1.現代に生きる吸血鬼のお話。吸血鬼はみな女性、イケてるお姉さんたち、というか、ややオバサンたち。彼女たちが夜の街をオシャレにかつ豪勢に闊歩し、男なんぞクソくらえ、女子会よろしく楽しく遊び暮らしている。なーんていうと、どうしてもあの、ゲゲゲの鬼太郎の主題歌の「楽しいナ、楽しいナ、~」ってのを思い出しちゃいます。オバケの楽しい日常、です。もちろん、彼女たちのファッションセンスは、鬼太郎の“ゲタにチャンチャンコ”とは全く異なりますが、オバケの日常が楽しいのは洋の東西を問わず共通なのでしょうか。さて、そんな彼女たちに新たに仲間入りした女性が、本作の主人公。コレまたずいぶんブサイクなヒロインだわい、と思っていたら、吸血鬼になるとみるみるチャーミングな女性に変貌するのが驚き。いやまあ、ヘチャムクレが普通レベルに変貌する程度ではありますが、それにしても同じ女優さんがこの変化。女性って、コワイですね。で、女性だけの吸血鬼仲間に、新たに加わった彼女ですが、その彼女が人間の男性、それも刑事に恋をしたことから、吸血鬼コミュニティのバランスが狂い始めることに。と言う訳で、スタイリッシュな前半から、後半はアクションも多くなりますが、あくまで映画の基調には、人間関係というか吸血鬼関係というか、シガラミに引きずられる哀しみがあって、意外にしんみりとした作品なのでした。