1.《ネタバレ》 映画の冒頭で見覚えのあるお店や景色がいくつも出てきた。
なんかとっても懐かしい、私が大好きな場所の様な気がした。
その何カットか後に、「都電荒川線」が登場!
やはりそうだったか。
この作品の主な舞台は、私の大好きな「都電荒川線」沿線の街なのだ。
同じく「都電荒川線」が効果的に出てくるホウ・シャオシェンの『珈琲時光』を私は思い出した。
あれも浅野忠信が出演していた。
内容を観る前に、この時点でこの作品を気に入ってしまった。
しかしラストシーンには不満。
どうも優等生過ぎる終り方なのだ。
「映像特典」で監督インタビューがあってそれを見て合点がいったのだが、この日向寺太郎という監督さん、やっぱり優等生な雰囲気の方だった。
脚本は違う方が書いたにしても、こんな感じの人が撮る映画なら、こういう終り方になってしまうのは納得ができた。
しかし、作品の主題が主題だけに、もう少し過激というか、問題を投げかける様なインパクトの強い終り方の方が良かったのではないだろうか。
映画全体としてはかなり良かっただけに、この終り方にはかなり勿体なく感じた。
せっかくの監督デビュー作なんだから、もっと過激な終わらせ方でも良かったのではないだろうか。