17.「ウォルター・マッソー=由利徹」説ってのが常に根強くある訳ですが(ホンマかいな)、本作の二枚目ぶりはなかなかのもの。見ようによってはピアース・ブロスナンあたりを彷彿とさせたり(ブロスナンよりは深みがある。ブロスナンの魅力はあの浅さにある)。まず冒頭、緊迫感あふれる銀行強盗シーン、そしてこれに続くド肝を抜くカーアクション。しかも奪った大金は、実はマフィアの隠し資金だったもんだから、さあ大変。逃亡を図る主人公と、迫りくる追手の姿を、長廻しなどを効果的に用いながら、練りに練ったカットで(とは言えおそらくは偶発的な事象も織り込みながら)描き、派手さと渋さを兼ね備えた見事なアクション映画となっています。妻を失いながらも冷静に事態を受け止め、策を練る主人公。仲間が死んでも「うまくいったぜ」と言うばかりの、頼りにならずむしろややアブナイ相棒。ただ事態を楽しんでいるだけのような刺客。彼らの持つ「温度差」が、本作の“駆動力”となっていて、オモシロイところでもあります。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-11-19 11:11:21) |
16.ケチな銀行強盗犯の逃亡を描いたアクション映画。 予想外にも大金を盗んでしまったことから・・・・・・という巻き込まれ型の流れがいい。 何と言っても主人公の親父キャラが魅力的。一見飄々としているくせに、やたら冷静、 なおかつ頭がキレるため、ともすれば地味なアクション映画になりそうな本作に 厚みを持たせてます。親父とマフィアたちの繰り広げる頭脳戦が妙な爽快感を与え、 中々面白い内容に仕上がっているかと。映像演出はテレビ映画といった雰囲気だけど、 お薦めの娯楽作品。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-10-25 14:09:49) |
15.《ネタバレ》 「組織のカネに手をつけてしまって、殺し屋に追っかけられる」というプロットは、そう、『ノーカントリー』がすぐ頭に浮かびますね。本作の殺し屋ジョー・ドン・ベイカーはそりゃアントン・シガーに比べられたら分が悪いですが、70年代ではけっこう不気味なキャラでしょう。凄いのは追っかけられるウォルター・マッソーの沈着冷静で狡猾な悪党ぶりで、『ノーカントリー』のジョシュ・ブローリンもマッソーの半分ほどの悪知恵が働けばひょっとしたらアントン・シガーに勝てたかも(笑)。いつものすっとボケた表情を崩さずにあれだけ敵の裏をかく仕掛けを繰り出すとは、ウォルター・マッソーほんと恐るべしです。ラストのなぜか離陸できなくなって地上滑走しかできなくなった複葉機と車の追っかけっこも、いろいろな伏線があった上での計算されたシークエンスなのが見事でした。 そういや同年に製作された『戦闘機対戦車』というTVMの快作がありましたが、どっちが真似したんでしょうかね。 【S&S】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-05-22 20:55:43) |
14.面白かったです。ウォルター・マッソーのあらゆる知恵を屈した作戦と何とも不気味なジョン・ドン・ベイカー扮する殺し屋との手に汗握る攻防!意外にも飛行機を使った、一生一代の曲乗りによる見事な、正に突破口でした。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-17 23:05:22) |
13.《ネタバレ》 同じマッソーが出演した70年代パニック・アクション3部作(後は「マシンガン・パニック」「サブウェイ・パニック」)の中でも「脱力感」の要素濃いこの映画、大好きだ。もちろんそれは「脱力感=緊張感がない」という事ではなく監督シーゲルの緩急を使った「緩」の部分が物凄く効いているので映像や画面効果がしょぼくても「急」がちゃんと印象に残ってしまう彼の演出の巧さによるもの。アメリカ南部の風景を写し出した牧歌的なオープニングから突然暴力的な銀行強盗の場面への転換や、ラスト廃棄処理場の全景は俯瞰のワンショットで撮る/反面車と複葉機の追っかけっこは細かいショットの連続(あれは闘牛士と闘牛だよね)。ラストも何かあるぞ、と見せかけて何も起こりませんでしたという肩すかしっぷりも良い。しかしジャガイモみたいな顔をしているマッソー、見ず知らずの女性のところに乗り込んで脅迫まがいの事をしときながら最後は一夜を共にしてしまうキャラなんてもう格好良すぎですわ。音楽・役者等含め70年代アクションの良作の一つ。 【Nbu2】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-15 10:54:59) |
