【TERU】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-12-03 20:48:54) ★《新規》★ |
19.《ネタバレ》 観る前はかなり風変わりな事件のような印象を受けたが、観てみれば意外とよくあるゴーストの話だった。 むしろビッグ・アイズという自分の知らないサブカル創作物が印刷物頒布による、現物ではないイラスト画を絵画の商売に持ち込んだエポックだったとは知らなかったので この映画の中では悪役になってしまった旦那の業績の巨大さを考えるべきなのかもしれない。 映画としては、やや物足りなかった。ティム・バートンと知って観ていたので、そも期待はしていなかったけれど、それでも比較的観れた方だった。 【うまシネマ】さん [ブルーレイ(吹替)] 4点(2019-12-08 22:36:05) |
18.一言で纏めると、母親は強し!って感じの映画だった。 個人的にはビッグ・フィッシュが面白かったので期待したんだけど、最後の法廷での一人コント?まで見どころはなかった。 【miso】さん [地上波(字幕)] 4点(2019-07-30 23:30:56) |
17.《ネタバレ》 絵の価値は誰が作っているのか?という視点については多くの方が触れている通り、一概にウォルターの努力を無視するわけにはいかないですね。絵が優れていれば優れているだけ、それに比例して需要や価値が高まるわけではありません。今日の音楽や、はたまた映画についても同じことが言えます。 一方で個人的にはこの作品が、かつての男女差別社会への風刺のようにずっと見えていました。序盤からナレーターが「当時の社会では女性は…」と丁寧に断りを入れ、カトリック教会では平気で夫に従うように諭される、そして最後のマーガレットが100%無罪放免のように扱われている点も、私の中では当時の男女差別を示す象徴的な結末のつけ方なのかな?と感じていました。 現代で同じようなゴーストライター(ペインター?)の事案が出れば、男女によらず影で作品を創作していた側も部分的ながら共謀者扱いを免れないはずですが、当時は女性が夫に脅され強いられていたとなれば、世論が全て支持するくらいそういうことが当たり前だった?ということへの暗示にもとれました。もちろん今でも女性に対して征服的なひどい男はたくさんいるし、当時もマーガレットを糾弾する声がゼロではなかったのかもしれませんが、ある意味、夫婦や男女がより対等かつ正当に主張をし合える世の中により近づいてほしいと感じさせられる作品でした。 【Thankyou】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-11-20 00:16:16) |
16.《ネタバレ》 実話ものながら、夫の素性を小出しにしてゆく脚本が物語をサスペンスフルにしてて巧いと思いました。一組の夫婦がいて、絵の才能は妻が上で夫の方はプロモーションに長けていた。中盤までのこの視点が一気にひっくり返る、キャンバス上書き署名発覚の場面。真相に気づくエイミー・アダムスの「まさか」の表情は真に迫っており、私も震撼しました。留学どころか画家ですらなかったとは、まじかーと声に出ましたね。 夫は正真正銘の詐欺師だったわけだけど、とにかく社会が夫唱婦随の時代だもんなあ。教会の神父すら「夫に従え」とアドバイスするんだもんなあ。ダンナを疑うなんて夢にも考えなかったんだろうなあ。色々考えさせられる事件であります。 そしてクリストフ・ヴァルツが安定の仕事ぶりを発揮してます。実態がばれてからは、顔つきが山師そのもの。序盤の感じの良い友人~やり手のプロモーター、そして詐欺師の顔。一人の個人を演じながら、雰囲気だけを変えてゆく。見ごたえのあるベテランの名演技でありました。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-05 17:20:54) |
