17.《ネタバレ》 幽霊が見える女性ヤンと、そのヤンを担当することになる精神科医のジム。
『ヤンが見える幽霊は本物。』⇒『ジムは次第にその事実に気付きはじめる。』
ただ単純に、そんなストーリーを予想しながら鑑賞していたのですが、物語は思わぬ展開を見せます。
ヤンが見ていた霊は、ヤンの精神的トラウマからくる幻。ですが精神科医のジムは本物の幽霊にとり憑かれているという脚本が、単純ながら意表をつきます。
前半から挿入される回想シーン。ヤンの過去を探るための、ヤンの過去かと思いきや、実はジムの回想シーンという意外性。なかなか上手いです。
また、実際は霊ではない『イタズラ』や『幻』。そこに終盤本物の霊を登場させることで、本物の霊の存在がよりリアルに際立ちます。
ホラー演出も、邦画ホラーのようなじめじめ感が出ていて大変良いです。
更には、様々な『音』が効果的に使われていて、更なる恐怖を煽ります。
終盤ではいつの間にかヤンとジムの立場が入れ替わっているのも面白いですね。
そして、ヤンにもジムの見ている霊の存在がわかったことで、私達観客にも霊の存在が本物ということが伝わります。
唯一、締めを安易なメロドラマ風にしてハッピーエンドで終わらせてしまったのがもったいないでしょうか。
後味は良いのですが、思い切ってバッドエンドにしても良かったかもしれません。