33.《ネタバレ》 物語はやや繊細で、複数のコンセプト(兄との関係性、女性との関係性、カストラートの苦悩、等)を含むが、ヘンデルとの関係性以外はどうも掘り下げが甘く、消化不良な感じがある。 他方、メインディッシュというべきカストラート歌唱はその出来自体は素晴らしいが、設定上威力のある名曲をあまり使えないのがもどかしい所(『リナルド』”私を泣かせて下さい”くらい。そもそも、バロック・オペラは現代に至っては決してオペラの主要なレパートリーとは言えず、有名な作品はもう少し後ろの年代に固まっているのだからこれはある意味仕方が無い)。 思うに、歌での盛上げ所があんまり作れない→映画のテンションを長時間保てない→110分のあっさりストーリーという顛末か(名曲だらけの『アマデウス』と比べては可哀そうだが)。 実在のファリネッリに拘らなければ(もう少し時代をずらせば)もっと色々歌えたのではないか(話の内容は架空のカストラートでも描けるような内容だし)。それか作曲家がもっと頑張れば。。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-11-16 00:02:18) |
32.映画自体はさほどおもしろいとは言えないが、カストラート歌手としてバロック時代に活躍したファリネッリの生涯を知る上で大変貴重な映画。大作曲家ヘンデルと反ヘンデル派とが競い合った時代背景も勉強になったし、何よりも歌声がすばらしかった。大詰めのヘンデルの歌劇「リナウド」のアリアを歌う場面は、去勢された過去とオーバーラップし大変印象深い。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-07-03 00:21:19) |
31.美しい歌声のために若いうちに去勢する、というのは男性のみが歌手だったからだろうか...ストーリーはそれほど感動しないが、音楽が作品全体を支えている。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-22 17:15:13) |
30.作品における「嘘」は1つぐらいまでならいいのかもしれない… この作品は、 ・現代の人間が18世紀の人間を演じるということ ・普通の男性が、去勢によって第二次性徴による変化を経ていない男性を演じること ・口を動かす俳優と実際に聞こえてくる歌を歌う人は別であるということ という、思いつくだけでも上記の「嘘」があり、それ故に嘘くさく生理的に受け付けない作品となってしまっていた。 多分見たのは2回目、1回目は印象に残らず(なので、見た気がするけどもう1回見るか…となり)2回目は嘘くささが気になった。 リアリティを重視しない人なら楽しめるのかなー…お金はかかっていると思うので。 【Sugarbetter】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-11-10 22:54:19) (笑:1票) |
29.物語がよく理解できなかったのですが、カストラートというものの素晴らしさを味わえた素晴らしい映画でした。 この時代、作曲というものには印税もなく、たいした価値はなかったのは知っていましたが、現在、カストラート自体禁止になっているのですから、当時聴いた聴衆は特別な感動を味わえたのでしょうね。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-07 03:50:35) |
28.ファリネリのソプラノ、合成であるものの完璧に口パクが音とあってるためとても自然でした。映画としては7点ぐらいだけれど、歌のシーン1つ見ただけで10点です。 【エーテル】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-07-08 17:12:07) |
27.兄弟の物語であった。二人で一つ。音楽というものが、作曲と演奏の二つで完成されること、その二者の間の愛と葛藤が重なる。馬のイメージが繰り返される。弟を去勢させた兄の疚しさの象徴か。赤いガウンが兄弟の求心力のあらわれ、白い馬が離反のあらわれ、とも取れる。病気の子どもが主人公の去勢とだぶらせられているらしい。もうちょっと展開を整理できたら良かった。ブーイングしていた観客が手をたたくまでの陳腐な演出は情けないが、それをも許せるほどヘンデルは美しい。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-05-04 10:43:42) |
26.《ネタバレ》 若い時に見たので、その時は内容が難しくて完全には理解できていませんでした。 でも映像も音楽もキレイだなー、と思ったことは覚えてます。 冒頭で、マッパの少年が「声に殺されるんだ!」と叫んで飛び降りるシーンが、しょっぱなからショッキングで固まりました。 大人になった今、もう一度ちゃんと観てみたいです。 【ラファエロ】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-10-20 21:44:45) |
25.見応え感がっちりな作品。こういうたいそうな映画は苦手なのだが、苦手な中にあって楽しめた部類。カストラートについてのあれこれには多くを語らず、兄弟の愛と葛藤のドラマを軸として見せてゆく。時代背景や音楽の歴史、(実在の)登場人物の背景、そしてカストラートの歴史など興味のつきない題材にもかかわらず、欲張らずに見せ所をしっかり絞った脚本の勝利。さらに衣装やセットも抜かりない。主人公は史上最高のカストラートと言われているカルロ・ブロスキ。今現在、カストラート自体が存在しないのでその美声の凄さは映画以上なのだろうが、その再現にボーイソプラノや数少ない男性ソプラノを使わずに、男性カウンターテナーと女性ソプラノの合成というまさにこの世に存在しない声で表現したのは納得と同時に感心。兄弟二人で一人の女を抱く、つまり3Pという特異な性生活が中盤にいかにも「プレイ」的な描写で登場するが、その行為が終盤に「プレイ」ではなく「愛の行為」として登場するくだりはなかなかの感動がある。5年以上前に観たっきりなので今観たらまた変わるかもしれないけど点数はまずまずの6点ということで。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-08-27 15:47:22) |
