若草の頃のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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若草の頃

[ワカクサノコロ]
Meet Me in St. Louis
1944年上映時間:113分
平均点:7.82 / 10(Review 11人) (点数分布表示)
公開開始日(1951-03-06)
ドラマミュージカル
新規登録(2004-10-26)【リーム555】さん
タイトル情報更新(2022-12-04)【イニシャルK】さん
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監督ヴィンセント・ミネリ
キャストジュディ・ガーランド(女優)エスター(次女)
マーガレット・オブライエン(女優)トゥーティ(四女)
メアリー・アスター(女優)アンナ(母)
レオン・エイムズ(男優)アロンゾ(父)
ハリー・ダヴェンポート〔1866年生〕(男優)祖父
マージョリー・メイン(女優)ケイティ(メイド)
ルシル・ブレマー(女優)ローズ(長女)
ジョーン・キャロル(女優)アグネス(三女)
トム・ドレイク(男優)ジョン(隣家の青年)
ジューン・ロックハート(女優)ルシール
杉山佳寿子エスター(日本語吹き替え版【TBS】)
脚本アーヴィング・ブレッチャー
音楽コンラッド・サリンジャー
ジョージ・ストールミュージカル・ディレクター
撮影ジョージ・J・フォルシー〔撮影〕
製作アーサー・フリード
ロジャー・イーデンス共同制作
美術セドリック・ギボンズ
ジャック・マーティン・スミス
エドウィン・B・ウィリス(セット装飾)
振付チャールズ・ウォルターズ
衣装アイリーン・シャラフ
録音ダグラス・シアラー
あらすじ
20世紀初頭、万博開催で沸き立つセントルイス市。そこに住むある一家の美しい姉妹を軸にした、心温まるファミリーミュージカル。ストーリーそのものよりも『オズの魔法使い』ドロシーから五年、「トロリー・ソング」「バンブーの木の下で」「ザ・ボーイ・ネクスト・ドア」「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」等の名曲を溌剌と歌う、成長したジュディ・ガーランドの至芸を愉しむべき映画。ジュディと監督ヴィンセント・ミネリはこの作品が縁で翌年結婚、娘ライザ・ミネリをもうけた。
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1
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11.《ネタバレ》 マーヴィン・ルロイ版『若草物語』は1949年製作ですが、同年末には日本でも公開されたとのコトなのです。翻って本作、製作こそ先立つことの1944年ですが日本公開は1951年になってからで、なのでタイトルがこの感じなのはそれ故に…とゆーコトなのでしょう。確かに、ミュージカルと一般映画という大きな違いこそあれ、両作は登場人物の構成などもかなり似通っていますし、何よりも作品が描こうとするモノにこそ大いに共通する部分が見て取れます。すなわち、両作はどちらも「家族の愛」や「人と人との繋がりに生じる喜び」といったごく普遍的な価値観を温かくノスタルジックに描いてゆこう…という作品だとは確実に言えるかと思うのですね。

本作は『若草物語』に比べれば(ミュージカルらしく)ドラマ部分はごくハートフルで然程シリアスに振れるコトはありません、が、ただ明るくコミカル…というワケでは決してなくてシットリやホッコリ、或いはジーンとするシーンも在って、ごく楽しい作品であると同時により深い見応えとゆーのも決して『若草物語』に勝るとも劣らないモノかと思います。その本作の中で、ジュディ・ガーランドは正に彼女の生涯ベストアクトと言っても好いレベルの(諸々の)パフォーマンスを披露していますが、その内で演技にもごくバリエーションが豊富で、彼女の様々な人間性の側面を感じ取れるという意味ではまず非常にお得感とゆーのもありますね。他の役者も、実に可愛らしい末の妹も然ることながら家族の面々も総じて優れた出来で(ダンスパーティのダンディな爺ちゃんなんて最高でしたすね)、重ねてドラマ的なクオリティも十分な作品だと思われるのです。

