150.《ネタバレ》 始まりはなかなか良く出来ており、これは今までにないリアルなパニックホラーかと期待。
しかし・・「アウトブレイク」と「ゾンビ」を合わせたような既存の作品のようになってしまう。
特に後半の軍が出てきたあたりからはもう完全に最近の「ゾンビ」です。
苦手だったのがカメラワーク、というかフラッシュバックの多用。
怖いものは丁寧に映してほしい。それか映さないで予測させるようにゆっくりと・・
やはり私は古典的なホラーファンでしょうか。
いきなり現れてからは丁寧に映してほしいのです。
それとこの作品はゾンビだけの見世物映画ではないようですから、
なにかうったえるものを貫いてほしかったりします。
なんのために凶暴性を植えつけたサルを実験しているのか?
これをやるとまた既存のヒットラー映画になるのですが・・
前半の父娘、あの配役や設定はすごく良くてただのホラーではありません。
この父娘がセットでいるだけで、緊迫感さえ漂うのです。
ここが早く終わるので大変惜しいです。
森のシーンは「ミラーズクロッシング」を思い出し、
這い近づくゾンビか?と思わせるシーンは「死霊のはらわた」のオマージュと言っていい。
ラストにも期待したのですが、この主人公が運ばれた病院で、
時間的なものや場所や細菌のどんでん返しを考えました。
でもオーソドックスなラストでした。
ふたとおりエンディングがあるのですが、
取ってつけたような明るいエンディングよりは私は劇場公開版ので良いと思います。
でもふたつを比べたらのことであり、シリアスな終わりは異議なしですが・・
前半の環境問題にまで発展しそうな殺伐とした景色は最期に持ってきたほうが良い。
回想のようにもう一回もとにもどしたほうが効果的だと思います。
たどり着いた病院が元の病院だったというのもミステリアスでいい。
考えてみればゾンビ映画なるものは時代に逆らっていますね。
なぜ今でも(劇場公開中)ゾンビは受けているのか?
それはクリーチャーや特殊メイクの手作り感あふれる死体の蘇生。
最近のゾンビ映画が全くCGを使っていないとは断定できませんが、
おそらくそのチープさや人間味が今の時代に逆に受けているのだろうと・・