184.《ネタバレ》 本作は、公開当時はプロモーションがメディアを席巻していて、CHARAが歌う「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」は、切なく印象に残っています。2時間半を超える大作。東京に移民が押し寄せてきて、移民達が住む貧民街ができてと、なかなか、先見の明のある世界観。移民達は、中国語と英語と日本語のチャンポン語を話すという設定も、なるほどと思えるこだわりで、それぞれの役者が自分流のミックス加減で話しているのも面白いです。主人公少女伊藤歩とCHARAが好対照で良いし、男優人も、三上博史、江口洋介、渡部篤郎と、当時、旬の役者を惜しみなく使っていて、それぞれの役を堂々と演じていて好印象です。中盤までは、がっつり世界観を構築していて、なかなか頑張っているなという印象。その分、終盤の展開は雑な印象。移民社会と旧来社会との軋轢みたいな方向には行かないで、移民同士の抗争になってしまって、本人達は敵を倒してスカッとしたのかも知れませんが、見てる方としては、宙ぶらりんのまま終わってしまった感じです。マイ・ウェイ押しで、~あいのうた~がエンディングだけというのもちょっと拍子抜けでした。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-03-01 18:42:23) |
《改行表示》183.なんで、偽札作るのにホンモノのお札使ってるんだよう。 ってコレ、考えようによっては、バブル経済そのもの。お金がどんどん、大金に化けていく。 映画が製作された96年は、バブル崩壊の後。だけど、作品の中ではまだ「円」が憧れの的になっているという設定で、これだけでも充分、日本人には痛烈なものを感じさせる(感じさせた)わけですが、さらにまた、こうやって、子供たちが偽札という新たなバブルで一儲けを企んでいるという皮肉。 ただしそれは、実世界のバブルへの復讐のように思えたりもするけれど、とにかく。 こういう「思わせぶり」な映画は、正直、苦手な方なんですけれど、しかしここまで不思議な、しかしどこか懐かしさのようなものを感じさせる世界を作り上げられてしまうと、やはりこれはスゴいな、と思わされます。現代の日本の都会と、架空の世界との同居。しかし架空の世界と言っても、それはかつての日本、当時のアジア、なんとなく懐かしさのある世界。21世紀の今、それはどこにあるんでしょうか。 作中で描かれる少年少女の世界が、また懐かしさの一端を担っているようです。伊藤歩は美人になりました。この当時は見事にイモっぽいですねえ。だからこそ貴重で、だからこそ魅力的。これは、彼女の映画だと思う。 偽札というバブルに頼らない、その次の世界へ。というラスト。しかし実際の世界では、各国がお札刷り競争をやってるのだけど、、、 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-03-06 21:39:17) |
182.《ネタバレ》 当時、フジテレビがすごく押していた印象がある。SF設定も陳腐だし、テンポも悪い。長いし退屈。凡作。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 4点(2019-01-19 20:54:39) |
181.今更観たけど、ちょっと衝撃的だった。邦画でなかなかこういう世界観の映画はお目にかかれないし、ただ世界観が独特なだけでもないのが素晴らしい。少しストーリーが迷走するけど、それを補うキャラの魅力がある。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 7点(2018-10-27 20:29:27) |
《改行表示》180.《ネタバレ》 前衛的かつ実験的な映画やけど、そういった映画にありがちな独りよがりさや意味不明さはなくしっかり人間が描けている。 公開時期や金の扱いからバブルがはじけたことに関してモノ申したかったのかもしれないけどそれはよくわからない。 日本映画は歌の使い方がイマイチな場合が多いけどこの映画は非常に良い。 しらじらしさがなく自然にその場に登場人物にあった歌が流れる。 もっとこういう良質でセンスのいい歌モノの邦画が観たい。 【CBパークビュー】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-09-08 01:18:51) |
《改行表示》179.《ネタバレ》 製作年度は1996年。現実にはバブルが弾けて「失われた20年」と云われる経済低迷期の初期あたりです。バブル期には似たような出稼ぎ移民がいたように思う。バブルが超円高のまま継続していたらどんな世界になっていたのか。今だから覚える感想かもしれないけど、バブル景気へのレクイエムでした。日本はかつて夢の国だったのです。 ゴミゴミした世界観でも、この監督が撮ると不思議とファンタジーが匂います。ティーン伊藤歩のオッパイ、綺麗でした。エッチと云うより透明感を覚えました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-06-10 01:14:21) |
