4.《ネタバレ》 勝手な想像だけど、笛二は肺結核にかかって家族や若い使用人とは普通に接してくれてたけど、隔離されて蔵の中で
1人で過ごすことになった。恐らく病気になってからは遊び相手もいなかっただろうから笛二蔵の中でできることと
言えば古い道具や浮世絵を見たり、遠眼鏡で窓の外を見たりすること、それと妄想して日々を過ごすことぐらいしか
楽しみがないと思う。
小雪から「小桜姫みたいに綺麗」って褒められて化粧されるシーンや、最後に女の子の着物を
着て自死するシーンとかで思ったんだけど、笛二は実は心は女の子だったのかなって思うんだけど(こじつけすぎか
な)。それで蔵の中での妄想話をまとめて日記じゃなく「蔵の中」って小説にしたのは、三四郎の出版社に持ちこん
で万が一にでも他人の目に触れる可能性を考えて自分の存在を形にして残したかったのかもね。あくまで個人の解釈
だけど妄想の世界でしか楽しみがない笛二は、いもしない姉の小雪を作り出すことで会話や疑似恋愛をしたかったの
かもしれないって思うと、ちょっと切ない。