2.《前投稿時の私の言が恣意的に転用されており、遺憾に思いますので刷新いたしました。》
極値(及び、そこへ至る過程)を経験した人々の洞察や人生観を淡々と綴ったドキュメンタリーである。観る者を魅きつける為の演出は皆無。故に、退屈に感じる人は多いだろう。しかし、演出皆無故の解釈の多義性こそが、このフィルムの最大の価値である。ときめいてしまう人はときめき、穿つ者は穿ち、観た者が抱く印象に、その人の価値観や事象の斬り方が如実に繁栄される点は、とても興味深く感じる。
知る人ぞ知る存在となった近年では、その解釈の多義性を逆手に取り、諸々の集団や個人(誤解を恐れずに言えば、一部の宗教団体とニューエイジ系)がツールとして"雰囲気"を利用し、自らの主張を封じ込めて伝えていることは苦々しく思う。このフィルムを貫く思想は、超自然・超能力・宗教と言ったキーワードとは無縁で、地球をシンプルに「系」と捉える、実は極めて科学的なものであるのだが…。
基本的には劇場公開を行わず、フィルムの貸し出しによる自主上映に委ねられている為、制作陣の本来の意図とはかけ離れた"使われ方"が為され始めているように思う。このフィルムに触れる機会を作る媒体が、良い意味での純粋性と多義性を残す伝え方を為して行く事を願わずには居られない。自分の頭で考える切欠を掴んでこそ、触れる価値のあるフィルムだ。