2.学生にいじめられるほどさえない教授が、強気な人格に変身できる薬を作り、意中の女子学生にアプローチしていくという、ラブコメ。
大学教授というタイトルに、なにか知的な内容を期待してしまったが、オープニングでさっそく、カラフルな薬品を混ぜ合わせていくという記号的な科学者像を見せつけられ、嫌な予感がした。
誰かが出て何か適当にしゃべってれば映画なんだろと言わんばかりの、水増しの塊のような内容は、見続けるのが苦痛だった。
そんなに屋外が嫌なのかというほど、屋内の窮屈な構図がひたすら続くのは、舞台劇さながらだ。
少なくとも、大学教授というタイトルに期待されるような学門的な内容は、全く含まれていない。
大学教授が主人公なのに、変身後は大学教授とは別のものになるし、大学教授として成功するストーリーではないのが面白くない。
大学教授に対する理解も敬意もなく、むしろ侮辱のように見える。
あの変身後が主人公の憧れの姿だというなら、彼はなぜそれとは全く異なる大学教授になったのだろうか?
それしかなれないから渋々なったのか?大学教授に?そこからしておかしい。
ではなぜ大学教授なのか?妙な薬を作るんなら大学教授だろうという、それだけの意味しかなかったのだ。
ならば結局何が見せたかったのか?いったい誰向けなのか?そんな疑問が後に残った。