その上で、本作はミュージカル映画としても立派に名作と言って好いクオリティを有しています。ダンスは(ホントの)ダンスパーティシーンが主ですが実に華やかで素敵ですし、そんなコトよりも何より歌(曲)がも~ド級の名曲揃いです。中盤の『The Trolley Song』も完全に名曲!というヤツで大いに好みだったのですが、更にラストの『Have Yourself a Merry Little Christmas』もコレはも~20世紀屈指の名曲!てな感じで、この曲のシーンだけの為にでも本作を観る価値が在ったと率直に感じましたね。重ね重ね、最高(全盛期)と言って好いガーランドの出来も含めて非常に完成度の高いファミリー・ミュージカル・ドラマ映画でありました。必見かと思いますね。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 9点(2022-04-14 22:24:18)
10.設定からして、これは明るく楽しいハッピーミュージカル!と期待したのですが、明るく楽しいのではなくて、単にみんながワーワーキャーキャーうるさいだけでした。とりわけ、下2人の妹の鬱陶しさと小生意気さには、画面から消えて二度と出てこないでほしい、と思ったくらいでした。かといって、上2人も、姉ならではの知性とか落ち着きとかがなくて、結局は妹と一緒に騒いでいるだけなのですよね。また、それに対する重し役が期待されるはずの両親にも、人格的な深さが見当たらないので、機能していません。すべてのシーンでこれでもかというくらい詰め込んだ色彩の細かさへのこだわりに4点。
Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-29 00:39:16)
9. 実在した家族をモデルにしただけあって、各キャラクターが立ちまくってます。「こいつは主人公の魅力を引き立てるための将棋の駒だな」というキャラクターなどほとんどいません。若草物語に父親(これがまたいい役者さんなんだ)をプラスさせたとでもいうべき家族描写の微笑ましさが素晴らしい。当時7歳のマーガレット・オブライエンが、スープをサジですくっては「あぐ!」すくっては「あぐ!」とやるシーンは一撃必殺の可愛らしさです^^ 基本のドラマパートがこれだけしっかりしているので、ミュージカルがそれほど好きではないよという方がご覧になっても、十分に楽しめると思います。

 路面電車のシーンがこの時代にしては恐ろしく画期的。というのもミュージカルと言うのは普通は「主人公が突然歌いだすことにより、一時的に周りの世界を置き去りにする」ものですが、ここでは全く逆に周りのみんなが歌いだす事により、主人公の方が(精神的な)置いてきぼりを食らう。一人寂しく螺旋階段(おろおろ感を出すミザンセヌ)を登る主人公。…と、彼氏が走ってくる!次の瞬間「ハイ、ここからは私が場の支配者よ」とばかりにサッと歌いだすジュディ。同時にまたサッと周りがジュディを祝福する側に切り替わる。このセンスが本当に素晴らしい。

2017.10.24
 パーティーが終わった後、薄暗がりの中でジュディが隣人ボーイに唄いかける瞬間は凄まじく心地良いのだがそれもそのはず、ここでのミュージカルへの入り方は全ミュージカル史上でもトップレベルの入り方になっている。あの瞬間、男の方が女に観惚れている感じだが、しかしそのたったの数分前までは立場は逆だったのだ。パーティーが終わった直後の時点では明らかに女の方が一方的に男に夢中なだけであり、男の方はそれほどでも無さ気である。しかしここから長回し&照明が絶妙なコンビネーションを見せる。両者の間に漂う‟恋の制空権”が徐々にシフトしていくのだ。ある何らかの瞬間をきっかけにとかではなく徐々にという所がミソ。女が男に「照明を消すのを手伝って」と頼む。隣人ボーイはそれを快諾して照明を一つ一つ消していくのだが、この時の照明が本当に上手い。一気にではなく少~しずつ少~しずつ暗くなっていく。この家はジュディの家であり隣人ボーイにとっては敵地なのだからして、場の空気がボーイにとっては徐々に心細くなっていく。同時に両者の距離感が徐々に縮まっていく。さらに奥の手というか、他人の家の照明に不慣れなボーイが時々線の捻り位置を戸惑うのを女が教えて‟あげる”のである。このような過程を得て恋の制空権が本当にちょび~っとずつ男方から女方へとシフトしていく。ここでさらに第二の奥の手、階段の高低差を使った演出がズバッとハマる。女が男を見下ろし男は女を見上げる。この時点で観ている我々の立場としては「あ、これはもう恋の制空権が男側から女側へとガタ~ンと傾いたと思っていいんだよね? いいんだよね?」みたいな微妙な感じになっている。なにしろ恋の制空権のシフトのちょび~っとずつ具合があまりに上手すぎるために「ここらでぼちぼちはっきりした‟一押し”が欲しいなあ」という感じになっているわけだ。そのまさに「今だ!」というときにジュディが歌い始まるのである。「今の君の素晴らしさを何と表現しようか、え~と…」みたいな感じになっている男に対して女が「はいはい、しょうがないわね、あんたの言いたいことはこうでしょ」という感じで歌って‟あげる”のである。もうお分かりだろう。そう。このミュージカルの入り方というのは「はい、みなさん、お待たせしました~!もうここを持ってはっきりと恋の制空権が男側から女側へとシフトしたと思っていただいて結構ですよ~」という製作者からの我々への公認のGOサインを兼ねた入り方になっているのだ。そしてそれが「そうだと思いたいなあ」という状態でいる我々の願望をこの上なく心地良いタイミングで後押ししてくれるものなのでこれ程までの心地良さを感じることが出来るのだ。本当にセンスの良い入り方とはこういう入り方の事を言うのである。しかし本当に長回しの効果が絶大なシーンだ。実は私は世に存在する長回しシーンのまず8割方は嫌いなのだ。「なんちゅう芸の無い使い方じゃ。長回しが元々持っている特性をただそのまま使ったっていうだけやんけ。ある意味、『ほら見てください!星形のプリン型を使ってプリンを作ったらなんと!星形のプリンが出来ちゃいましたよ~!』とか言っとるようなものやんけ…」と呆れるものが多いし、眠たくなってくるものも多い。しかしここのシーンは別格である。