12.他の方が既に書いているようにドライであっさりとしています。ですが、私はウォルター・マッソー演じるチャーリーの飄々とした身のこなしによって、周りの登場人物がなんだか滑稽にも見えて、笑えました。 あるスタイルの原典というのは、のちの人がそこに付け足して新たな「アレンジ」に変えていくもの。それが90年生まれの私から見て、本作が必要以上にシンプルに感じる原因かもしれないです。 それにしてもウォルター・マッソーの演技は巧い。 【kagrik】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-12-17 12:34:52) |
11.《ネタバレ》 唐突な意表をつく展開が良かったです 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-04-22 13:59:45) |
10.《ネタバレ》 見ているときはそこそこ面白かったのですが、あまりにも構成が単純すぎて・・・現在では、後続の幾多の作品に追い抜かれてしまった感じです。今だったら、殺し屋が「追いついた後」に、直接対決としてもう2ひねりも3ひねりもしてくるんでしょうね。それがなかったので、かなりあっけない感じでした。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-04-20 04:18:17) |
|
9.ドライな描写でリアルさが感じられました。ハードボイルドとの表現が当たっているかどうかは分かりませんが、知恵で勝負の男の美学を見せられたような気がします。 あー、ネタばれしないレビューって窮屈... 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-04-17 16:05:48) |
8.《ネタバレ》 祝DVD化!しかもお店で全部流していたからその場で立って見ていたという・・・ お金かかっていない感じがよく出ていますが、そこはまたそこでいい。銀行もマフィアも強盗も、みんな裏切り、罠が仕掛けられて、凡庸な人間ははまって死んでしまう。最後マッソーは金を持って逃げるが、家族も仲間も全員失っている。こういうラストはシーゲルの映画にはよくある。 ラストの爆発は予定通りといった感じ。飛行機の曲芸があそこで生きてくるとは、だった。 ところで、最後アンディにマッソーの指輪と腕時計がされてましたよね?細かい。 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-07-25 23:16:12) |
7.しばらくレビューが途絶えていて残念ですが、この作品は面白かったです。ドン・シーゲルの佳作ですね。おすすめ。 【ジャッカルの目】さん [地上波(吹替)] 7点(2007-05-08 01:33:19) |
6.マフィアのカネに手をつけたからにゃもう後戻りは出来ゃしません。女房の想いも無駄にしたら罰が当たるってもんです。このままわびしいトレーラー・ハウスで殺されてなるものか!肝の据わったおやじのグレイトな脱出劇。冒頭30分で中年女の一途さを見せつけたシェリー・ノースがいじらしいよぉ。・・・哀れロビンソンまたしても憤死・・・。 【モートルの玉】さん 8点(2003-10-08 01:36:40) |
5.組織の殺し屋で大男のジョー・ドン・ベイカーが、組織の金を取り返すため、甘いマスクで薄笑いを浮かべながら、容赦なく暴力を振るうのが、恐ろしくて、素晴らしかった。この強力な敵に対し、ウォルター・マッソーが知恵で対抗する。素晴らしいアクション映画だ。 【長春】さん 10点(2003-02-20 09:24:57) |
4.冒頭の銀行強盗シーンからいきなりの暴力描写。70年代犯罪アクション映画のおもしろさがつまっている。 【本間】さん 6点(2002-11-14 19:02:53) |
3.冒頭の銀行強盗シーン、撃たれる女房が妙にセクシー。美人でも、若くもないんだけど、本当に痛そうで。実際に銃で撃たれたらこんな感じなんでしょうねと、リアルです。 【田螺】さん 8点(2001-08-16 00:30:39) |
2.この映画の良さは低予算さをモロに出したところ。この〝逆の発想〟を活かしたドン・シーゲルの佳作で、どこか渇いたような雰囲気と共に見事に描いていく。まさに痛快さがウリの作品なのだが、ラスト直前で発覚させた「事件のからくり」はチョット反則かな............? 【チャーリー】さん 7点(2001-06-06 17:49:07) |
★1.これ見よがしな演出を極力排した燻し銀のようなドン・シーゲル監督の旨みとコク。冒頭の静かな地方の町での銀行シーンから一転して著しい展開でサスペンスを盛り上げていき、ラストまで一気に見せきってしまう。これはまさにB級アクションの傑作だ。 【ドラえもん】さん 8点(2001-03-17 23:12:06) (良:1票) |