15.《ネタバレ》 ティムバートンの「ビッグ・フィッシュ」に続くビッグシリーズ第二弾ってゆうのは、うそうそ、嘘です。すんまんせん。実際にあったお話の映画化です。日本でも、ちょっと前にありましたよね、サムラなんとかのゴーストライター事件。あれ、思い出しました。なんか作品の売り方とか、本当の原作者の性格とか、どっか似てるんですよねー。世界のどこにでもあるんですね、こーゆうことは。さて、映画のほうは、恐ろしいシーンもあるんですけど、カラフルな色使いと、妙に軽快な音楽で、全体的なトーンはカラッとしていて、気楽に観れる感じになっておりました。特に裁判シーンはコミカルな演出もあって思わずその解決方法に吹き出しました。いや、あれをやれば一番いいのになーってずっと思っていたら、裁判官がまさにその選択肢をいいタイミングで選んだので、ハッとしてグー。鑑賞後の気分もなんか晴れやかでよかったです。主役のマーガレットの自信なさげでありそなキャラもよかったです。特に、批評家にボロクソ言われて、夫が怒りで思わずつかみかかる後ろで、その絵を描いたマーガレットが黙ったまま立ってるシーンが印象的でした。それを描いたのは私、でもボロクソ言われてる、でもそれで怒ってるのは憎い嘘つきな夫、そしてその批評家も周りの誰もそれを知らない。この時のマーガレットの気持ちを想像すると、なんかゾクゾクしてきます。 【なにわ君】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-09-22 00:47:45) |
14.《ネタバレ》 「ビッグ・アイズ」。世間からそう呼ばれる、飛びっきり大きな眼を持つ子供たちの絵ばかり描き一世を風靡した画家、ウォルター・キーン。だが、本当はそれらの絵は全て彼の妻であるマーガレットが描いたものだった――。横柄で目立ちたがりな夫のために、十年以上にわたって家に閉じこもり隠れて絵を描き続けていたそんな妻の物語を実話を基に描いたティム・バートン監督最新作。確かに興味深い題材ではあるし、バートン監督の円熟味を増した演出も冴えて(その御伽噺のようにカラフルな色彩感覚は、『シザーハンズ』のあの街並を髣髴させて凄く良かったです!)いたし、なかなか面白かったと思います。ただ、彼のそのイノセントな感性は、やはりファンタジーでこそ映えるのであって、本作のようなリアリズム作品にはいまいち合っていないような印象を僕は持ってしまいました。なんだか全体的に薄いんですよね~。最初は愛し合っていた夫婦の擦れ違いも、次第に酒に溺れDVへと走る夫も、そんな夫から逃れ何もかもを捨ててハワイへと走る娘との逃避行も、何よりクライマックスで夫婦が直接対決する裁判のコミカルさも、実話を基にしている以上、そこにはもっと真に迫った切実さがないと駄目だと僕は思うのですが、本作には夫婦のそんな切実さがまったく足りない。お金やお酒のせいで揉めた夫婦の破綻劇なんてもっと深刻になるはずなのに、そこまで踏み込んで描けないところがティム・バートンという監督が持つ感性の――良くも悪くも――リアリズムとの相性の悪さなんでしょうね。うーん、題材が良いだけに惜しい。と、そこいらへんが残念ではありましたが、それでもエイミー・アダムス&クリストフ・ヴァルツの見ているだけで絵になる華やかなセレブ夫婦ぶりはなかなか楽しい。特に、口八丁でのし上がっていくテキトー男を飄々と演じたヴァルツの相変わらずの怪演はさすがでしたね。ティム・バートン監督、ちゅうわけで次はいつものように他の追随を許さない独創的なダーク・ファンタジーを撮ってくれることを期待して待ってますんで、よろしくです~☆ 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-04-23 12:48:28) |
13.《ネタバレ》 話の中心になってる絵そのものに全く価値を感じないし、最初から酷評している評論家や画商たちと同じ気持ちなので「だから?」という感じしかしなかった。「これは私が描いた」と言えないことの苦悩ってどれほどのものかよく伝わってこない映画の出来だし、そもそも夫無しにあのくだらない絵は最初から売れなかったのではと思えるし、売れたおかげでいい思いもしたんでしょうに。本当に才能あるなら、ビッグアイから離れて違う作品描いて認められればいいじゃないですか。自分は、絵ではないけれど、自分一人で作ったものが全国の店に並んだことが何度かあるし、人気も得たけれど、それを作ったのが自分だと誰も知らないことをとくに何とも思わない。むしろ、誰も知らないでいる方が気が楽。ただし、自分の作った物を他の人間が「俺が作ったんだ」といい気に自慢してるのを見てたら、それが売れてようが売れていまいが嫌で嫌でたまらないだろうなとは思う。もっと、本来自分が得られたであろう幸福を横取りされて酷い思いをしたことや、自分のアイデンティティーを酷く踏みにじられたことが心の底まで共感できるような出来だったら、感想は随分変わると思うが、DVも大したことない生ぬるい表現だったし、あまり内容のない映画だった。だいたい真面目に作ってないよね。コミカルな裁判にそう思う。 【だみお】さん [ビデオ(吹替)] 3点(2016-01-29 21:51:22) |