 後半(秋パート)のミュージカルシーンで階段を上手く使って家族全体の沸点が徐々に下がっていく様子を表現したシーンも秀逸。この映画はミュージカルの見本ですな。
バーグマンの瞳さん [DVD(字幕)] 9点(2013-12-14 12:22:15)(良:1票)
8.《ネタバレ》 企画段階ではMGMの重役から「ドラマ性に欠ける」と言われていた作品。ルイス・B・メイヤーは身近な幸せを描くコンセプトを気に入っていたが、それが映画になるのか確信を持てなかった。しかし、アーサー・フリードの実績を信用してGOサインを出すと、これが結果的には大成功。ヒットを飛ばし、アカデミー賞で4部門にノミネートされた。音声解説を聞くとこういう事らしい。原作では少ししか出てこない隣家の青年をエスターの恋人として登場させ、恋愛映画としての一面を持たせるなどの工夫は見られるが、根本は家族愛を描いた作品。幸せだな~、家族っていいな~と思える内容で心があたたまる。主人公が思いのほか“めそめそ”してる。脱線事故につながりかねないイタズラを笑って許す。このあたりが気になったので減点したが、もちろん嫌いな映画という事ではない。
リーム555さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-03 18:09:58)
7.太平洋戦争中に作られた米国映画は、戦後になってようやく日本でも公開された。だからこの映画も戦後作られたジューン・アリソン主演の若草物語より後になってしまった。共通するのは4人姉妹、天才子役マーガレット・オブライエン。ストーリーも何となく似ているが、私はこっちの方が好き。ジュディもオズの魔法使よりさらに輝いていた。有名な歌の数々もすばらしい。家族愛も、みんなで万博をという街の姿も。ダンスパーティでの爺ちゃんの粋な計らいには、思わず拍手した。
ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-08 08:53:43)(良:1票)
6.《ネタバレ》 「オズの魔法使」で人々に愛されたドロシー。この時1939年。しかしその10年後頃からは常にジュディ・ガーランドにはスキャンダルが付きまとい、その後も素晴らしい映画がありましたがあまりにも短い生涯でした。よって、本作の頃が最も彼女が輝いていた、まだ二十歳を過ぎたばかりの彼女にとっても若草の頃でした。

そんなジュディが歌う数々の素晴らしい歌も心温まる家族愛の物語も楽しく感動的な作品です。冒頭、家族が口々に歌う”セントルイスで会いましょう♪万博で会いましょう♪”から楽しく、中盤の路面電車のシーンの素晴らしさ!女達の色とりどりの花をあしらえた帽子と衣装、歌うジュディ、その曲の高揚感。ジュディ演じるエスターの心も、万博がやって来る街の高揚感もが見事に伝わってくるシーンです。