178.《ネタバレ》 この独特な世界観は嫌いじゃない。日本語と中国語と英語が入り混じった独特な言語も嫌いじゃない。観るべきシーンもたくさんあるのですが、点であって線でないのが残念なところでしょうか。世界観を受け付けない人には最後まで観続けるのは苦痛かもしれませんね。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-11-24 21:43:15) |
《改行表示》177.《ネタバレ》 当時、映画館に足を運んで観たのを再視聴。 初見の時、自分が子供だったせいか気付かなかったけれど、いま観ると伊藤歩ちゃんが独特の雰囲気を持っていて魅力的ですね。主演に抜擢されるのも分かるなーと。 三上博、Charaの存在感で、ゆる~いストーリーが保ってますね。 桃井かおりのこの役は、そのままヘルタースケルターに発展!? 山口智子はもっと活躍しても良かったのに勿体ない印象。 太陽光で徐々に色彩がかすれていくような、退廃的でざらっとした印象の90年代を思い起こす作品でした。 【nina09】さん [インターネット(字幕)] 6点(2016-05-24 18:30:22) |
176.《ネタバレ》 ストーリーがとっ散らかっていて、しかも尺が長い作品なのに、なぜか最後まで目が離せない。独特な世界観にみごとに引き込まれました。クライマックスの渡部篤郎のかっこよさにシビれました!! 【たけたん】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-01-17 13:45:57) |
175.《ネタバレ》 まだ顔も出来上がっていない少女がタトゥーとは百年早いわ プリントにしとけや ケツも青いくせしてこのマセくれ者が。シャレこけたいんだったら彫るんじゃなくて 貼れ。ピタッと貼れ。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-03-15 23:56:51) |
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《改行表示》174.最初は微妙だったが、アゲハが歌手として歌い出す第二章から期待が湧いた。 でも途中からまたごちゃごちゃとしてきて、最後にちょっとスーッとする、そんな作品だった。結局、演奏シーンが最も見どころだった。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-03-15 19:32:31) |
173.当時宣伝も大々的にやっていったのでもっとべら棒に予算をつぎ込んで作られているのかと思いきゃ、そんなに派手なシーンもなくかなり予算を抑えられて作られている感じで意外でした。役者も揃ってるし雰囲気も非常にいいのですが、もっと多く絡んできてもよさそうな江口、渡部、山口智子が思ったほど話しに介入してこないのが非常に残念。 架空の日本の設定ですが、あんまりその設定も生かせてないかなと思います。チャラの演技が非常に良く、彼女が居ないと全く成立しなかった映画ですね。 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-03-09 16:06:39) |
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《改行表示》171.音楽はすばらしい。挿入歌もBGMもいい感じです。それに英語・中国語・日本語のチャンポンも、いい雰囲気を作っていました。 しかしストーリーは、部屋いっぱいにオモチャを散らかした印象。妙に多い出演者の1人当たり出演時間は短めなので、あまり感情移入もできず。特に友情出演的な有名女優さんたちは、いずれも“取って付けた感”があって浮きまくっていました。こんなことをされると、映像が一気に安っぽく見えるだけなんですけど。 そしてもう1つ。90年代のごく普通の東京の街と、「円都」と称するエキゾチックな貧民街と、「あおぞら」のある荒野が比較的至近距離に立地しているとは、当方な貧困な頭ではとてもイメージできませんでした。三上博史の熱演は良かったけどね。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 6点(2014-09-09 23:40:06) |
《改行表示》170.岩井俊二監督作品の鑑賞歴はどうやらこれが初だったらしく、先日鑑賞した「新しい靴を買わなくちゃ」 (2012) はプロデューサー扱いであった。ということでよいスタートは切れたらしい。 冒頭部で画面を止めて字幕の設定をいじり直すという失態を犯す。同じナレーションを二度、一度目は英語字幕で、二度目は日本語字幕付きでという細工が挟まれていたのだが、当の自分が本作が公開された頃の自分とは言語聴解力の面で別の人間になってしまったので逆に混乱した次第。ただこのバックグラウンドは「移民」とはいったいどういった意味の言葉なのかという部分を理解するにおいて大きな影響を与えていた。今観るからこその深み、重み。一方で「日本/円」の力が時の流れとともに「中国/元」と入れ替わっているという現実を背景に鑑賞しているのもまた皮肉である。この辺りは先日鑑賞した「LOOPER」にも通じる近未来の世界観だ。 三上博史が自分の記憶以上にいい役者で、渡辺篤郎にいたってはモノマネ先行でようやく本人に出会えた次第。Charaについては数年前にこの街にきていたときの映像を拝ませてもらっていたが、そのカリスマ感が存分に保存されているのが本作だということがよく分かった。 当然その後の伊藤歩の活躍ぶりも気になった次第。 【kei】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-04-21 11:17:44) |
