245.《ネタバレ》 公開当時は「なんでまたリュック・ベッソンがジャンヌ・ダルクを?」と違和感がありましたね、ベッソンの奥さんがミラ・ジョヴォヴィッチだったし。しかし製作同年の99年には二人の二年間だけの結婚生活は破綻しているし、この企画は別れる女への惜別かはたまた火あぶりにしたかったぐらいの憎しみの現れだったのか? 手足がもげて首が吹っ飛ぶスプラッター要素が強いドロドロの中世史劇ではありますが、ジャンヌ・ダルクという世界史でも稀な謎に満ちた人物の存在に精神分析学的なアプローチで迫ったところはいかにもベッソンらしい。もっともこの部分はジャンヌが捕縛されて処刑されるまでのラスト三十分で、それまでの二時間続いた中世劇とのストーリーテリング上のアンバランス感は否めませんね。そこで登場するジャンヌの良心の化身という存在をダスティン・ホフマンが演じているというのは違和感が半端ないですけど、斬新なキャスティングだと好意的に受け止めたいです。彼の役柄は、ジャンヌの内心やはたまた神の声と言うのにはちょっと違和感があるし、いわば近代以降の理性が擬人化された存在だと考えた方がしっくりします。そしてこの三十分のミラ・ジョヴォヴィッチの憑き物が取れていった様な表情が良いですね、前半のいつも怒鳴っているような険しい顔つきからなんか可愛いとすら感じてしまうところまで変化してゆく、ミラ・ジョボヴィッチなかなか良い演技です。 けっきょくジャンヌはシャルル七世などの王家にはいいように利用されて見捨てられたわけですが、やっぱイングランドの手先になってジャンヌに火刑を宣告した教会がいちばん醜悪。この映画では教会はいったんジャンヌが改悛したので許したのに、イングランド側が男装させて魔女としてジャンヌを処刑させたと史実とは微妙に異なる責任転嫁をしている。当時のローマ法王が直接関与したわけじゃないだろうけど、ベッソンめローマ教会に忖度して日和ったかな?だいたいからして、二十世紀になってからやっとジャンヌを列聖してるぐらいだから、カトリック教会も後ろ暗いところがあったんだろうな。 【S&S】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2022-09-06 23:06:56) |
《改行表示》244.安易な英雄モノだと勝手に想像していてパスしてきましたが、意外にも真面目な伝記系・歴史系の深い映画でした。キリスト教に通じていたらもっと深く読み解くことができたと思いますので、日本での評価は致し方ないのかもしれません。(私自身、半分も理解できたかどうか・・) 映画の表面上はジャンヌ・ダルク(ミラ・ジョヴォヴィッチ)がとてもかわいそうに見えますが、、「神の啓示」=「自分が信じたいものだけを見る・信じる」という利己的な危うさがよく表現されています。そういった視点でこの作品を見た場合、途端に可哀そうだとは言い切れないのがこの映画の真価だと思います。時代が変われば精神病棟、ある意味彼女はあの時代に生きて幸せだったのかもしれません。ちょっと全体的に暗い作品ですが、観た後に色んなことを感じたり考えたりすることができるなかなか良い映画です。 【アラジン2014】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-05-03 14:55:27) |
《改行表示》243.《ネタバレ》 ま~、面白いかと言われれば、たいして面白くないわけですが。ジャンヌ・ダルクの話となると、どうしても宗教臭くなってしまいますし。しかし本作では、ジャンヌの神がかりを「まがい物」として描いているところが興味深いです。自分が信じているから信じられるんだ、みたいな。それが行き過ぎると狂信的になってしまうわけですが、ここでのジャンヌはそこまで行っていないのが中途半端というか、ある意味歯がゆい。もしかしたら、狂信的になってしまったほうが、面白い映画になったかもしれません。 それとこの映画、製作されたのが1999年だというのが興味深い。ジャンヌの神がかりによって兵士たちが鼓舞され、イギリス軍を破ってしまった。神を大義名分にすれば大衆は扇動されるということを、ものの見事に描いています。この映画の数年後から、神の名においての破壊行為が頻発するのですが、これは偶然なんでしょうか。テロリストの指導者たちは、しっかりこの映画を見ていたりして。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-30 21:24:15) |
《改行表示》242.《ネタバレ》 最初の方は結構、イイなあ、と思ったりするんですけどね。少女時代の主人公が、イギリス軍の焼き討ちを目撃する場面。この少女、もともと、信心深いというよりは神がかり的な、少なくとも相当レベルに浮世離れしたところがあって、見てる我々もそういうもんだと思って見ていると、突然走ってくる狼の群れが不穏な空気を漂わせ、そして唐突に目前に現れる、放火と虐殺。一体何がおきたのか、何が現実で何が非現実なのか、という衝撃。 導入部としてはもう、「ツカミはOK」なんですけれども。 ただ、成長した主人公が戦乱に身を投じる主部に入ってくると、合戦シーンにイマイチ乗れなくって。それなりにエキストラを動員してそれなりの物量を投じていることはわかるんですけど、こうも接近した撮影が続くと、やっぱり規模感が希薄になっちゃう。