなんとか確認できるが、ベティ・デイヴィスにいたっては全く同定不可能である、しかし、それはベティ・デイヴィスの知ったことではない。ひとはせっかく長年に渡って対世間用に作り上げたペルソナを老いとともに失っていくというのではなく、老いという名の熟成の時間が「あらためて自分のために深く生きる」顔へと作り直していくのだ(と思いたい)。それは絶対的で神秘的な時間だ。二人の往年の大女優に失礼のない美しい撮影である。 【ひと3】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-05-28 19:14:29) (良:1票) |
32.《ネタバレ》 老い先の短さの恐怖と寂寥が刺々しさに表れる目を患ったリビーの心変わりは、老い先が短くとも折り目正しく前向きに日々を送るセーラとの絆の深さがあればこそ。胸が熱くなりました。ベティ・デイヴィスの迫真の演技とリリアン・ギッシュの貫録の演技に大喝采。 |
31.主人公の老婦人2人が画面に存在して動いているだけでかなりのインパクトがあるのだが、似たような会話のやりとりが最後まで続き、その間脇役を含めて登場人物にさしたる心理の動きが見られないので、食い足りない印象。むしろ、演出側が俳優陣の底力を使いこなすことができなかったのではないか。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-07-28 01:34:59) |
《改行表示》30.海辺と湖畔、老姉妹と老夫婦といった違いはありますが、ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンの「黄昏」を思い出す作品です。 しかし本作は目が不自由で偏屈な姉と働き者の妹の姉妹を中心に、家を訪ねてくる来客も、登場人物は全て老人。その登場人物に一定の距離感、緊張感を含ませつつも、挿入されるささやかなユーモア。人生について教訓めいたことを声高に訴える事も無い。 人生の残り時間の少なさを感じさせる台詞もありますが、作品も演じる2人も実に悠々としている。そんな2人の姉妹に、3人の来客者の演技も脚本も、優しさのある控え目な音楽も素晴しい作品でした。 家の売却を断り、見晴らし窓の工事を依頼し、2人で海辺へ。これからも夏になるとここに鯨がやってくるのを2人で見続けていく・・・。 年老いた姉妹のこれからに希望すら感じさせるラストもまた素晴らしかった。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-09 22:59:53) |
29.あくの強さが抜けきって穏やかな安らぎのある可愛いお婆ちゃんとなったリリアン・ギッシュの妹役と対象的な姉役ベティ・デイビスの刺のある憎々しいお婆ちゃんのガップリ四つ相撲といった感じの楽しい黄昏をきれいな風景と共に描かれていて、いつまでも見飽きない。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-30 11:01:11) |
28.確かにかなり退屈でした。わかるのはまだ先ってことでしょう。 【色鉛筆】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2008-08-16 07:41:21) |
《改行表示》27.可愛らしさを持ったまま老いるというのは、すばらしいことなのですね。 こころあたたまり、かつ せつな~い気持ちにもなれる。 【puhara】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-03-26 21:00:59) |
26.いやー、凄い。90超えて映画に主演できるってほんとリリアン・ギッシュって人は幸せものだ。演技が演技を超えた自然さがたまらん。「コクーン」を意識してか(?)ハリウッドを代表するオジサマ・オバサマが集合して作ったほのぼのとする生活を淡々と描いてるのでこの映画に会わない人にとっては究極の退屈を味わえるかもしれません。 |
25.これは、主人公たちに共感できるか・できないかで大きく評価が分かれる所でしょう。申し訳ないですが、人生の未熟者の私には入って行けない“壁”というのがありました。映画のテンポがあまりにも淡々としすぎて、どうしてもついて行けなかった。名優たちの好演、作品全体の雰囲気…そしてメッセージ性は逸して良かった。 【_】さん [地上波(字幕)] 5点(2005-08-01 21:02:56) |
24.上手に老いるのは、難しい。老後の為に「昔話の出来る友達{兄弟)関係を、大事にする」という人生設計も、追加。 【aksweet】さん 7点(2004-05-19 23:37:07) |