169.《ネタバレ》 "円都"という、岩井俊二監督が創り出した幻想世界。そのアジア各国を混ぜ合わせたような独創的な世界を楽しめました。当時勢いのあったこの監督が、お金と時間をかけて本当に撮りたい映画を撮った、そんな印象です。キャスティングで最も興味深いのはCharaです。このキャスティングは鑑賞前には違和感を感じたものですが、観てみればライブで歌う場面が多いことで納得しました。加えて、Charaの蓮っ葉な雰囲気と、あの少し気だるい感じの声が、本作の世界観にとてもよく合っていて、他のキャストはともかくグリコだけは彼女以外に考えられないと思います。札束に目がくらんだ多くの人が身を滅ぼす話でしたが、これに関しては残念ながら今我々が住んでいるこの世界もあまり変わらない。この幻想世界の中で私が確信したのは、人間や国や時代が変わろうとも、結局世界はお金で回ってるということです。人間が存在するかぎり、この事実だけはきっと永遠に変わらないでしょう。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-04-16 22:59:43) |
168.きっちり世界観が作られているのはすごいなーと思いましたが、ぶっとび過ぎてて笑っちゃいます。「何が繰り広げられているんだろう…」と。 【なこちん】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-02-16 02:25:56) |
167.《ネタバレ》 冒頭、警察の死体安置所で葬式を挙げる不思議な人たちの中で、ベッドに寝かされている人物のシーツを剥ぎ取ると雪のように白く美しい全裸死体が現れる 真っ白な体に黒々としたアンダーヘア このファーストシーンは衝撃的 この時点でこの映画がただ者じゃないと思わせる 英語や中国語、日本語が入り交じったイェン・タウンの世界観は見事 役者たちのセリフも秀逸 脚本が抜群である 登場人物が多いが誰ひとりおざなりになっていないのは脚本が良いせいだろう 原作も読んだが原作は偽札のシークエンスが政治家のスキャンダルになっている 政治家のスキャンダルで殺し屋が殺しまくるとかリアルさにかけるので映画版の偽札の話にして正解だったと思う 映画のための原作ということなので作家本人が練りに練った脚本は原作をも超えると言う希有な映画になっている フェイホンも最後は取調中に刑事に殴り殺されるというオチも意外性と切なさで原作以上に移民の哀しさを表現した ちなみに原作はハッピーエンドだったがそれはそれで良いと思った それにしても岩井俊二は女を綺麗に撮るのがうまいな 逆光の柔らかい表現が抜群だ 古い映画なのに今時の手持ちカメラとかを多用して古さを感じさせないのはすごい イェン・タウンの猥雑な感じがどれもセットぽくてそこはいまひとつだが、近年のCGとか普通に使える時代じゃないのでしかたがないかな 渡部篤郎と山口智子の殺し屋コンビの存在はこの映画一番の違和感で好き嫌いがあるだろうが、私はすごくに好き 彼らのスピンオフの物語が見たいくらい 渡部篤郎のランという役は『FRIED DRAGON FISH』のナツロウと同一人物らしい 『FRIED DRAGON FISH』は非常に好きな映画なので彼に再会できて嬉しかった エンディングはアゲハとの会話の後で、リョウ・リャンキはランに狙撃されたのだろうなと思うと悲哀で胸が痛い、非常に優れたエンディングだと思う ちなみにリョウ・リャンキがレストランでヤクザ達を指鉄砲で次々に射殺するシーンはアイデアを含め始めて見た、名シーンだと思う 汚い町並みに美しい音楽を会わせるのも巧くて 中盤グリコが歌うマイウェイも心が震えた 大傑作である 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2013-12-16 15:57:50) |
166.長いこと見たいと思っていたけれど、初めて見ましたスワロウテイル。うーん、正直、凄い作品だとは思うけど、好きにはなれないな。でも、伊藤歩が凄く良い。ホントに良い。見た甲斐がありました。 【フラミンゴ】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-08-15 18:33:55) |
《改行表示》165.混沌とした無国籍状態の世界観が、当時の邦画では新鮮でおもしろかった。 警察の遺体置き場で勝手に葬儀を始める移民たち。 社会の底辺でドブネズミのようにうごめきながら生きている姿が逞しい。 闇社会の抗争で、江口と渡部のアウトローぶりがクールだった。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-07 00:52:01) |