3.先住民から保護された女性と、その息子。その二人を保護するグレゴリー・ペック。彼らの行脚が描かれるのなら、ロードムービーみたいなものを想像するのですが、何だかちっとも旅をしない。この時点で何だかモヤモヤしてくる。
そしてその彼らを一人の先住民がつけ狙うのだけど、それが、神出鬼没というより、もう気配みたいなものすらもなくって。迫りくる気配がまるで感じられないと、サスペンスにもならなくって、でも時々思い出したように、「どう、これ、まさにサスペンスでしょ」みたいなシーンを急に入れてくる。
ヘンな映画です。
冒頭、もったいぶることなく、そっとグレゴリー・ペックを登場させ、しかしちゃっかりと彼はヒーローの座に収まっちゃう。だったらもう少し体を張って、危機を正面から受け止めて、盛り上げてほしいところ。ラストの組んずほぐれつの戦いなんぞ、敵は棒キレで殴り掛かってくるのだけど、殴られたグレゴリー・ペックはまったくコタえた様子もなく反撃に出る。何だか、雑だなあ、と。