30.この映画は本当に採点が難しい。戦後の義務教育を受けた人間なら、一度は観なければいけない映画。けど、二回目観ろといわれたら、丁重にお断りしたくなる。未見の人には、絶対観なければいけない映画だよと、語り継ぎ後世にも伝えていかなければならない。決して偽善的な気持ちなどではなく、僕は強くそう思う。困った末にこの点数にしました。↓私も高校生の社会科の教材にというご意見に大賛同です。小学生や中学生には刺激が強すぎるよね、きっと。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-08-22 08:13:11) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 アウシュビッツ強制収容所の当時のモノクロ映像と、10年後、緑に覆われ廃墟となった強制収容所のカラー映像を交互に切り替え、静かな導入から始まり、徐々に惨劇が詳らかになる構成です。新緑に覆われた強制収容所跡地は、空が抜けるように青い。鉄条網がややぶっきらぼうであることを除けば、至ってのどかで静かな雰囲気が漂い、この10年前に惨劇が起きたとは想像ができません。国破れて山河在り 城春にして草木深し 廃墟と緑はノスタルジーさえ感じさせます。なぜ人の尊厳がここまで蹂躙されたのか?映像は、理由を語らず、その事実を突きつけるのみです。大量の裸の死体をブルドーザーで捏ね集めるシーン。人の形をしたものが、絡み合い、物理演算モデルCGと見紛う粘土のような挙動を示す映像が衝撃的です。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-03-07 13:38:41) |
《改行表示》28.《ネタバレ》 32分で人生に影響を与えるかもしれない映像体験。 カラーで描かれる青空と緑の平野と対比するように、かつてここが強制収容所だったこと、 そして虐殺があったことをモノクロの映像で淡々と綴っていく。 死体の山をブルドーザーでかき集めていく有名な映像がかつてテレビでも放映されたが、 生首と人皮の工芸品のくだりは実際にあったのかと思考する余裕を与えないほどの"生々しい非現実さ"があった。 終戦からわずか10年で虐殺に向き合った事実に本作の真価があるだろう。 現在までに世界中で虐殺が繰り返され、他方で他人事のように見て見ぬふりをする我々もまた共犯者だろう。 |
《改行表示》27.《ネタバレ》 短編ドキュメンタリで、語り口も非常に淡々としたものだが、終盤の映像の凄惨さは中々に凄まじい。ただ、そもそもこの題材を短編作品で語る、という建付けにはなんとはなしに疑問(無理)があると感じるのもまた事実かと。個人的には、より後年のNHK『映像の世紀』をかつて観たときの方が衝撃は上だったとも思う(まあ、アッチを先に観たとゆーのもデカいのは確かだが)。 とは言え、例えば学校の授業で使うのには(尺的にも)持って来いだと思うし、そういった目的に供するとしてのクオリティもまた間違い無く十二分以上かと。今後とも、とても価値の在る作品で在り続けるのも確実と言えるだろう。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 7点(2022-01-19 17:10:40) (良:1票) |
26.高校の教材として使用したらどうでしょうか。人間は、思想次第で見ず知らずの人間にここまでやる存在なのだと理解できます。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-01-22 20:04:00) (良:2票) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 第二次世界大戦下、アウシュビッツ強制収容所で起きたユダヤ人の虐殺。 その出来事を記録したフィルムや写真を再編集して一つの映画にしたアラン・レネの短編。 同じナチスの非道を記録したミハイル・ロンムの「ありふれたファシズム・野獣たちのバラード」は、虐げられた人々よりも実行した関係者たち、ヒトラーの演説を冷静に聞く聴衆の分析といった部分に視線が向けられていた(それでもホロコーストや吊るし上げなど虐殺の記録は多い)。 この作品は戦争の悲劇性や、実行者の罪を問おうという趣旨はありません。あくまでありのままの事実を淡々と記録した映像なのです。 現在(撮影当時)の収容所跡地を映したカラー映像、そして過去の出来事を白黒のフィルムで映していきます。 収容所に列車で連行されていく人々。前半15分は収容所での生活、後半15分は人々が殺された“後”をひたすら映していくのです。 髪を剥ぎ、首を切り、炎で焼き尽くす・・・どうしたらこんな惨い事を平気で行えるのか、同じ人間が人間にこのような事をできる・・・考えただけでも背筋が寒くなる光景が続きます。 骨と皮になった人々、折り重なるようにして山盛りになった死体、炎で焼かれ黒焦げになった人間・・・まるで人間が家畜を屠殺するように人間の死体が重ねられているのです。 もっと怖いのは、それを黙々と埋葬する人々の映像。ブルドーザーで死体の山を埋めていく、皮と骨だけになった遺体を運ぶ人間の姿。彼等はあの光景を生で見て、何を思ったのでしょうか。 初見で眼を背けなかった人は、立派です。私はこのような映像を見る度に眼を背け、逃げ続けてきました。それは人の自由です。ですが、この映像を撮った人々は眼を背けずに何十分も何時間も骸となった人々を見続けたのでしょう。そう思うと、逃げてはいけないのだと考えるようになりました。 今ではこういう映像に慣れてしまったのか、見たその日の夜にうなされて寝付けないなんて事は少なくなりました。それだけ私が血も涙も無い人間になってしまったのでしょうか。時々自分が怖くなります。 彼らを殺した人間は、その手でまた飯を喰らっては人を殺していたのだろうか。考えるだけでも恐ろしく、本当に悲しい事です。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-09-14 11:58:26) |