12.妻の絵はビッグアイズ。 その夫はビッグマウス。 そういうこと。 【フィンセント】さん [DVD(字幕)] 4点(2016-01-19 21:29:34) (笑:1票) |
11.《ネタバレ》 ティムバートンらしいファンタジーぽさに加えた鮮やかな色彩の画とブラックユーモアもあって、らしい作品だなあと興味深くみれた。エイミーアダムスもやはりの素晴らしい表現だったけど、ウォルター役のクリストフヴァルツも調子のいい男っぷりの描き方も見事だった。実社会だとあんな奴いるんだよね。軽蔑されてはいるがそれでも結構儲ける人。胡散臭い人って万国共通。どうしても直近の佐村河内事件を連想せずにはいられなかった。事実内容よりマーガレットが支配されていく過程が興味深い。現代のDV夫とかが精神支配していくモノ関連として。実話とふってあったけど、ほんまかいなというビックリ事案もあったなあ。画家と言い張っているのに全く描かずに乗り切れるのか、裁判で一人二役とか、この裁判で誰もがこうであって欲しいと考える決着「ほれ、書いてみなはれ」が実際あったこととか。 【タッチッチ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-11 17:08:47) |
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10.あまり気持ちのいい映画ではなかった。というのが正直な感想。 「実話」だからこその、決して避けられない登場人物たちの人生における“短絡さ”が、何だか無性に居心地の悪さを感じさせる映画だった。 「創作」に携わる者のジレンマによる闇の深さは、当事者にしか分からない。 しかし、その闇を抱えるのは、必ずしも“真の作り手”だけのものではないということ。 何も生み出すことが出来ない者が犯した愚かな罪。 “夫”は間違いなくロクデナシで、同情の余地はないけれど、彼がもたらした「功罪」により、“ビッグ・アイズ”という芸術が世に広まったことも事実。 彼の「悪意」が一体どの段階から存在していたのか、それは実際のところ誰にもわからない。 どこかのタイミングで何かが間違っていなければ、この夫婦は、もっと幸福な道を共に歩めたのかもしれないし、そうではないかもしれない。 子どもの大きな瞳で見据えられ続けた苦悩の日々は、観ている側としても苦しいものがあった。 そのリアルな苦しさを抱えた人間の無様さこそが、ティム・バートンが珍しく実話を題材にしたこの映画で描きたかったことだろうし、そういう意味ではしっかりとティム・バートンらしい映画に仕上がっていると言えるのだとは思う。 でも、この監督の一ファンとしては、これまでの作品群においてどんなにダークな世界観を描いたとしてもあり続けた小気味よさが無かった今作が、映画として単純に楽しくなかった。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-11-13 07:30:58) |
★9.《ネタバレ》 ティム・バートンというと、暗い画面の作品が多いような印象ですが、 本作は実に明るい。そしてカラフル。全体的な画面の明るさがまず印象に残りました。 なによりも、やはりキーン夫妻を演じたエイミー・アダムス&クリストフ・ヴァルツがドンピシャのはまり役。 配役の見事さもあるんでしょうけど、その点はは凄く関心ました。 男性優位社会の時代とか、現代アートの複製文化とか、そういうものを背景としつつコミカルに描いてる。 なにからなにまで嘘で塗り固めて口八丁な旦那の、どことなく憎めない感じと酷い奴だなと感じるその表裏一体さが興味深い。 とんでもない旦那だったけど、あの人がいなかったらビッグ・アイズシリーズは世に認められることもなかったのだろうなとも思う。 裁判で、「決着を付ける方法はただ一つ。実際にここで描いてみればいい」の下りは爽快。 ある種の仮面夫婦だけど、富を作り出すコンビとしては最強タッグだったね。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-08-26 23:37:10) |
