12.《ネタバレ》 「時をかける少女」の類似品として見たが、原作を先に読んでしまったため差分ばかりが気になった。 まず感じるのは原作の清々しさが著しく損なわれているということである。少年少女向けライトノベルをそのままで映画化できないのはわかるとしても、よくもこれだけ不快な要素を加えたものだと感心する。犯人の邪悪さを強調するためだけに人が2人も死んでいるではないか。また冒頭のヒロインをはじめ、登場人物に奇矯な行動が目立つのも気になる。小説ではみな良識的な人々(犯人を除く)だったのだが、映画というのはまともな人でも変にして見せないと済まないものなのか。それから本編の最後に「カット」が入るのは反則だろう。時かけ1983版でも、原田知世PVが始まるのは本編が完全に終止してからである。 そのほか、これは映画のせいではないが、ここでいうタイム・リープとは人体を含めた物的な要素はそのままで、意識だけが時間を移動するということらしい。しかし、意識というものが身体とは別に物理的な実体を持ったものだということを科学的に説明できない限り、SFではなくオカルトになってしまう気がするわけだが、それでいいのかというのが率直な疑問である。 そういうわけで、ほめることを探そうとしてもなかなか見つからないが、原作と比較せずにただの映画として見れば、まあ普通の娯楽映画だと思う。 なお全くどうでもいいことだが、劇中で登場人物が「誰かが犠牲になってまで、成し遂げられるべきことなど、ないと思います」と言っていたのはその場の雰囲気で口にしただけだろうが、もしこれを本気で言っていたのなら、おまえは宇宙戦艦ヤマトを見たことはあるか、と聞きたくなる。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 4点(2012-03-04 22:18:13) |
11.《ネタバレ》 大林宣彦監督が監修となって「時をかける少女」の後にまたしてもタイムリープものを撮られていたというあまり知られていないであろう、この映画も大林映画らしい少女趣味、そして、SF、スリルと狂気があちらこちらで見られる。映画的スリルと狂気、これこそが大林映画の特徴である。この凄まじいほどのスリル、波状しまくりな雰囲気の中に見える人間的な狂気、例えば日常の中に存在する危険性、殺人たったり、レイプ未遂であったり、過去と未来を行ったり来たりで変えてはならない現実を変えてしまうとどうなるか?というものを映像によってきちんと見せてくれている。月曜日の記憶だけが無いという少女、記憶というものの持つべき存在の大きさ、記憶が失われてしまうということは怖いことである。この何ともスリルなストーリー展開、映画的完成度という意味での素晴らしさというよりは人を信じることと疑ってかかることの両方を一本の映画の中で見せてしまうという点でこの映画は考えさせられる。正直言ってこの映画、レンタル屋さんで見つけてビデオのパッケージを見た限りではつまらそうだ。どうせまた「時をかける少女」のリメイクものだろ?てなぐらいにしか思ってなかったけど、大林監督が監修しているというのを読んでもしかしたら?面白いかも?という思いで借りてきたけれど、それと、原作を一切読んでない為に余計なことを考えずに楽しむことも出来た。やはり映画を観る場合は先に原作を読まずに観る方が楽しめるということを改めて思い知らされた。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-05-16 08:47:15) |
10.精神的な時間移動という設定が非常に面白くアイデア勝ち的な作品。幾つかおかしな点もあるけれど許容できる範囲内として楽しめた。欲を言えばもう少し上手な役者さんにやって欲しかった。特に先生役。 【北狐】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-04 21:02:01) |
9.《ネタバレ》 この映画の物語と感想を書いたノートを読み返してみると、なにやらヒジョーに複雑なストーリーのよーで、月曜日がどーの水曜日がどーのと、今となっては頭の中で再構築するのはムリ。でも、好印象の映画でした。タイムスリップものの面白さ、時間に整合性がないゆえに生まれてくる様々な謎とサスペンスを楽しめ、なおかつ役者もいい、と。ヒロイン佐藤藍子の意外なまでのスクリーン映えに嘆息(スクリーン、って言っても小さな劇場でリアプロジェクションだったりしましたけど)。ただ、タイムリープの記憶部分を8ミリやフィルムの傷、リールのガタつきなどで表現するのは疑問。それって映画の物理的事象だって見てる側は判ってる訳で。オープニングのフィルムをかけるシーンとラストの「はい、カット」も不要でしょ。監修の大林宣彦の「映画として閉じる」という文法に倣ってるんでしょうけれど、そう何度も通用するテではないと思います。あと、この監督の作品にはどーも暗いドロドロとしたフェティズムを感じてしまうのだけれども、ジュブナイルなんだから、もう少し健全化して欲しいですね。【2009年追記】最後の部分は今となってはちとアレですが。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2004-04-09 13:09:43) |
