1.どんどんどんどん地下深くに潜っていって、外の光がぐんぐん小さな点になってゆく、その閉塞感が非常に上手く表現されている映画でした。ドラマ部分に大自然の雄大な開放感溢れる映像(そして流れるパニック映画御用達シンガー、モーリン・マクガヴァンの主題歌)を配しているだけに、なおさら対比されて地下金鉱の息苦しさが浮き出てきます。もっとも、ダイナミックな見せ場はクライマックスくらいで、そこに至る陰謀物語には面白味がなかったりするので、映画に集中し続けるにはちょっとツラい感じでした。ロジャー・ムーアは意外にも70年代パニック映画に見られる英雄像(超人ではなく、傷付きながらもなんとか危機を乗り切る生身の人間らしさ)をきっちり体現してましたけどね。ボンド臭さ爆発!という訳ではなくって。