8.《ネタバレ》 アーティストが開花するにはいいマネージャーが必要なのは事実。旦那にアーティスト志向があったことが悲劇の始まりか。でも映画にするほどの物語ではないような気もして。。。映像が素晴らしく綺麗でした。 【kaaaz】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-08-08 21:21:33) |
7.《ネタバレ》 ゴースト・ペインターが晴れて陽の目を見るという物語ならば、 もう少し画面の明暗、あるいは光と影を以て語って欲しいところである。 法廷内の入射光、判決後の正面玄関シーンなどは特にそうだ。 逃亡先のハワイの明るさなどにしても、雑多なエピソードにしても 実話をなぞることに拘りすぎている感がある。 絵画の映画は、出来るだけ静止した完成品ではなく 画家が絵筆を動かす様や、変化していく筆跡でもって 見せて欲しいところでもある。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2015-04-17 23:56:39) |
6.《ネタバレ》 題名でもある有名な絵画"ビッグ・アイズ"の魅力よりも、作者マーガレットの魅力よりも、その夫ウォルターの存在感で話をぐいぐい引っ張ります。彼を形成する特徴を簡単にいくつか述べましょう。罪悪感の欠如、名声欲のかたまり、それと政治家顔負けの口八丁。はい、絶対に友達になりたくありません(笑)。でも不思議、彼は間違いなく悪人だけど、なぜか憎めない求心力のあるキャラクター。監督ご自身も親しみを持って彼を描いていることは明らかです。たぶん、彼の人間性・手段はさて置き、一貫してブレない絵を売ることへの"信念"から、夢を売るエンターテイナーとしての哲学を少なからず感じたのではあるまいか。映像は全体を通してほどよく明るい色使い。この映画の内容(というよりは彼のキャラ)にはよく似合う能天気な色彩でしたが、やはり本作はティム・バートン監督の映画。いつものようなダークな世界観を期待していたので、点数は低めで。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 5点(2015-02-03 23:42:44) |
5.《ネタバレ》 「実話の映画化」っていう括りや縛りが、イマジネーションを自由奔放に映像というキャンパスに綴る作風のバートン監督にとって、ちと窮屈だったんじゃないかなあって気がしました。今までこの監督の映画で「実話の映画化」自体あったっけ?確か「エド・ウッド」は、実話ものというより伝記ものジャンルですよね。作品そのものは非常にウエルメイドでソツのない仕上がりになってはいるけれど、バートン監督ならではの、鑑賞後に引っ掛かってくる部分があまりないというか、らしさや味に欠けるというか。「ビッグ・フィッシュ」(10点)が、21世紀に入ってからの、アメリカ映画ベストワンだと高く評価している私としては、少々物足りなかったかなあ。本来ならば、へタレダンナウォルター氏を、もっともっと、悪役に仕立てることもできたはずなのに、裁判でのシーンの演技やら演出を見る限りでは、監督もこの人物に実はかなり好意的だったのではないかと思われ。逆に「憎みきれないろくでなし」として、非常に魅力的にキャラ立ちさせていましたね。それにしても、日本人のみならず、アメリカ本土在住の人にとってもハワイって永遠の楽園なんですねえ・・・。やっぱええなあハワイ・・・。ハワイに移住したヒロインがエホバの証人にハマるっていうくだりが妙にリアルで、そこが一番実話ネタらしいなあと思ったり。自分的には6.5点という評価やけど、繰り上げて7点にしときます。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-02-02 21:06:25) |