24.《ネタバレ》 中学生の時に古書展で一冊の本に出会いました。題名は『夜と霧』~V・フランクル著。実存主義者であり心理学者でありユダヤ人だった彼は、チフスが蔓延し処刑が繰り返される強制収容所で、自身の感情を抑制し観察者に徹することで生き延びることができました。その体験を綴ったのが同著です。衝撃的な内容に私は途方もなく打ちのめされました。それからユダヤ人の歴史書やユダヤ人虐殺に関する本を読み、大学生の頃にポーランドのオシフェンチム(ドイツ名:アウシュヴィッツ)を訪れ、3日間かけて強制収容所を見学して回りました。そんな私にはこの映画は10点以外にありえません。ハッキリ言ってこの映画が描く32分の映像では、とてもアウシュヴィッツでのユダヤ人虐殺を全て把握できるとは思いません。例えば、行われた人体実験。実際には映画で描かれていたより更に凄惨な光景が広がっていました。SSのメンゲレ博士が固執した双子の研究、ゲルマン系に変化させるという名目で行われた瞳の色を変えるための眼球注射、フランケンシュタイン博士の様な常軌を逸した四肢転換手術など、枚挙にいとまがありません。ですからこの映画は強制収容所で起きた悲劇の骨子として観るのが良いと思います。但し、この映画は最後の最後に非常に重要なことを述べています。「どうすれば戦争を防げるのか。~(中略)~私たちはある国の、ある時期における特別な話と自分に言い聞かせ、まだ消えぬ悲鳴に耳を貸さない。」この一文がこの映画が伝えたかった全てでしょう。画面で行われた凄惨な行為を二度と繰り返さないようにするには、自身も胸に虐殺の種を秘めていることを自覚せねば意味がない。他国の一出来事ではなく、自国にも起こり得ることなのだと。テレビのドキュメンタリーの様な内容の映画ですが、この一文があるだけでもこの映画の価値はあると思います。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 10点(2014-01-01 18:53:26) (良:1票) |
23.公開された1955年から未だに似たような事がそこここで行われている。平時にはごく普通の人が上官の命令の下どんな事でもやってのける戦争のおぞましさ。証左となる本作は語り継がれるべき一品です。 |
《改行表示》22.アウシュヴィッツ強制収容所の様子を描いた記録映画。 後半の映像はショッキング。実際には本作の映像では伝え切れない、 残虐な行為が日々行なわれていたわけで、想像しただけでも身の毛がよだってしまう。 これは、ちょっと点数をつけられるような作品ではないです。 人間の歴史から決してぬぐい去れない史実として、やはり観ておかなければいけない作品。 評価は中間点ということで。 【MAHITO】さん [インターネット(字幕)] 5点(2012-09-14 09:46:17) |
21.単純に映画としてみると、高い評価はできない、というのが正直なところだ。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-03-28 20:38:50) |
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20.本物の凄みと言うか、スゴイスゴイと繰り返すしかないですな。ブルドーザーで押していくときの、カタマリのグニグニとした動き。柔軟な物体集合の完全に物理的な動き。桶に集められた首の山、毛髪の丘。きれいに畳まれた皮膚。「なんで」こういうことが起こったのか、という考察より(そういうのは映像より文字のほうが得意だろう)、「なにが」起こったのかを検証する姿勢。フィルムは、なにより「記録」で強い。出来れば、当時のナチの気持ちでこの映像を見る気分の体験にまで行ければ良かったんだけど、それは見てるこっち側の課題だろう。この際立った残虐という「特殊」が、そこだけで閉じてしまわずに、誰もがやれたかも知れない、という「普遍」にまで持って行かなければいけないんだろう。ニコニコ笑ってる看護婦。こういうことに関わらずに一生を終えたい、と思うが、現在だって似たようなことやってるかもしれない収容所と化した国や地域はあるわけで、無関心でいいのかという思いも、柄にもなくうずく。とにかく『広島・長崎の記録』とかこの映画などは、写されただけですでに人類の重い財産となっているフィルムで、本来採点という行為になじまない。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-12-28 12:23:50) |
19.決して忘れてはならない歴史の衝撃映像を纏めたドキュメンタリー映画。特に自分の中では髪の毛がインパクト大。が、映画としては今観るとちょっと弱い。本気でホロコーストに取り組んだ最初の映画ということに+1点。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-26 20:32:10) |