24.何がグロイといっても、男にしか見えないカルロから超高音の美声が発せられるのが一番グロイと感じました。結婚して女の花道を「ハイ、さよなら。」してしまう歌姫と違って何時でも卓越した芸術の粋を見せてくれるからでしょうか、カストラートというのは正に金持ち王侯貴族のエゴの作り出した男とも女ともいえない存在・・・作中のヘンデルのようにバケモノ呼ばわりするのは本人に選択の余地がなかったカストラートにはあまりに酷です。これに比べれば、舞台の上では女性美の粋を極めても私生活では男であることを許される歌舞伎と京劇の女形のなんと人間的なことか・・・。中国の宦官と比較している方もいるようですが、どちらも爛熟した文化が生んだなんとも形容しがたい存在ですね。兄弟愛も恋愛もそこそこの描写で一風変わった音楽映画という感じ。ヘンデルの「ラルゴ」の歌唱は文句なしにすばらしかったです。 【かわまり】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-09-27 12:26:10) |
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23.《ネタバレ》 フロにつけて去勢される場面がグロいなー、と思ったことを思い出した。カストラートが存在するというのは、時の支配者の権力の強大さを示していますね。中国だったら宦官は、皇帝が偉大だから成立したというわけですから。男であるとも言いきれず、かといって女でもない、そういう人間の人生とはいったいなんなのじゃ、ということでしょうか。自分からオカマになったのと違うからねえ。カストラート役の俳優さんは、もっと骨細でキレイな人にできなかったのでしょうか。男性器を取ると、(どの程度とってるのかは不明だが)肌が美しく、ヒゲが生えず、ハゲず、体が丸みをおびて、そして敏感で繊細になるという。(「宦官」のうけうり)そういう感じの俳優さんじゃなかったんだなー。男であたりまえと思ってる皆さんは、人生で一回くらいは、自分が去勢されるところを想像していただきたいものです。 【パブロン中毒】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-17 23:47:15) |
22.カストラート、それは17.8世紀ヨーロッパで盛行した去勢歌手のこと。少年期に去勢する事により第二次性徴を妨げ、それにより強制的に声変わりをなくす。映画の歴史を振り返ってみますと、昔は女性の叫び声をわざわざ男性の声で吹き替えして、そのテープの回転数を上げて女性の声のようにして音作りをしたりなんかしてたんです。そうするとより迫力ある女性の声になるんですね。カストラートもそれと似たようなもので、女性の歌手の声とはまた違う、独特の声色があったんだろうと思います。ところでアンディ・ウォーホールは「芸術作品は無駄なスペースを埋める無駄なものだ」みたいなことを言ってましたけど、芸術って確かにある観点からみたら何の役にも立たない無駄なものなんですね。要するに機能性がない。カストラートの場合、人間の機能性、つまり生殖能力を除去しちゃうわけですね。これって言ってみれば、カストラートというその存在がまさに一つの芸術作品だとも言えるんじゃないでしょうか。この話で言ったら、カストラートがその芸術で、機能性はその兄ということになりますね。性交ではその両者が一体となってプレイする。だから僕はこの二人の対立は、審美性と機能性の対立だと勝手に解釈してるわけです(笑)。そうやってみると話がぐんと興味深くなる。 【あろえりーな】さん 7点(2004-12-24 02:31:17) (良:1票) |
21.微妙っす。役者も悪くないし、なかなか面白い部分も多いけど、やはり声が合ってないと感動も薄れるね。映像見てても歌ってるように見えないから、ドラッグクイーンの歌マネショーみたいに見えるのが残念。 【レンジ】さん 7点(2004-05-05 20:26:21) (笑:1票) |
★20.見終わった後、ドッと疲れを感じたのを覚えているので、また見たいかというと微妙な気がします。カストラートのすばらしい声、高い芸術性は堪能しましたが、当時から有名なようにこれは合成された声ですよね。本物の彼の声のすばらしさは、それが天性のものであるところによるわけですから、この映画には最初から矛盾した点があるわけです。もちろん現代の映画は、CGをはじめ無数の「合成」によって成り立っているわけですから、それを否定したらほとんどすべての映画を否定することになりかねないでしょうけれど、映画の中で賞賛されているのはまぎれもなく生の歌声であるわけなので、今思うと、手放しで称えるのがためらわれます。見て損のない作品であるとは思いますが・・。 【おばちゃん】さん 7点(2004-03-24 11:48:10) |
19.思ったより合成の声が良くなかった事を覚えています。音楽にまつわる話なので映像が美しくて、何処かやりきれない切なさを感じました。 【n@omi】さん 6点(2004-03-02 00:09:56) |
18.壮絶な話でした。 関係ないけどこの映画の最終日だったことをその日に知って、バイトの店長に映画観にいくから早退さしてといったら怒られたけど行かしてくれたことを覚えてる。(映画館) 【zero828】さん 7点(2004-02-25 20:22:32) |
17.カストラートの声を表現するのに合成した、という話題だけかなり先行してて、というか影響されすぎました。カウンターテナーの人とかで代用出来ないのでしょうか?無理なのだろうか。。。声のために去勢など今では考えられませんが当時はさほどの事ではないのかと思うくらいさらっと描かれてたような。音楽映画と思ったら兄弟の微妙な関係みたいな内容だったので、あれ、という感じでした。 |
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15.その時代の雰囲気がよく出ていたと思います。背景とか衣裳には文句なし!でした。でもストーリーがちょっとねちねちしてたかなーって感じです。ねちねちしていた割りには、ラストがなんだか流れていってしまったような。 歌のシーンはすごくよかった!合成ということで少しだけ違和感を感じる曲はありましたが、「涙あふるる」を歌いきったシーンはもう文句なしでした!あのシーンが一番すきです。 個人的にはちょっと痛かったかなって感じ。痛い場面はしょうがないと思いますけど。小さい子にはあまりおすすめできないかも(笑) 【石亀】さん 8点(2003-10-19 19:29:26) |
【もりしげひさや】さん 5点(2003-08-02 05:14:04) |