1.《ネタバレ》 いやー、楽しかった!!
それがまず第一の感想。
石井輝男作品の中では『網走番外地』に次いで好きな作品となった。
館内には女性一人客やカップルなどもちらほら。
単なる成人娯楽映画でないことは客層からも伺える。
21時20分からの上映ということだったが、オールド・ファンな方もいて、改めて石井輝男の底力的人気を感じた。
主演は若杉英二。
いかにも不健康そうなオヤジさん俳優で、元プロ野球の東尾修氏に似ている感じのお人だ。
それに対するは石井輝男作品のミューズ、橘ますみ。
いつ見ても綺麗だし、可愛らしい。
この二人の組み合わせの時点で既に興奮してしまうわけだが、内容は更に凄く、橘ますみは90分間陵辱の限りを受ける、と表現しても嘘にはならない程の内容。
途中、さすがに飽きも出てきたところで、展開がうまい具合に変わる辺りはさすがの演出。
その後、一気に怒涛(?)のクライマックスへ。
見所は沢山ある。
まずは橘ますみのとっかえひっかえの衣装。
今見ると時代遅れ的なファッションセンスだが、それが期せずしていい味を出している。
そんな服が存在したんか、というような奇妙な衣装を颯爽と着こなす橘ますみ。
これは見ていて純粋に楽しめた。
また若杉英二のちょっとした動作も面白い。
部屋の埃を指先でチェックする辺りの動作とか。
特にラストシーンで雷に打たれるシーンがあるが、あそこは爆笑してしまった。(場内にも爆笑の渦が起こった)
本来なら爆笑すべきシーンでないところで、爆笑を誘う独特の面白さがあり、これは石井輝男の他の作品に通ずる魅力でもある。
また、途中で登場するオカマに目を惹かれてしまった。
青山ジミーというオカマさんらしく、当初は有名なあのカルーセル麻紀が出演するところを代打で出たらしい。
さすがに体は気色悪かったが、目もとがとてもお美しく、これまた興奮。
上映終了後だが、館内には拍手が巻き起こった。
そして周囲のお客さんはみんな笑みを浮かべている。
かくいう私も、顔には笑みが浮かんでいた。
ホール内には、「いやー、良かったー」「楽しいネー」の声。
みんな笑顔で談笑している。
みんなを幸せにする映画、『異常性愛記録 ハレンチ』。
流行の映画を観て「アー、タノシカッタァー」もいいけれド、そんな人達にこそ是非観て欲しい映画だナ。
橘ますみの「ハレンチよ!!」に万歳!