4.《ネタバレ》 夫のウォルターは、実際に面と向かって付き合ったら嫌なヤローだろうな、とは思うものの、クリストフ・ヴァルツの演技のおかげもあって、映画のキャラとしてはとても魅力的でした。ウォルターの凄いところは、最後まで嘘をつき続けるところ。「嘘でした、スミマセン」と白状したほうが絶対楽なはずなのに、一度ついた嘘は絶対撤回しない。クライマックスまで見てると、逆に関心するくらいです。アーティストというより、エンターテイナーとしての業が感じられました。映画のプロデューサーになっていたら普通に評価されそう。上手に嘘をつけばつくほど評価されるわけだから(笑)。 逆にマーガーレットのほうは、ウォルターの印象が強すぎて割りを食った感じ。映画でも現実でも損してるなあ。ただ、彼女が万博のために書いた絵が酷評されるのは、逆に痛快。ある意味、彼女の心情が絵を通して正しく伝わったわけだから。 ちなみに、マーガーレットが嘘をつき続ける生活から抜け出すキッカケになったのが新興宗教って、笑うとこなんでしょうか。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-01-27 11:58:19) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 カラフルな映像の中からやがて浮かび上がってくるのは2つの色。青と赤。 青は冷たく赤は熱い、というイメージですが、ここでは青は孤独の象徴であり、だけど一方でヒロインの創作の源となるヒロインの世界の色。赤は陽性ではあるけれど、その青の世界に浸食してくる、ヒロインの世界を様々な形で乱す色。 画面の中の青と赤の置かれ方がとても気になる映画です。 サラリサラリとした軽い語り口の中に織り込まれたヒロインの芸術に対する思い、繊細さ、弱さ。芸術の価値を辱めてゆく無遠慮な俗物。ティム・バートンがシンパシーを抱くのも当然という感じで、心が色彩という形に表現されて映画に昇華されているのがとても沁みてきます。 白塗りジョニー・デップもヘンなテンションのヘレナ・ボナム=カーターも出てこない、久々にその世界を堪能できるティム・バートン作品でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2015-01-25 19:21:07) |
2.《ネタバレ》 こんなに大きな問題になる前に真実を明らかにする場はいくらでもあったように思うのに、終始マーガレットの行動にイライラしぱなっしでした。最後に法廷できっちり決着をつけた裁判長、グッジョブ。と言う事でラストのみに6点です。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 6点(2015-01-25 15:22:44) |
1.《ネタバレ》 幼少期・青年期のティム・バートンが感じていた孤独とマーガレット・キーンが感じ、絵で表現した孤独が共鳴したことで実現した映画だと思います。実際、ティム・バートンの描く絵は目が大きかったりする。相当な思い入れのある人物を映画化してしまったが故に、テンポが悪い、という印象を受けました。マーガレットが夫ウォルターに抑圧され、洗脳され、部屋に閉じ込められる。娘にさえ本当に事を言えない辛さ……痛いほど分かりますし、これはティム・バートンが感じていた苦痛でもあるのでしょう。しかし、それにしてもこの描写が長過ぎる。物語はマーガレットの完全勝利に終わるわけですが、彼女が 反撃し映画が終わるまでは20分もなかったのではないかと思います。思い入れが強すぎると不都合が生じるという典型例ではないでしょうか。最後の最後に極上のカタルシスが用意されているとはいえ、勿体無いなぁという感想です。もちろん、マーガレットの気持ちは揺らぎ続けるわけですが、彼女は序盤から金と名誉に揺らいでいるので、これもまた長い。編集でどうこうできる問題ではなく、単に脚本とティム・バートン自身の問題でしょうね。お話はもちろん面白かったし、私が一番好きな俳優クリストフ・ヴァルツは最高の演技を披露していました。所々のジョークは冴えていたし、クライマックスの裁判シーンは笑いっぱなし。素晴らしい部分がある分だけ、テンポの悪さが際立ち、気になってしまいました。 【カニばさみ】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-01-23 18:03:51) |