蟹工船(1953)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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蟹工船(1953)

[カニコウセン]
1953年上映時間:112分
平均点:6.38 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(1953-09-10)
ドラマモノクロ映画小説の映画化
新規登録(2006-05-14)【aksweet】さん
タイトル情報更新(2021-05-06)【イニシャルK】さん
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監督山村聡
キャスト山村聡(男優)のんだくれの松木
日高澄子(女優)娼婦
森雅之(男優)新船医谷口
森川信(男優)倉田
中原早苗(女優)夏ちや
河野秋武(男優)箕面
御橋公(男優)工場長藤野
小笠原弘(男優)海軍少尉
小笠原章二郎(男優)タイワン田辺
武田正憲(男優)周旋屋
花沢徳衛(男優)木下
大塚周夫(男優)
河原崎しづ江(女優)
浜村純(男優)
原作小林多喜二「蟹工船」
脚本山村聡
音楽伊福部昭
撮影宮島義勇
仲沢半次郎
製作山田典吾
美術小島基司
あらすじ
はァ〜るばる来たぜ函館ェ〜♪ さーあ蟹工船が出航するよ! こんな大不景気のご時世だ。みんな食い詰めて流れて来たんだろ、さあ乗って乗って! 未経験者歓迎、必要なのはやる気だけ! なんたって身体だけが元手、日本男児の商売だからな! これから地獄…じゃないカニが捕れる荒海で、その溢れる力を発散しまくってくれよ。職場は安全第一、日本帝国海軍の護衛つきだ! な? 乗る気になったろ? さあこの契約書にハンコ押して、よしよし。御一人様、蟹工船にご案内だァ!
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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8.金の為だけの地べた這いずり回るような仕事の究極版である内容は織り込み済みなので船内の日常風景もこんなものかなというところ。ただ、悪の権化である監督が「この卑怯者が」と言うのには「お前が言うな! この・・(自粛)」血圧が上がりました。お目当て森雅之さんが発見できず、再見で確認しましたが全くのチョイ役で停止して見詰めてもご本人と分からずガックリ。
The Grey Heronさん [DVD(邦画)] 5点(2022-01-17 00:30:06)
7.《ネタバレ》 原作が原作なので、ひたすら労働者が理不尽な扱いを受ける光景が延々と展開されるわけです。そこは覚悟の上なので良いのですが、肝心のラストが、原作とはむしろ正反対になってるなー。まあ、あれを映像化しようとしたら二度手間になるのは分かりますが、字幕だけでも何とかならなかったのか?でないと、多喜二がそもそも伝えようとした、労働運動の明日への希望という主題も消えてしまうでしょうに。●ただ、原作発表からまだ25年も経ってないという、まだその空気感が残っていたであろう時代に、それを封じ込めて作品化した歴史的意義は、やはり大きい。
Oliasさん [DVD(邦画)] 6点(2021-05-06 00:11:41)
6.《ネタバレ》 大貧民が革命を起こして逆転勝利、という展開を期待したくなったが、資本家のイヌを皆殺しにするどころか終わってみれば死んだのは労働者側だけだった。死んでも一矢報いてやるといったサムライ根性のない連中であり、こういうヘタレに革命など起こせないだろうと思ったが、これは多分、劇中の「監督」と同意見である。
ところでこの映画を見ていると、ロシア革命に先立って1905年に起こった戦艦ポチョムキンの反乱を思い出す(エイゼンシュテインの映画は未見)。単純に見れば、この映画の製作者は本気で革命でも扇動するつもりだったのかと疑われるのだが、その点原作の方はかえって漸進的な社会改良を目指していて穏健に感じられるのが変である。また原作の労働者は現実に学んでしたたかに生きる姿勢を見せているのに、映画では弾圧されて終わりのため、労働者は弱いという印象しか残さない(前記)のもストーリーとしてどうかと思う。映画の最後が血塗られた旭日旗だったことからしても、どうもこの映画では労働者よりも国家の暴力の方に焦点を当てていて、原作の意図そのままではないと思った方がいいらしい。反権力を声高に叫ぶ時代の先駆けということか。
なお反乱の場面で遠くに浮かぶ艦影は、実際に昭和初年に就役していた峯風改型か神風型の一等駆逐艦に見える。普通こういうのは適当にごまかすと思うのだが、事実関係については真面目に再現しようとしている映画らしく、これは製作者に敬意を表する。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 5点(2012-08-05 20:13:45)(良:1票)
5.《ネタバレ》 自分、訳あって、エビ、カニ、タコ、イカ 食べれないんです。そんなわけで、エビ、カニ、タコ、イカ 自分にとっては いつなんどきでも平等に同罪なんです。なのに、なぜ? 蟹工船、蟹工船って なんでカニばかりが脚光を浴びるのか? なんか納得いかなかったから【蟹工船】 今さらながら、辞書で調べてみました ⇒ 《北洋でカニ漁を行う母船。漁獲したカニを船中で缶詰に加工する設備をもつ。蟹母船。》 ふむ、なるほど‥‥。 って 「わかっているさ そんなこと」 ってな具合でさ 当たり前のことしか説明してくれてませんね。 でも自分がそんな事とは別に知りたかったのは、、なんで蟹工船って存在するのに海老工船って存在しないのか? ってなことなんですよね。なんでカニだけお宝扱いされるのか?エビの立場は?タコの気持ちは?イカの気分は? なんてしょーもないこと考え数日過ごしてしまった。なんて平和なんだ 自分。1953年のひとらは生死をかけて荒波に揉まれていたというのに、海と過労と己の体力と戦ってたというのに、なんかその辺申し訳ない気持ちになってしまった。だめですね 自分。なんかごめんなさいでした。
3737さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-21 23:52:53)(笑:1票)
4.《ネタバレ》  原作の雰囲気をうまく伝えている。白黒のやや荒れた映像も、物語の暗さ、救いの無さにマッチしている。
 蟹工船の悲惨さを、当時の技術でここまでしっかりと映像化したのは脱帽もの。

