8.《ネタバレ》 これは、異色西部劇。 騎兵隊の軍法会議の法廷ものである。 劇中、ジェロニモはもういないとか言ってたから、 時代的には1890年前後の西部劇。 巧いよね、ジョンフォード。 黒人差別をテーマに、話を見応えあるものにしている。 西部の町に、あのような裁判をする集会所があることも新鮮。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-01-31 01:33:01) |
7. 高潔な軍人の理想像を具現化した西部劇であり、人種差別に立ち向かう人々を描いた法廷劇でもある。ラトレッジ軍曹の好人物的な描き方は結構だが、この監督の騎兵隊三部作や「長い灰色の線」等の作品を併せて思うと、軍人礼賛の印象が強い点はマイナス要因。 黒人兵とアパッチの戦いには複雑な気分になる。白人・黒人・先住民それぞれの立場を想像し、現下のアメリカにおける社会情勢にも思いを馳せる。 レスラー時代のW・ストロードはやせ気味の印象だったが、長身痩躯の誠実な軍人は適役と言える。 終盤、真犯人の追及はあっさり終わった感じで、自白までの過程が弱い。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-14 22:17:22) |
6.《ネタバレ》 主題が「肌の色で罪を決めてはいけない」という正義なので、好意的には見たくなってはしまう。 でも最初から その流れは読めてしまって、ハラハラ感が無い。ラトレッジ軍曹の悲壮感は好演されているが、脚本的にあまり生かされていないように思う。 とはいえ、この内容を快く思わない白人もまだ沢山いたアメリカ社会で、作品を世に出した功績から考えて、6点以下は付けにくい。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-26 22:03:04) |
★5.《ネタバレ》 ウエスタンなのにガチガチの法廷モノというのが斬新で目を引くのですが、意外にも洗練された作りで、法廷と回想を巧く織り交ぜつつ最後まで一気に見せ切る力があります。ただ、内容的にはやっぱり相当強引で、検察の立証のいい加減さはほとんど失笑レベルですし、中盤以降の証人は何で出て来ているのかも分かりません。それと、最後のオチは、むしろ逆にいらなかったんじゃないのかな・・・。ただ、この脚本/監督コンビはこれで手応えをつかんだのか、2年後にさらに社会派路線(?)を際立たせた「リバティ・バランス~」を開花させており、その足がかりになったとすれば大いに意味があります。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-03-25 01:05:21) |
4.《ネタバレ》 法廷での軍事裁判が舞台となっていますが、重要なのはそこで扱われている事件そのものではなく、最初はついでのように思えたアパッチ族襲撃をめぐるあれこれ。この事態への対処を通して、“高潔さ”とは何かを扱っているように思われます。その高潔な人物というのが黒人であるということが、さらなるポイントでしょう。こうした設定がうまいし、襲撃事件と裁判との有機的な結びつきもすばらしい。単にアパッチ族の件だけでなく、裁判で扱われている事件を加えることによって、テーマがいちだんと際だつようにできています。このテーマを考えれば、原題が"Sergeant Rutledge"となっているのもうなずけます。最後の解決があっけないですが、あれこそ裁判が最重要ではないということを象徴していると思います。巧まざるユーモアにあふれているのも魅力でした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-24 22:50:05) |
3.主人公は、黒人を中心に構成された騎兵隊の中尉。部下の黒人軍曹が強姦・殺人の容疑をかけられ、中尉自身が彼を逮捕するが、軍法会議では彼の弁護を買って出る。という訳で、西部劇ですが、法廷ミステリーでもあります。いや、この“法廷ミステリー”というのはあくまで形式上のことであって、やはりこれは“西部劇”なんでしょう、強固な意志たちと、その意志に挟まれ苦闘する主人公の姿を描いた作品なのだから。法廷での証言から過去が徐々に明らかにされていく形式、法廷での証拠のやりとり、意外な結末などは、いかにもミステリーらしい構成ではあります。しかし、証言から始まる回想シーンは、真相究明という点から見ればしばしば脱線もするし、証言者の主観に止まらず客観的な描写(証言者が実際には見ていない場面の描写)もあり、言ってみればこれらの証言で描かれているのは、謎ときゲームのための単なる手がかり、というよりもむしろ、登場人物たちの人物像、彼らの意志そのもの、とも言えるでしょう。信じるべき部下の軍曹、しかし主人公を容易には受け付けない強固な意志。軍曹の無実を信じ主人公を批難する、主人公の恋人の意志。時に人種差別をむき出しにする検察側の攻撃。そしてこれらに挟まれつつ、最後まで真相究明にもがき続ける主人公の姿こそが、本作の大きな魅力となっています(要するに、主人公がイマイチ頼りないから、盛り上がるんですな)。頑固者で強敵と思われていた判事が、意外にもグダグダになり、ユーモアをふりまいて物語の下支えをしているのも見逃せません。ラストはいささか唐突ですが、このあたりはミステリーとしてのサービス、ということで。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-11-04 10:02:04) |
2.《ネタバレ》 いつものジョン・ウェインが出ているわけでもなく、いつもの西部劇でド派手にドンパチ馬で荒野を突っ走るわけでもなく、ジョン・フォードが監督したとは思えないほどの異色作。一歩間違えれば戯曲の映画化と見間違えるほどに濃厚な法廷サスペンスは見所たっぷりでした。映画自体は大体が証人喚問→回想シーン→証人喚問→回想シーンな流れですが徐々に事実がわかってきたところでのラストの急展開は予想外、いや無理無理どんだけ捻ってるんよー(笑)それまでの流れで犯人は誰なんやろか感が一気に萎えてしまったように感じます。まぁそれでもジェフリー・ハンターとウディ・ストロードの熱演が光るこの映画の面白さは変わんない~、かな~。 |
1.ジョン・フォード監督が法廷劇をどう描いているのか興味があって借りてきました。でもって、やはりこの監督、上手い!話の持っていき方、裁判シーンでの緊張感、盛り上げ方、更にはこの作品、勿論、監督が西部劇を撮らせたら世界一の監督だけあって、西部劇としても十分楽しめる仕上がりに満足のいく作品でした。法廷劇と西部劇とのそれぞれ回想シーンでの見せ方もさすがです。壮大なる西部の街並み、その写し出される背景といいまた一つジョン・フォード監督の映画で面白い作品を観た気がします。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-03 13:08:35) |