《改行表示》18.《ネタバレ》 ユダヤ人虐殺というナチスドイツの戦争犯罪を告発するドキュメンタリーです。ナレーションは状況説明にとどめ、製作当時の映像と戦争当時の写真と映像を交互に編集する手法は、あの戦争の悲劇を伝えるのに充分に衝撃的です。32分という短い上映時間は、残虐な映像を冷静に観られるギリギリの時間です。人類の負の記憶として、未来に伝えなければいけない映画のひとつです。 ※ぼかしが入り非常に観づらかった。こういう文芸作品に処理をするのはやめてほしい。 【爆裂ダンゴ虫】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-08 20:04:52) |
17.《ネタバレ》 目の前に映し出される「事実」にただただ絶句 なぜ戦争がはじまり なぜこのような悲劇が起きてしまうのでしょうか 人の歴史は殺しあいの歴史です 人は殺しあうDNAを持った悲しい生き物なのでしょう 戦争の無い平和な世の中を切に願います。 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-06 18:18:40) |
16.世界一有名な収容所にして史上最悪の場所としても有名なアウシュヴィッツ収容所。見たあとこんなにも考えさせられた映画は「セブンス・コンチネント」以来、ってかそれ以上。出てくる映像、写真、すべてが真実。過去の話とはいえ、悪はいつになろうが消えることはないし一番恐ろしいのは人間。「こんなことがあったんだよ。」じゃすまされない出来事だし、ブルドーザーで死体を埋めるシーンは身震いがしてしまった。30分という短い時間にまとめた監督は拍手を送ります。 |
15.人間は怖い。目を覆いたくなるような衝撃的な映像と、今私の周りにある平穏な世界とのあまりのギャップに、この作品をどれだけ見ても色のついたイメージにはならず、非現実的な世界での出来事としてしかとらえられない。取材も編集も荒い分、映像だけが真実味を帯びている。どんな事があったにせよ、この死体の山は真実であり、この国は集団心理によって本当に狂っていたんだと思いたい。映画やテレビで「ホラー」などに分類されている幽霊達よりも、それを作っている人間の方が本当に遥かに怖いじゃねえかと、そう感じさせられた映画。母親が借りてきたビデオで、小学生の時に初めて見ました。 【Fukky】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-10-19 11:25:44) |
《改行表示》14.アラン・レネの放った強烈なドキュメンタリー作品。 いよいよアラン・レネが大嫌いになってしまった記念碑的作品。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 2点(2007-10-15 12:01:04) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 次々と悲惨な映し出される、アウシュビッツ収容所の悲惨な状況。このような残虐行為が国家の指示の下で合法的に為されたことに驚きを感じましたし、人間がいかに不完全な生き物であるかを思い知らされました。 映画の中でも語られますが、このドキュメンタリーで描かれた状況は「ある国のある時期にたまたま起きた特別な事件」で片付けることはできないですね・・・・・。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-10 20:28:41) |
12.こういうこと言うと「ネオナチ」のレッテルを貼られそうだけど、そもそも戦時体制で安価な労働力を集める必要があったとか言いながら、「(収容者は)暇つぶしに殺される」とは、どういうことでしょう。意味が良く解りません。貴重な労働者を勝手に殺してはまずいのでは?また大量の死体の映像は確かに悲惨ですが、それだけでガス室による犠牲者と決めつけてしまうのは、いささか強引ではないでしょうかね。少なくとも医師による死体の解剖所見みたいなものは必要なんじゃないかと思うのですが…。全体的に、ドキュメンタリーとしては「取材」の荒さが目立つと言わざるを得ません。 【鳥居甲斐守】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-04-19 00:30:01) |
《改行表示》11.《ネタバレ》 ネットをやり始めたばかりの頃、不謹慎とは思いながらも、人の死体の画像を検索したことがある。結局、うまく探せなくてそのときはほとんど見られなかったが、今、この映画を観て、そのときの自分の行為の愚かさを思い知った。 感想が上手く書けそうにないけれど、アラン・レネが戦争の悲劇を記録し、世に伝え、残したいという願いは確実に自分の心の中に入ってきた。 この映画の中のいくつもの無数の死体はみんな痩せ細っていて、目を見開いたままの死体や、頭だけが切られて山積みになっているのもあり、とても正視できるようなものではなかった。しかし、それとは対照に、最後の方で建物からぞろぞろと出てきた女達がみんな肥えていて、いかにも健康そうな体つきをしていたのが印象的だった。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-12-14 20:50:00) |