12.《ネタバレ》 ストーリーは典型的なバカップルの馬鹿話で、特にひねったところもなく最後はごく当たり前のように捕まって終わり。ちょっと変わったところがあるとすれば、小屋の主の性癖くらいなもんで、これもオゾン作品を観慣れている人なら「また、ここでも出てくるわけね。ご苦労様」と失笑混じりで一蹴するのみでしょう。オゾン作品のほとんどにこういうシーンが出てくるので、こいつはホモを世に認めさせようと企んでるんじゃねぇのかと勘繰ってしまいます。
全体的なストーリーは勿論、シーンや1ショット2ショットのレベルで考えても、興味を引かれる箇所はなかったですし、後半に入って過去と現在をクロスさせる手法も、特に斬新さも違和感も感じるところはなかったと思います。オゾンにとって初期の作品であることを考慮してみると、ややチャレンジ精神に欠けている感じで、少々物足りなさを感じました。
とまぁ、それには目を瞑るとして、最後に大きな落とし穴が・・・。
ラスト近く、やっとの思いで小屋を抜け出し、水辺で二人が結ばれたと思ったら・・・一体何を考えているのでしょうか?
最初は、野生動物が生息する自然の中で解放された喜びを表現しているのかと思いきや、イタチにウサギ、ハリネズミ、シカ、キツネ、鳥も二羽・・・と覚えているだけで6,7頭はいましたが、ここまで勢揃いでワンサカ出て来られたら猿とか熊が出てきても違和感を持てなくなりそうなほど。不自然極まりないとかのレベルではなく、それまでのシリアスな雰囲気が全て台無しで、もう明らかに何かのギャグでやっているとしか思えないおバカなシーンには愕然とさせられました。
それと、蛇足ではありますが、小屋から逃げ去る瞬間に男と目が合うカットで流れる音楽の使い方もダメ。
この2点はもうセンスの問題だから、ハッキリ言って救いようがないです。