1.ディザスター・ムービー(災害映画)は、個人的にとても好きな映画のジャンルだったりする。
CGの発達によりこぞって大作映画が製作された90年代後半と、自分自身がコンスタントに映画を観始めた時期と重なることもが大いに影響していると思う。
ただ最近はもう作り果たしてしまった感もあり、ハリウッドも本腰で大作災害映画を製作しなくなって久しい。
いまやディザスター・ムービーは、低予算の未公開テレビ映画の「定番」となってしまった。
BSで放送された今作も、もちろん“テレビ映画”であり、低予算のCGはお世辞にも完成度が高いと言えず、ストーリー展開はもはや「ベタ」の一言に尽きる。
しかし、それはそのまま「面白くない」ということではない。
突然発生する地球的規模の大災害、その対応を一手に任される主人公の科学者、身を呈して地球(または主人公)を守る脇役、そして問答無用のハッピーエンド……。
これはもう捉え方の問題だが、災害映画のあらゆる予定調和を端から意識し、そのベタさを存分に楽しむべきだと思う。
それが、この手のB級テレビ映画の正しい見方だろう。