8.空間をパラレル化することなく、意識レベルでタイムワープを成立させることに着目した原作者の功績は大きい。作品としての完成度でやや問題を残すとしても、この作品は間違いなく面白い。今後、タイムリープ理論を応用、もしくは発展させた作品が出てくることを期待する。余談ではあるが、星野の視点で時間軸を構築したバージョンがあったら、かなり面白いのではないだろうか。もちろん、初見がそれでは訳がわからないだろうけど、ちょっと見てみたい気がする。 【もとや】さん 8点(2004-03-10 21:59:14) |
7.いやいや、なかなか、ハラハラ楽しませてもらいました。これどうなんの?どうなんの?えっそうなんだぁ…。って感じです。この作品ってあんまり知られていなんでしょうかね? 【西川家】さん 6点(2003-11-01 22:31:09) |
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6.何本も映画を観てると、だんだんビデオのパッケージを見ただけで面白い映画かどうかがわかってくる。そして、この映画に関しては「間違いなくつまらない!」と私は直感的に判断した。しかしここで予想外のことが起きた。驚くことに、この映画のビデオパッケージに【店員のおすすめ映画】という紙が貼ってあるではないか。これはまさしく私への挑戦である。男ならここで引くわけにはいかない。【時をかける少女】と【バック・トゥー・ザ・フューチャー】からパクリましたと言わんばかりのこの映画を借りることにしたのである。結果から言おう。私の完敗だ。確かに、星野君が刺されても助かってましたって所はパクッってるだろうという気はした。いや、気がしたというよりもパクリそのものである。しかし、パクリ元が傑作だから、パクッった本作も名作ぐらいにはなるのである。ほんとに良く出来た映画なのだ。集中して観てないと途中で混乱するが、佐藤藍子がすべてってな映画ではない。ウニとかカキを最初に食べた奴って勇気あるよなあ的な会話をした記憶があるが、まさにそれと一緒である。この映画を最初に観ようと思った店員は勇気あるよなあって。いやあ、店員に感謝、感謝。 【ブン】さん 8点(2003-11-01 05:51:00) (良:1票) |
5.原作を読んでから見ました。おかげで、いまいち分かりにくかったシーンが理解できて助かったんですが、やっぱり何故かすっきりしないんですよね~。バラバラになった時間を飛び越えつつ、パズルのように情報を整理していく過程は面白いんですが、どこか矛盾があるような気がしてしまいます(私の理解力の無さが悪いと思うんですが)。この設定だと、タイムパラドックスとかの心配は無いんでしょうか?また、バラバラになっているのは彼女の主観的な時間なんですから、それを外側から見ているとどうなっているのかなーとか、余計なことを考えてしまいます(笑)。でも、面白いことは確かです。 【FSS】さん 7点(2003-09-23 14:21:34) |
4.脚本家の見落としでしょうか・・?「まだやっていない時間」があるのに話が終わってしまってます。 【sindou】さん 1点(2003-08-12 06:18:03) |
★3.《ネタバレ》 バカにして見たら、とんでもなかった。すばらしい作品です。何度繰り返し見たか数え切れない。下手に造るといつからいつへタイムリープしているのか分からなくなってもおかしくないのに、きっちり分からせてくれる。パズルが一つ一つはまっていくように、疑問が解けていき、見ていて気持ちが良い。それと、意外(失礼!)にも、佐藤藍子が高校生役を好演している。特に日曜日の夜のレイプ未遂シーンとその後に続く、「ともや、お願い星野君を連れて行かないで。」というセリフのあたりは、翔香の星野君への思いがひしひしと伝わってくる。「時をかける少女」より絶対おすすめ。 【プロシク】さん 9点(2003-07-18 01:40:54) |
2.時間と記憶を扱った映画は面白くなるんだなぁと思った。「メメント」みたいな面白さはあった。 【たちばな】さん 8点(2003-06-14 18:18:32) |
1.時間の流れを掴めずに混乱するから少なくとも2回は見ないとダメですね。でも1回目から十分楽しめました。佐藤藍子最高!! 【トムC・A・T】さん 8点(2003-05-22 11:47:52) |