9.《ネタバレ》 凝ったシーン(鏡越し、カーテンの影、アングル)が多く、前半はかなり引き込まれたのだが、後半。召使二人の関係がバレてから、こんな物語でいいのかと不思議になるような展開。頭下げて元に戻ったバレットが、次のシーンではすでに居丈高。無報酬で採用されたの??? 主人が没落したり、主従が入れ替わってしかるべきとは思うのですが、いかんせん、流れが不自然、というか雑。映像の作り込みの丁寧さに対してあまりのヘンさに、いま、翻訳がおかしかったのではと疑っています。ワタシが見たのは、販売元がアイ・ヴイ・シーのものですが、みなさん、どう思われますか? 【なたね】さん [DVD(字幕)] 4点(2024-09-27 17:15:21) |
《改行表示》8.《ネタバレ》 ダーク・ボガードの名演を堪能する作品と割り切ってみたら評価もよくなったかもしれない。ポンチョのくだりだけが気に入った。そこがパラレルワールドの入り口のような感じ。画面構成といい徐々に異世界の雰囲気は醸し出しているんだけど、面白いわけではない。総じて退屈。アフリカ時代の軍隊における恨みを晴らす設定とか、何か大きな舞台装置が動くのかと待っていたがそんなものは何もなく。ただ性悪な召使に騙されて淡々とダークサイドに落ちるだけ。単純すぎる。時代設定を読ませないところは秀逸。狙ったのかたまたまなのかわからないが。 今週の気づいた事: 半地下の家族と似てる 【ほとはら】さん [インターネット(字幕)] 5点(2023-07-10 21:35:37) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 召使いとは本来なら主人の為に尽くすはずだが、主人を誘惑しておき、それでいてどんどんと罠に嵌めて最後は立場を逆転させてしまう怖さをモノクロの映像で見せる映画として見応え十分です。色気を撒き散らしながら男を誘惑する女の怖さ、それに騙される男の愚かさ、バスルームでのやり取り、紳士は裸の女を好まない。嘘こけ!て言いたくなります。まともな男なら裸の女が好きなはずだ。少なくとも私は裸の女が嫌いではないし、むしろ大好きです。そんなこの映画、鏡の使い方、椅子での脚だけ見せる愛撫とか男心を刺激するシーン等、色んな意味でこの映画は刺激的だ。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-04-30 10:01:02) |
6.《ネタバレ》 主と奴。奴であった者にカメラが貼り付いていたのに、主と奴の逆転とともにカメラの同情も逆転して、主であった者に向かったりする。英国階級社会を諷刺したとかもあるのだろうが、揺れる観客の視点こそが映画的モンダイ。 【ひと3】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2015-10-26 20:12:02) |
5.《ネタバレ》 今の日本でも起こりそうな話。でもまぁ仕事に感情持ち込むのはやめましょうよ。確かに若いのに大きな仕事をまぁ仮にしていて、大きな家に住み、いいとこの女性と一緒になる、なんて人と同じ家に召使として住んだら、誰だってこんな奴、地獄にたたっきこみたい気持ちも湧くよね。何よりこの若造の親が出てこないのが、致命的な話の欠陥。まぁ作り話だよね。「太陽がいっぱい」の後に創られてるから、当時でもさほど新しいテーマでもなかったと思う。この映画の見所はやはり、ジョセフロージーの映画的冴えじゃないか。椅子での愛撫、鏡や影に映る情事の危険さを暗示する演出、白黒でも飽きない構図。この頃には、もう「2001年宇宙の旅」が創られてるから、色んな事考えず、白黒映画の熟成ぶりを味わおうよ、と俺なんか思っちゃうな。いつの時代も、若造よ!分相応たれ! 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-05-06 01:17:47) |
4.《ネタバレ》 ジェームズ・フォックスが劇中「魚の様な男」とダーク・ボガートのことを評するけど、これぞどんぴしゃりの表現。無表情というわけではないけどあまり顔の筋肉が動く感じが見えない、まさにお魚の様な顔なんですよ。家の中にある鏡はなぜか円形や楕円型をしていて、そこに映る画がまるで魚眼に映っているかの様なのも、意味深です。こんな演技ができるのは、ダーク・ボガートのほかにはいないでしょう。 屋内でほとんど話が進行するのでこのフラット(屋敷)が影の主人公みたいなもんですが、壁に映る影の映像が多用されてドイツ表現主義の教科書みたい。そして屋外はありふれた風景なのに、名カメラマンであるダグラス・スローカムの静謐なモノクロ映像が素晴らしく、屋内とは対照的である。 最後の悪夢のようなパーティはいまいち意味不明っぽいのではありますが、ハロルド・ピンターの脚本はかなりの完成度だと思います。 今ではカルト映画みたいな位置づけになってますが、本作はジョセフ・ロージーの最高作なのかもしれない。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-06-23 10:28:46) |
3.この前見た「妖婆の家」のようにイギリスでは召使を置く家は普通のようですがこんなイケメンな召使、出来すぎ(笑)こんな若造が召使なんて雇うな!!って言っちゃいそうですがこれがまた、モノクロ映像が怖さを倍増させて半分ホラーっぽく感じちゃうんですよね。おまけに暴力で人間を支配するのではなく言葉と行動だけで支配し、SとMの関係を見事に表現できてるもんだから余計にエグい。最初と最後が全くひっくり返り、なんとも言えない気持ちにさせてくれるのは「銃殺」と一緒。ジョセフ・ロージーの演出と脚本が見事としか言いようがない。 |
2.《ネタバレ》 主人-召使の関係が、あるきっかけで逆転してしまうという、ありがちなストーリーではあるが、この映画の最後では主人-召使という関係すら消え失せてしまう。ジョセフ・ロージーの映画は、まず画面を覆う暴力的な雰囲気に圧倒される。とても同じ空気を吸っているとは思えない、突き刺さるように陰鬱な場所にしかし登場人物たちは抗う事を忘れて誘われていく。「召使」におけるその陰鬱な場所はあの屋敷であり、縦横無尽な撮影の為に作られたかのような室内の、グロテスクとしか言いようのない空間、そしてそれを分断する幾つものドアが、とにかくドアが怖い。こんな恐ろしい屋敷にダーク・ボガードみたいな奴を雇っちゃマズい。その上彼の相方であるサラ・マイルズの畸形的な性的魅力が加わる。唯一地味な存在であるウェンディ・クレイグがどんだけジェームズ・フォックスを引きとめようとも無理というものだ。しまいには彼女も負の連鎖に巻き込まれる(しかも自分から)。確かに、余りに救いのない展開には思わず辟易してしまうのだけど、人物が次第に主体性を失っていくプロセス、というより場所が彼らを次第に侵食していくプロセスは何度でも見たいと思わせる。 【Qfwfq】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2007-01-09 21:00:08) |
《改行表示》1.《ネタバレ》 主人と召使の主従関係の逆転を通して、イギリスの階級社会を痛烈に皮肉った問題作。イギリス人の厭らしさがこれでもかという位、全編にわたって横溢している。モノクロの深みのある映像が非常に効果的。ダーク・ボガードのヌメヌメとした存在感は抜群。でも・・・、後味が悪過ぎるので再見はしないだろうな、多分。 |