もしかして大半のシーンは少人数・小面積で、チマチマ撮ってるんじゃないの~とか思えてきて。やっぱりもっと、引きの映像での規模感とか、距離感を伴った動きとか、取り入れて欲しいなあ。 主人公をいちいち迷わせることなく「信念の人」として描いているのも悪くないと思うのですが、それが終盤に揺らぎはじめる。これはこれで確かにひとつのアプローチ、ではあるんでしょうけれど、物語としての魅力には、やや欠けている気がして。「神が英国人を殺すことをそそのかすなんて、やっぱりヘンだよね」と、英国マーケットを気にして日和ったのかどうか、それは知りませんけれど、いずれにせよ、映画自体が急に主人公と距離を取り始めたようなよそよそしさを感じさせて、違和感、あるんですよね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-04-04 13:26:39) |
《改行表示》241.《ネタバレ》 知ってるようで知らなかったジャンヌ・ダルクについて、少しだけわかったような気になれたことが収穫。 しかも、かならずしも神がかり的な存在としてではなく、「見たいものを見ているだけの少女」だったのかもしれないという冷静なツッコミもあって、およそ宗教とは無縁な私でも共感できました。 しかしその分、ストーリーとしてはやや一本調子でしたが。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-27 22:48:35) |
240.やろうとしていること自体はなかなか興味深いが、ミラ・ジョヴォビッチの空回り演技、サブキャラの描写不足、逆にある部分での過剰描写(ダスティン・ホフマンの役など、ご丁寧に画面上に登場させるべきではない)、各所で挿入されるベタな演出など、足を引っ張るポイントがあまりにも多すぎた。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-06-15 23:20:36) |
239.初めて観たときは、なんだこりゃ?って思った.. 最近、観てみると、神秘的で、幻想的なシーン、演出が目立ち..ジャンヌ・ダルク をメインに、彼女が見る、神との繋がりが強調され..そこに重点が置かれている..戦闘シーンに至っては、お金をかけてはいるものの 極少..“ 史劇スペクタクル戦争映画 ” を期待して観ると、ガッカリさせられる..フランス史に詳しいわけではないので、観ていて内容があまり入ってこないし、よく分からない、というのが本音のところ..もっと詳しく丁寧に史実を描いたものを観てみたいものだ..残念... 【コナンが一番】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2017-04-08 14:41:50) |
《改行表示》238.《ネタバレ》 神の預言とか神の信託とかがキリスト教圏を舞台にした映画にはよく出てくる。ジャンヌ・ダルクは中世フランスの女闘士というぐらいの認識しかなかったが、神の啓示を受けたと国王にアプローチしたのは知らなかった。神の啓示を受けたと主張する現代のカルト宗教家にダブる。こういうタイプの人間にはどうも胡散臭いものを感じてしまう。 ジョヴォビッチは凛々しくて魅力的だが、狂信的でヒステリックな主人公には魅力を感じない。人を殺したことがないと言いながら、結果的に戦いを先導して多くの人を死なせている。言動に矛盾がある。 結局「神の徴」も自分が見たいものを見て、いいように解釈していただけ。冷めた視点でジャンヌを問い詰める神の化身(ダスティン・ホフマン)が、宗教と人間のリスクを浮き彫りにしてくれる。 教祖となって人を動かすことができるのは、たとえ間違っていたとしても確固たる信念(というよりも思い込み)と、それに基づくブルドーザーのような行動力を持つ人物だろう。カルト教祖も自分が心底神の使いだとか生まれ変わりだと信じているから、それに洗脳される者が出てくる。それにしても、19歳の田舎娘の妄想のような直言がああも簡単に受け入れたのは、迷信がはびこるような時代だったからか。ジャンヌによほどのカリスマ性があったのかもしれないが、この映画からはそれが感じられなかった。 身も蓋もなく言ってしまえば、思い込みの激しい痛い女に振り回されたお話。でも、ジャンヌ・ダルクを悲劇の英雄として祀り上げるよりは、こうした人物像に描いたほうが現実的で良かった。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-09-17 01:51:24) |
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《改行表示》236.昔TVで見たけどDVDで観直してみた。結構残虐な物語なんだなと感じたし、オカルトが多い。 長いわりに退屈はしなかったんだけど、ジャンヌ・ダルクの言ってる事が矛盾ばかり。伝記映画としてはいまいち。エンターテイメントならまあまあかな。 【ラスウェル】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-12-08 20:26:14) |