 役者である山村聰、監督としてきっちり仕事しているが、出演する必然性はなかったかも。物語の根幹に関わるものではなく、いろんな過去を持った乗組員の一人という役回りで、全体の中で本来そんなに出番があるべきではないのだが、ちょっと存在感を出しすぎ。
 役者が監督ということで、出番を多くできず、無理して存在感をだそうとした感じで違和感があり、監督に徹するか、大事な役に回るか、どちらかにして欲しかった。

 それ以外は、しっかりとした構図、演出、展開で、文学原作の映画として、独自の解釈や演出は控えめにして、真面目にそのままの雰囲気を出すことに成功していると言える。

 ただ、原作の重さ、暗さがそのままの迫力で表現できてしまったため、後味の悪い、楽しめない映画でもある。
nobo7さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-02-13 17:40:51)(良:1票)
3.原作に忠実に。最後まで救いも無く、慈悲も無く、使役される労働者の絶望と怒りを描いています。ただあの原作に忠実なので、やや物語の筋が面白く無いのが個人的にネックでした。音声が非常に悪いのも物語をキチンと把握し辛い事に繋がってしまっていてやや残念です。これは時代の問題なので仕方が無いですが。
民朗さん [映画館(邦画)] 6点(2010-10-26 23:18:25)
2.《ネタバレ》 原作未読。

これですねー、札幌の蠍座のプログラムで『父親たちの星条旗』の直前に観たんですよー。
もうね、『星条旗』の方では米兵視点で完全に「行け行け! 日本海兵殺ってまえ~!」状態ですわ。完全に洗脳されていた(笑…えるか?)。
それくらい、明治以降の日本式資本主義が明快に《画》になっている作品。銃を構えた海兵に労働者を包囲させ、「扇動者は誰だ! 出て来い卑怯者!」ってそれ、アンタが卑怯やん。
評価点は、《船》という閉じた生態系がまずしっかり描かれている事。
その存在目的とエコシステムが、物語の進行に連れて次第に明らかになる事。
やがて準前線的なヤバイ場所まで連れてかれる事を、労働者だけじゃなく観客までも知らずにいる事。
さらには(北海道人なら承知ですが)海で死んだ奴らがカニの餌になり、一段高いレベルのエコシステムまでが象徴的に暗示されている事。

音楽について。
冒頭、スタッフロールの背後で乗船する人々。ここで流れる音楽の厚さに圧倒されます。
誰かと思ったら音楽監修・伊福部明!
これ怪獣映画じゃん!(笑)
おそらく、船内世界を実社会へ投射させるという物語のメカニズムを生んだ草分け、『白鯨』を意識して、資本主義を巨大な怪獣に見立てるというプリプロダクション時の思考があったんじゃないかと思います。そう。これは、怪獣映画として壮絶に成功しています。
巨獣と群集の明快で絶対的(時として逆転もしますが)な関係が赤裸々に語られる本作は、凡百の怪獣映画より遥かに凄い。

スタジオでのお芝居もありますが、汚れきったきたねー衣装を揃え、字幕が欲しくなるほどちゃんとした函館弁を喋らせ、本物の蟹工船にキャスト全員を乗せて、本当に蟹を引き上げさせて、本当に大シケの中で(って下手すりゃカメラマン死ぬよアレ)、本当にスタントを荒波に放り込んで…このリアリズム。ヘルツォークがお坊ちゃまに見えてくるほど、体を張って撮った野蛮さ、無茶苦茶さで、脳天を撃ち抜くような迫力でした。
エスねこさん [映画館(邦画)] 9点(2007-04-18 20:49:27)
1.恐ろしい。何と救いなく、希望なく、未来もない。何よりも洋上独特の閉塞感を持つ「蟹工船」の存在自体が堪らなく怖い。そして、人間の、とりわけ無軌道な集団心理が放つ悲劇が怖い。

見所といってイイのかわからないが、CG全盛の現代においてもここまでの迫力はナイんじゃない?と感じてしまう海洋スタントが、ホンマに文芸作品か?と疑わしいくらいの気合というか、出来というか。当時にして「パーフェクトストーム」以上のクオリティと言っても言いすぎじゃない。恐るべし快作、恐るべし山村聡。

原作を読むもよし。「漫画で読む・蟹工船」を読むのもよし。しかし、機会があれば、映画版「蟹工船」も、是非。
aksweetさん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-05-23 00:58:39)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 6.38点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5337.50%
6337.50%
700.00%
800.00%
9225.00%
1000.00%

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