エスターと優しい姉がいて、可愛い妹達がいて、両親にお爺ちゃんに兄にお手伝いさんに至るまで家族皆が魅力的でそれぞれの作品の中での存在感がしっかり出ていています。元気いっぱいのジュディを中心に明るく仲睦まじく暮らす家族の姿が描かれ、幸せなクリスマスに続き家族愛と家族それぞれの故郷を愛する思いが伝わってくる万博会場でのラストも実に感動的でした。
とらやさん [DVD(字幕)] 9点(2011-04-03 01:03:18)(良:2票)
5.娘たちのキャラクターは見てて楽しい
案山子さん [DVD(字幕)] 7点(2008-12-24 03:23:31)
4.《ネタバレ》 「オズの魔法使」で素晴らしい歌声を聞かせ、世界中の映画ファンにジュディ・ガーランドの名を知らせ、そんなジュディ・ガーランドが五年後の当時、若干22歳という若さでありながらも更に見事な歌声と素晴らしいダンスを披露しています。これは間違いなく彼女の代表作の一つとして記憶されるべき傑作です。まずは何と言っても最初に馬車に乗ってやってくる所からして、もう何という可愛さ、テニスのラケットを片手に家の中に入ってくる時のあの可愛さ、そんなジュデイ・ガーランドの美しい歌声が最初から最後まで全編に渡って流れてきます。セントルイスの自宅に招待された大勢の人達とのダンスシーンの優雅なこと、あのダンスシーンだけでも鳥肌が立ちました。これこそ正しく良きハリウッド映画の香り十分のミュージカル映画としての楽しさ、とにかく観ていて本当に楽しくなります。そんな楽しいこの映画、やはり映像美も素晴らしい。窓から入ってくる光の反射の美しさ、サンタクロースが来るのを待ちわびている健気な妹とそんな妹思いの優しきジュディ・ガーランドをはじめとする家族達、音楽の楽しさと家族の絆の大切さを素晴らしい音楽と映像に乗せて見せる素晴らしさ、何とも優しさに満ち溢れたこれまた素晴らしい映画だなあ!と観終わって良いもの観たそんな気がします。これ、絶対にDVD欲しくなる。もう、欲しくて欲しくてたまらん!絶対に買います。これでジュディ・ガーランドの出ている作品を見たのは「オズの魔法使」「イースター・パレード」に次いで三本目だけど、今の所、この三本、どれも私の中では傑作だと自信を持って言うことが出来ます。
青観さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-05-05 16:09:33)(良:2票)
3.これはいい映画やなぁ。家族愛が素晴らしかった。大好きな曲である"Have Yourself A Merry Little Christmas"を歌っているシーンは鳥肌が立ちました。
ギニューさん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-13 22:16:05)(良:1票)
2.ジュディ・ガーランドの決定版であると同時に、家族の些細ないざこざから太い絆まで丁寧に描ききった、素晴らしく愛しい好きで好きでたまえらない作品です。ラストの方なんて完全に涙腺緩みっぱなしです。テーマ曲"セントルイスで会いましょう"や"メリー・リトル・クリスマス"など超名曲もたっぷり堪能できるのですが、自分も同意見で恐縮ですが、とにかく"トロリー・ソング"が最高です。楽曲のクオリティ高すぎ、完璧です。
本作に限らず、ジュディ・ガーランドが残した数々の(心震える)名曲・名唱のの中でもまさに屈指のナンバーです!

よし坊さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-09 10:16:08)(良:2票)
1.おそらくジュディ・ガーランドが生涯で最も溌剌と光り輝いていた時期に撮られた作品だと思います。「ザッツ・エンターテイメント」のレビュー後、無性にこの映画の本編が観たくなり、レンタルショップへ直行しました。なんかね~、いいんですよ!映画全体に流れてる優雅な雰囲気が。「緑園の天使」や「若草物語」が好きな方なら絶対イケルはずだし(多分これが当時のMGM色ってヤツ?)もちろん「オズの魔法使い」でドロシーに恋した人にもおすすめ。恋する高揚感の中で唄われる「トロリー・ソング」が幾つかの佳曲の中でもやっぱ一番の傑作。可愛らしさだけでなく子供特有の残酷さも垣間見せてくれたマーガレット・オブライエンも良し。惜しむらくは鮮やかなテクニカラーだとばかり思っていたのに、モノクロバージョンのDVDだった事。(追記)カラーバージョンにて再見したので一点追加します!「♪恋したら くちずさもうよ トロリー・ソング♪」おそらく、トロリー(チンチン電車)が鳴らす汽笛と、恋した時の胸の鼓動を重ね合わせこの軽快な名曲は生まれたはず。
放浪紳士チャーリーさん [DVD(字幕)] 8点(2005-07-09 11:28:52)(良:3票)
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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 7.82点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
419.09%
500.00%
619.09%
719.09%
8327.27%
9545.45%
1000.00%

【アカデミー賞 情報】

1944年 17回
撮影賞ジョージ・J・フォルシー〔撮影〕候補(ノミネート) 
オリジナル主題歌 候補(ノミネート)"The Trolley Song"
作曲賞(コメディ)ジョージ・ストール候補(ノミネート)(ミュージカル映画音楽賞として)
脚色賞アーヴィング・ブレッチャー候補(ノミネート) 

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