1.《ネタバレ》 妻投稿■「やっぱりヨーロッパ人がとった映画だな」と思える小奇麗な感じの「ホテル・ルワンダ」の映像と違い、純粋なアフリカ原産映画なので(フランスと合作してますがファトゥマタ・クリバリはマリ人、監督はセネガル人、村人の大半はブルキナファソ人)、「クレヨンしんちゃん、アッパレ戦国大合戦」に通じる「原野」「荒野」の泥臭さと美しさを映像から感じます(現地の風習、家の中での仕草一つ一つも、アッパレ戦国大合戦みたいに丁寧で、新鮮さを感じます)。内容はホテル・ルワンダと同じように「強大な暴力から人を守り抜く」という緊迫感を描いた映画。「50万人もぶっ殺される」というあんまりピンとこない非日常的危機を描いたホテル・ルワンダに比べ、こっちは「場の空気」「一般常識」「人間関係」そして「男の人による理不尽な暴力」が描かれ、それは日本人である私にとっても日常想定内の事なので余計緊迫感は上がります。たぶんホテル・ルワンダやブラックホークダウンを見ても多くの日本人は「何であんな狂気が現実になるんだ」というだろうけど、この映画は「狂気」ではなく日本人が大事だと思っているものがとんでもない悲劇を生み出しているので、そういう意味では日本人にも容赦はありませんが、だからこそ「当たり前」に立ち向かうお母さんの姿は野原ひろしみたいに格好いいし、ラストモスクの上にアンテナが立っている描写は彼女らの勝利の象徴としてとても効果的な余韻を持たせてくれます。■私のお母さんは「知的障害者のはちーご=妻に断種手術を奨めなさい」という周りの圧力を拒否して私を守ってくれました。日本で強制断種を認める優生法が廃止されたのは1994年。女性が男の人から殴られたりせず、好きな人と子供を産んだり、性器を勝手にいじくられたりしない事は当たり前のようで当り前ではない、素晴らしいことです。「クレヨンしんちゃん 電撃ブタのヒヅメ大作戦」で男の生き様に入れなかった私ですが、この映画は女性が女性として生きる美しさを、ブタのヒヅメと結構似たような「額面通りさ」で見せてくれます。 それにしても何で私今日は何でもクレヨンしんちゃん基準なんだろ(?_?) あと人が殺される展開はいらない。