3.《ネタバレ》 ファーストシーンの馬車馬の力強さ!
そこにこの映画のエネルギーを感じた。
カット割りが良いね。
テクニカラーでウォルシュ映画を堪能できるだけでもありがたい。
ラオール・ウォルシュはサイレント時代からキャリアを積んだベテランだが、娯楽映画がメインで歴史ガン無視映画も多い。
しかし「ハイ・シェラ」や「死の谷」などドラマとアクションが秀逸な出来の作品もまた多い。
本作は「死の谷」と比べるとドラマ面は微妙だ。
南北戦争後の暗い影に囚われ気味のベンとそれに不安を抱くジェニファー。
強盗団のストレインはジェニファーをさらうが、ジェニファーの清純さに心打たれ足を洗おうと心がグラ付く。
しかし根本的には悪から抜け出せず。
彼女を好きになってしまったストレインはベンの存在を知り「ジェニファーは俺の女だ」と偏執的な感情でベンに銃口を向ける・・・てなんじゃそりゃ。
ジェニファーもスッキリしない性格。
典型的な「無自覚の性悪女」だった。
ヒロインがさらわれる映画って対大概「安いヒロイズム」ばっかで面白くない。
本作も下手するとその領域だが、そこはウォルシュ監督の力量で誤魔化されたような気がする。
構図やアクション、リズムは申し分ないだけに、ドラマの説得力が無く残念。
同じ史実よりアクション重視の「壮烈第七騎兵隊」の方がまだ説得力はあったかな(面白さもダントツ)。