2.現在絶賛中のゼロ・グラビティ(私も先日観て度肝を抜かされたクチです…)といい、この作品といい、私の様な古いおっさん映画好きにとっては「ヤバイ…。これは、今までの映画が『過去の遺物』となる時代がやってきてしまったのかも…」という、底知れぬ焦りを誘う様な作品です。ゼログラの場合はまだ「お、落ち着け…。こ、こんなの、要するに無重力描写だけがズバ抜けているだけだ、ハ、ハハハ…」という負け惜しみが成り立つかも知れません。でも、この作品は…ああ、この作品ときたら! 色の使い方、照明の使い方、スローモーションの使い方、etc…。はっきり言います。これは私が今までに観たどの作品よりも凄い映像です。でもいいのか? だって、こんなの「映画」じゃないでしょう。アトラクション、もしくはシルク・ドゥ・ソレイユという団体の為のプロモーション映像でしょう。そんな、「たかがプロモーション」に、私が今までに観たどの作品も勝ててないんですよ…。変な言い方ですけど、なんだか今までの私の映画人生を全て否定された様な気が…。いや、ホント、恐怖を感じる程の見事な映像ですよこれは。もちろん、ストーリーは全然大したことありません(有難い事です…)。ある女の子が、不思議な世界へ迷い込み、一目惚れの男性を追っての旅に出る…。ただこれだけです。でもこの女の子がと~っても魅力的なんです。ルックスはそれほどでもないんですが、サーカスガールだけあって、スタイルと姿勢(これがミソ!)が抜群に良く、ただテクテク歩いてるだけでも凄く絵になる子(と言っても30近いんですがw)なんです。衣装も考えられていて、スカートの丈の長さが絶妙(ひざの少し下辺りになってる)で、これは特にスローモーションで走っているときに、彼女の健康的なふくらはぎの美しさが際立つ様になってます。圧巻はラストの空中ブランコのシーンです。ここでほとんどの人は「あ!ここまで出来る子だったのか!」とビックリするハズです。特に私のお気に入りは、地上での前宙返り! ここは何度観てもウットリします。もう十回は見直したでしょうか。前述した様に、この作品は厳密には映画ではないと思います。でも映画ファンが絶対に観ておくべき作品でもあると思うんです。私は「とにかく脱帽させられたんだから」という事で9点としますが、「こんなもん、0点じゃ!」という方の考えも分かるつもりです。