1.《ネタバレ》 老いと病気に正面から向き合った作品。
それをフランス映画的な特有の雰囲気で紡ぎだす。
ピエラの少女時代を演じた女の子がとにかく美しい。
少女と大人のちょうど中間の時期。
その時期特有の美しさが印象深い。
この少女の美しさだけでも見る価値がある。
だがこんな可憐な少女であっても、やがては老いる。
例えば、ピエラの母親の様に、頭にシラミが湧いて髪の毛を剃られるというような老いが待っている。
この病院の雰囲気が実に無機質で侘しい。
人間の老いというものは実に残酷。
どんなに美しい女性でも老いからは逃れられない。
人間の老いという奥深いテーマを、独特のゆったりとしたリズムで描いた作品。
しかし、あんな空しい殺伐とした病院に、老いて入院はしたくないものだ。