7.タイトルは「真田幸村の謀略」ですけど、特に謀略らしきものはこれといって無く、フツーにSF超大作です、ハイ。などと言われている時点で、フツーじゃないんですね。真田十勇士の活躍を、劇画チックに、荒唐無稽に、やりたい放題に描いていて、謀略なんぞというアタマを使う作業の入り込む余地など毛頭ございません。脇役もエキストラも火薬も特撮も大量に投入しまくり、もはや闇鍋状態。
主演は松方弘樹、このヒトはさすがに優等生顔で時代劇やってますが、あとは各々、楽しんでやっとりますな。いや、ホントに演じてて楽しいのかどうかはわかりませんが。
家康役に錦之介というのはちょっと意外ながら、なかなかハマってます。「特別出演」となっているんですけど、結構出番も多いし。
千恵蔵は出番多くないけど、自分の腕を切り落とさせる場面の演技などにおける、あの気合の入り方。熱い。暑苦しい。
その他、活躍しそうで活躍しないけどでも印象に残ってしまう加藤清正役の丹波哲郎とか、狂乱のオバチャン淀君・高峰三枝子とか、何かヘンなモノに憑依されたみたいな金子信雄とか、出るわ出るわ妖怪の数々。妖怪じゃないってか。
真田広之、ガッツ石松が肉体系の活躍を見せれば、火野正平も負けじといい動きを見せる。
リーダー格の霧隠才蔵を演じる寺田農はちょっと真面目過ぎたか、あまり目立ちませんでした。
それにしても、猿飛佐助役のあおい輝彦。ここに本作の謎のすべてがある。ああ、何とコメントしてよいものやら。