4.《ネタバレ》 矢崎仁司監督目当てで鑑賞。
やっぱりこの監督の最近の作品は映像が素晴らしい。
何気ない映像だけど、透明感がある。
そして、どこか一歩ひいたような冷たい映像がまた良い。
中谷美紀があまり好みでないので、そもそも入り込みづらかったが、それでも大森南朋の相変わらずな疲れたクマ顔(目の下にクマがあるという意)に、なんとなく引き込まれてしまった。
まさか、テディベアの「クマ」と「クマ」顔をかけた訳じゃないだろうけど・・・
大森南朋はやっぱりオヤジ(まろあかじ)には似ていない!
中谷美紀の不倫相手を演じた俳優さんは、アップだと顔の皮膚が汚い。
こんなのと不倫する女性の気がしれない!
池脇千鶴は、妻子持ちの男を誘惑し過ぎ!
何が「先輩♪先輩♪」だ。
歳、離れ過ぎだろ!
以上は、文句や不満でなく、結局楽しめたというところのブツ切れ感想です。
やっぱり矢崎仁司監督の作品は良かった。
寡作なのが非常に残念。
あ、大島優子が、妙にエロカワでドキドキした。
最後に内容について触れるのも何なのだが、冷え切った喧嘩もロクにしない夫婦って、まさにこんな感じなんだろう。
喧嘩しない、ではなくて、正確には喧嘩できない、なんだろうけど。
夫が部屋に鍵をかけてとじこもり、一人でゲームをする。
それで寂しがる妻。
それを露骨に拒否はしないが、明らかに一人にしてくれ、と言わんばかりの夫。
非常に身をもって分かってしまうこの構図が怖い。
お互いに不倫し合うけど、結局元のさやに戻る夫婦。
意外と実際こんなもんなのかもしれない。
だって、お互い過去に「この人と一生一緒に過ごしたい」と思った仲だからこそ、夫婦になったわけだから。
一時の刺激だけを求める不倫に、本当の安らぎはない。
だからこそ、良いとは言い切れないまでも、夫婦という元のさやに戻ったんだと思う。
そういう意味では、極めて現実的で、最後まで冷え切った内容で押し通された一貫性を感じた。
矢崎色というより、江國色がより濃く出た作品だったんじゃないだろうか。