4.野村芳太郎監督によるサスペンスものではあるが、サスペンス映画というよりはホラー映画に近い感じのする不気味さ、恐ろしさ、それは映像もさることながらあの音楽もやたら怖い。そして、何よりもあの少年の一つ一つの行動にしても本当に怖い。これは人間の追い詰められる瞬間というものを描いている。妻よりも幼馴染みであり、愛人でもある別の女とのやりとりを見ていないようで見ている子供からの二人への復讐のようなものがとにかく怖い。サスペンスものとしてはそれほどの出来じゃないと思うし、ラストもえっ?ここで終わり?てぐらいの終わり方だが、何しろ、一つ一つのシーンの怖いこと、怖いこと、完成度では明らかに「砂の器」に比べたら劣るし、その他の野村芳太郎監督作品のサスペンスものに比べても劣る。しかしながらこの監督らしい美しい映像も心に残る。最後の方の海辺のシーンは私も「砂の器」を思わずにはいられませんでした。それにしても岩下志麻のあの美しさ、ミニスカートからすらっと伸びた細い足、おまけに加藤剛とのセックスシーンで見せるあの悩ましい顔付き、喘ぎ声は忘れらなくなりそうなほど強烈な印象を残します。これを見せられたらそりゃあ、加藤剛じゃないけど、小川真由美より岩下志麻を選びたくなるのも解る気がする。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-10-10 22:26:25) |
3.《ネタバレ》 野村芳太郎監督による松本清張ものの一編。後の同じコンビによる「鬼畜」と同じように子供が話に絡んでいる映画だが、本作では「鬼畜」とは違い、愛人の幼い息子が自分に殺意を抱いているのではと思い込む男の心理が描かれていて「鬼畜」とは全く違う怖さがあってなかなか面白かった。特にガスの充満した家の中に閉じ込められるシーンはかなり怖い。脚本を書いているのが橋本忍で主人公を演じるのが加藤剛(好演。)なこともあってか、破滅していく主人公やタイトルバックとラストの回想の海のシーンはどことなく「砂の器」を思わせている。愛人を演じる岩下志麻は一人の男を愛する情念の女を熱演していてとても大人っぽく、反面普通の母親役だが既に「鬼畜」で演じた緒形拳の妻役の面影があり、少し怖かった。それでもこの映画では子役の無表情な演技がいちばん怖い。そういえば「鬼畜」では岩下志麻と小川真由美が本作と逆の立場の役柄で共演していたが、本作を意識してのキャスティングだったのだろうかとつい考えてしまう。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-09-29 19:24:39) 《更新》 |
2.《ネタバレ》 愛人の子供に殺されるのではという妄想と自分の少年時代の殺意の記憶が重なっておきる心理恐怖。加藤剛がだんだん破滅へと向かっていく。包丁やネズミの毒入り饅頭、ガスの充満した部屋に閉じ込められたりと、サスペンス度は結構高い。岩下志麻は未亡人でお色気がとてもあり、男の人も放っておくわけがないだろうなと思ってしまいます。これも子役の子供が熱演です。うちもちょうど同じ小学1年生の息子がいますが、しっかり見てますよー、怖いくらいにね。だんだん見ている側も子供の目がとても怖いもののように感じてきて、怖くなりました。 【fujico】さん 7点(2003-12-10 15:57:32) |
★1. 松本清張原作のB級サスペンスといったところでしょうか。林の中に車を止めてのシーンは印象に残りますね。子供は観ちゃダメ(笑)。 【オオカミ】さん 7点(2003-12-05 00:00:32) |