2.パトリス・シェロー作品は「インティマシー/親密」しか知りませんが、感情移入を許さない作りは「インティマシー」と同じ。また、起承転結の「承転」だけで構成されてるのも同様に感じました。この兄弟にどういう経緯があって、なぜ疎遠になり、そして弟は兄の死に対してどう決着をつけたのか、といった「物語」的に重要だと思われる部分はほとんど無視(多少ほのめかされてはいますけど…)。映画はひたすら、衰弱していく兄の肉体と治療の様子を冷徹に、そして淡々と映していくだけ。時間軸を前後させた構成も功を奏してるとは思えない。ドキュメンタリー・タッチのリアルな迫力はあり、病気の非情さも良く伝わってきましたけど、90分という短い映画にも関わらず、私は結構退屈してしまいました。そういうことで、5点献上。