1.《ネタバレ》 「ハロウィンナイトメア2」(2015)に続くシリーズのようなものらしい。前作もちょっとどうかという感じだったがこの映画に関しては、予算面のほかにも例えば(素人がいうのも何だが)よほど時間がなかったとか、あるいは3時間くらいに作ってしまって無理に短縮したとかいうような、何かの事情があったのではという気がした(真面目に作ったという前提でいえば)。特に“フランケンシュタインの怪物”の件が唐突で、何がいいたいのかは薄々わかるとしても、それが今回の事件全体とどう関わっているのかがわからない。
ちなみに大事なところでオーケストラ付きの歌曲(リヒャルト・ワーグナーとのこと)が流れるのは別に好きではないが嫌いでもない。が、エンディングで出ていた邦訳で、自称が基本的に「僕」だったのに一か所だけ「私」だったのは、仮に何か意図があったとしても変である。この歌詞とストーリーとの関係もあまり明瞭でない気がした(要はあの場で死んだということか?)。
また最も不満に思ったのは、主演女優の魅力がほとんど出ていないことである。役柄との関係なのか演出なのかその他の理由かわからないが、他の映画で見た時の(2回だけだが)強力なオーラのようなものが感じられず、単なる普通の女子のように見えている。かえって死者役の芋生悠という人が、特殊メイクなしだといい感じに見えた。また他の映画では名もない端役に甘んじていることもある佐々木萌詠さんが、今回は目立つ役だったのは個人的に嬉しい(また悪役だ)。もう一人、加納美香役の藤井衣瑠花という人が頑張って演技していたのは目についた(少し笑ってしまうところもあったが)。
ちなみに監督の今野恭成という人物は、この少し前の「リスナー」(2015)というオムニバス映画でも名前を見たことがある。今回は監督・脚本・撮影・編集を一人でしていたようでご苦労様だった。