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235.ストーリが浅いように感じました。悪い意味で漫画的展開です。歴史的なリアリティを求めるのであればオススメできませんが、気楽な気持ちで観たい人にはアリかもしれません。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-05-06 06:47:26) |
234.《ネタバレ》 妻投稿■ええ、今の世の中と映画のジャンヌが良く似ているんですが(^_^;)。ジャンヌの「神の言葉」が「正義と自由の為」に、ジャンヌの「私は神様の鐘で今ジャンジャンなっている」は「国民みんながそれを望んでいる」に、ジャンヌの「ああああああああ」が「テロとの戦い」にかぶって見える。これが1999年に作られた映画だと言う事は結構驚くべき事実ではある。お城の虐殺死体が烏についばまれているシーンで、「私が目指していたものはこんなもんじゃない」と立ち尽くすジャンヌは、5年後イラクで女子供のバラバラ死体の前で立ち尽くす米兵とその姿に衝撃を受ける米国社会そのものを予見しているのではないかと思えてくる。■ジャンヌがいかに「そんなはずじゃなかった」と言ってもお城を攻撃すればこうなる事はちょいと考えれば幼稚園児でもわかる。でも神の栄光や復讐と言う名の正義は時にこういう「常識」を忘れさせるらしい。私は「いかなる時でも暴力はいけない」とか「戦争はいけない」という考えは持っていない(そもそも善悪が意味があるのなら戦争は起きない)。しかし戦争というものは「見たいもの」つまり「明確で凶悪な敵」を見出すことで行われ、死体の山の上にいるのは「人がゴミのようだ」というムスカ大佐ではなく「こんなはずじゃなかった」という私たちなのだ・・と言う事を映画は訴えているのだと思う。■戦闘シーンは迫力はあるんだけど、石が転がってくるシーンで、何列も兵士がいるのにその部分にだけ兵士が1人吹っ飛ばされる役でしかいないのが笑えた。あと王様のお母さんが指輪物語の洞窟のシーンでいたような。「いとしいしと・・・・」 【はち-ご=】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2010-10-22 11:57:30) |
233.名前しか知らず、歴史的背景を抜きにした鑑賞です。私怨を神の名の下にという大儀にすり替えている、無学で浅はかで幼いジャンヌ。姉を殺された彼女を諭す神父さんの言葉への応えがこれかと思うと虫唾が走りました。やたらと惨い戦闘シーンは辟易するばかり。どうして皆は彼女に付き従ったのか不思議でなりません。人殺しを行うのに神の名を引っ張り出す事は間違っているのです。 |
232.《ネタバレ》 最初のシーンは衝撃的で「なんだかどえらい事になりそうだぞ」と気張ってたのに・・・ジャンヌダルクが一番華やかなシーンから一瞬にして泥沼・・・その後はもう宗教色強すぎて何をやってるのかわからず。私にとってミラジョヴォヴィッチの印象がよくないのはたぶんこの映画のせいです。最初は国、そして神のためだったのに最後は神にすがってるだけで自分の心がなくなって映画にも心がありませんでした。 【ハリ。】さん [ビデオ(字幕)] 2点(2009-03-08 09:41:52) |
231.前半の盛り上がりは良いが、後半が少し乱雑な印象。ジャンヌ・ダルクに興味を抱くきっかけを作ってくれたことには感謝しています。 【njld】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-10-12 23:32:16) |
【さそりタイガー】さん [地上波(吹替)] 7点(2008-06-09 12:03:07) |
229.ミラ・ジョヴォヴィッチはこの手の役はノリノリやな。 【ジダン】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-27 06:13:48) |
228.史実通りなのかは知らないのでコメントをさけるが、実際やっていた魔女狩りに関してはキリスト教は罪を認め、謝罪した。しかしこういうことを行っていたとは信じられない。 【あるまーぬ】さん [地上波(吹替)] 7点(2007-07-28 08:31:36) |
227.話し全体が暗く、あまり大きな世界観を感じなかった。後にも印象が残らないような出来で非常に残念。更に、妻主演の映画を夫が撮るという異例の作品で、かなりお寒い感じがするなぁ。この後、離婚するなんて救いようが無い。 【TOSHI】さん [地上波(吹替)] 1点(2007-05-06 17:20:17) |
226.リュックベッソンとミラジョヴォヴィッチのファンなので結構好きです。最初の子供のジャンヌが花畑を走りぬけるシーンが一番綺麗ですね。もし自分がこの時代のフランス軍にいたとしたら間違いなくジャンヌを信じて戦っているでしょう。「Follow me !!」って言われたら突撃しますよもう間違いなく。宗教的な話のことはよく分かりませんが、一人の少女を中心として戦う軍っていうのはかっこいいですね。ヴァンサンカッセルのステキな瞳が好きなので後半の少し長くて失速気味な部分も我慢します。まああの後半があってこその映画だとは分かってるんですが。トータルで見ると宗教臭いところが多いんですがやっぱ好きですねこの映画。 【赤紫】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-04-26 23:00:34) |